VOX V846-HW Wah Pedal は、クラシックな VOX ワウの回路をベースに、ハンドワイヤード配線や厳選パーツを採用したプレミアムモデルです。中域の押し出しが気持ちいい伝統的な VOX サウンドに、レスポンスの速さとレンジの広さが加わり、クリーンのカッティングからハイゲインリードまで、現代的なリグでも使いやすいチューニング。トゥルーバイパス仕様で、オフ時の音痩せを抑えたいプレイヤーにも向いた“ワンランク上の VOX ワウ”です。
[VOX] V846-HW Wah Pedal|ペダマニレビュー
どんなペダル?
V846-HW は、VOX ワウの系譜の中でも「ハンドワイヤード仕様」を前面に出した上位機種です。インダクターを中心としたクラシックなアナログフィルター回路を手配線で組み上げ、トゥルーバイパスやメタル筐体など、現代のボードでもストレスなく使える仕様にまとめられています。
音のキャラクター自体は“これぞ VOX”という中域中心のワウですが、エントリーモデルの V845 に比べると、レンジの広さとダイナミクスの追従性が一段上がった印象です。ピッキングの強弱やギターボリュームの変化に対して、ワウのかかり方と倍音の出方がしっかり付いてくるので、「弾き手のニュアンスをそのまま拡大してくれる」タイプのワウと言えます。
内部に余計なデジタル制御などはなく、操作は従来通りフットボードのみ。ワウに慣れている人なら、踏み始めて数秒で「いつもの VOX だけど、解像度が高い」という感覚が掴めるような、王道を磨き込んだモデルです。
サウンドの特徴(レンジの広さと反応の速さが際立つ“濃いVOXワウ”)
V846-HW のサウンドは、一言で言うと「VOX らしい中域の“ワウワウ感”を残しつつ、レンジと解像度を底上げした濃いワウ」です。
かかと側ではロー〜ロー寄りミッドのうねりが強く出て、ファンク寄りのカッティングでグルーヴ感をしっかり出せる帯域になっています。つま先側に踏み込むと、耳に刺さりすぎない範囲で高域のピークが持ち上がり、泣きのリードやチョーキングに合わせて踏み込んだときに、気持ちよく前に出てくるハイワウになります。
レンジが広めにチューニングされているぶん、V845 と比べて「踏み込みによる音色変化の幅」が大きく、かかと〜中間〜つま先それぞれのポジションでキャラクターの違いがはっきり出ます。結果として、同じフレーズでも踏み方でかなり表情をつけられるのが特徴です。
また、ハンドワイヤードらしいレスポンスの速さもポイントです。ピッキングのアタックに対してフィルターの反応が早く、ストロークの細かいニュアンスも潰れにくいため、ファンク〜フュージョン的な細かいリズムワークでも気持ちよく追従してくれます。
使い勝手・セッティングのイメージ
クリーン〜クランチでの“王道VOXカッティング”
クリーン〜軽いクランチのカッティングに V846-HW を足すと、いわゆる“ワウカッティング”の王道サウンドが作れます。
セッティング例
- アンプ:クリーン〜ごく軽いクランチ
- 歪みペダル:オフ、または軽めのオーバードライブ
- 立ち位置:かかと寄り〜中間を中心に使う
かかと寄りから中間あたりを中心に踏みながら16分カッティングをすると、ロー寄りミッドの“ワカチコ感”がしっかり出ます。アクセントを付けたいタイミングだけ、軽くつま先側へ踏み込むと、コードの頭に明るさと抜けが足され、シンプルなフレーズでも動きのあるサウンドになります。
泣きのリード〜ロングトーン用の“表情付けワウ”
クランチ〜オーバードライブのリードトーンに V846-HW を足すと、チョーキングやロングトーンに“歌うような表情”を追加できます。
セッティング例
- アンプ:中程度のクランチ
- 歪みペダル:オーバードライブ〜ミディアムゲイン
- 踏み方:
- フレーズの入りはかかと寄り
- チョーキングや伸ばしたい音でつま先側へジワっと踏み込む
このセッティングでは、フレーズの山と谷に合わせてワウのピークが動くため、ライン自体はシンプルでも、抑揚のついた“歌うリード”になります。ペンタ一発のソロでも、ワウの踏み方次第でかなり表情を付けられるのが実感しやすい組み合わせです。
常時オン寄りの“ミッドブースト+うねり”として使う
V846-HW はトゥルーバイパスですが、あえてほぼオンにしたまま、「ミッドが少し前に出たうねりのあるトーン」として使う方法もあります。
セッティング例
- フットボード位置:中間〜ややつま先寄りで固定気味
- 用途:リード用の“セカンドチャンネル”的ポジション
中間付近で軽く踏み込んだ状態を基準にすると、ミッドが適度に押し出されたトーンになり、ソロ時だけ足を大きく動かして揺れを強める、という使い方ができます。単純にブースターを足すよりも、フレーズの山で音の表情が大きく変わるので、「ソロだけ少し芝居がかった表情が欲しい」ときにちょうどいい役割です。
ペダマニ的「ここが魅力」
- “VOXらしさ”をそのままに、レンジと解像度を底上げした上位機種
V846-HW は、VOX ワウの代名詞的な“中域ワウサウンド”を大きく変えずに、レンジの広さとレスポンスを底上げしたモデルです。エントリークラスからのステップアップとしても自然で、「今の VOX ワウが気に入っているけど、もう少し表現力が欲しい」というニーズにそのまま刺さります。 - ハンドワイヤードならではのレスポンスとニュアンスの出方
手配線+厳選パーツという構成もあって、ピッキングニュアンスの出方や、ギターボリュームに対する追従性が非常に滑らかです。微妙な足の動きや手元の変化が、音の表情として素直に出てくるため、「ワウを単なるエフェクトではなく、楽器の一部として使いたい」タイプのプレイヤーにとっては大きな魅力になります。 - トゥルーバイパス仕様でオフ時の音痩せを最小限に
従来型のワウでよくある悩みが、「オフ時に音が痩せる/ハイが落ちる」問題ですが、V846-HW はトゥルーバイパス仕様のため、バイパス時の原音劣化が抑えられています。常時接続しておく前提のボードでも、トーン全体への影響を気にせず組み込みやすい設計です。 - 外観・踏み心地ともに“高級感のあるVOXワウ”として所有欲を満たしてくれる
ブラックの筐体に VOX ロゴという伝統的なルックスに加え、作りの質感や踏み心地もエントリーモデルよりしっかりしています。ライブでボードを開けたときに「おっ」と思わせる存在感もあり、所有欲の面でも満足度が高い1台です。
注意しておきたいポイント
- “モダンハイファイ系ワウ”とはキャラクターが違う
V846-HW はあくまで VOX 系クラシックワウの延長線上にあるペダルです。レンジは広いものの、現代的なハイファイワウのようなフラットでレンジ広めなキャラクターではなく、中域にフォーカスした“歌うワウ”寄りの性格です。モダンファンクやフュージョンで超ハイファイなワウを求める場合は、別系統のワウと比較してから選んだ方が安心です。 - ハイゲインの前段ではワウのピークが埋もれる場合もある
クランチ〜ミディアムゲインとの相性は抜群ですが、ハイゲインディストーションの前に置くと、歪みの量によってはワウのピークがつぶれて輪郭が分かりにくくなることがあります。ハイゲイン環境で使う場合は、歪みの量を少し抑えるか、ワウはクリーン〜クランチ用と割り切って運用するのが現実的です。 - サイズ・重量はワウとして標準的だが“軽量コンパクト”ではない
筐体サイズは一般的な VOX/クライベイビー系ワウとほぼ同等で、最近のミニサイズペダルと比べるとそれなりのフットプリントがあります。ボードスペースに余裕がない場合は、事前にレイアウトを考えておかないと、他のペダルとの取り合いになる可能性があります。
機種の仕様
| メーカー | VOX |
| 製品名 | V846-HW Wah Pedal |
| エフェクトタイプ | ワウ(フィルターペダル) |
| コントロール | ペダル操作:(ワウ・スイープ) |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 0.5 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:22 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:102 mm 前後 奥行:252 mm 前後 高さ:80 mm 前後 質量:約 1,300 g 前後(電池含む) |