VEMURAM SHANKS ODS-1 は、プロデューサー/ギタリストの John Shanks と共同開発されたオーバードライブ/ディストーションです。クリーンブースト級の軽い押し出しから、Dumble系アンプを思わせる太くコンプレッション感のあるリードトーンまでカバーし、1台で“アンプのセカンドチャンネル”を追加するような使い方ができるペダルです。
[VEMURAM] SHANKS ODS-1|ペダマニレビュー
どんなペダル?
SHANKS ODS-1 は、いわゆる“Dumble系”のテイストをコンパクトにまとめた VEMURAM のハイエンド歪みです。クリーンアンプの前段に置いてチャンネル追加のように使うことを前提に、レンジの広さとダイナミクス、そして歌うようなサステインがバランス良く調整されています。
ノブ構成は、一般的な OD と同じく LEVEL / GAIN / TONE を中心にしつつ、歪みのキャラクターを微調整するコントロール(RATIO など)が加えられており、クリーン成分と歪み成分のバランスや、ロー~ミッドの厚みを細かく追い込めるのが特徴です。ピッキングニュアンスへの追従性が高く、手元でクリーン〜オーバードライブを行き来するようなプレイに強いペダルです。
サウンドの特徴(粘りと抜けを両立したDumble系ドライブ)
SHANKS ODS-1 の基本キャラクターは、太くて粘る中域に、適度にコンプレッションがかかった“ハイエンドOD”系です。ローエンドはタイトすぎず、必要な分だけしっかり出るので、ストラト系でもテレキャスでも音が薄くならず、コードを弾いても和音感が崩れにくいのが印象的です。
ゲインを控えめにしたセッティングでは、クリーンに少しだけ太さとハリを足すようなクランチトーンになります。ピッキングを弱めればほぼクリーン、強く弾けば軽く飽和する程度なので、手元のボリュームノブだけでかなりのレンジをカバーできます。
ゲインを上げていくと、リード向きの粘りとサステインが増していきますが、ミッドの盛り方が上品なため、いわゆるTS系の“鼻づまり感”とは違う開放的なリードトーンになります。シングルコイルでもハムバッカーでも前に出やすく、バンドアンサンブルの中で埋もれにくいサウンドです。
歪みの質感は、角が立ちすぎないスムーズなクランチ〜ドライブ。ハイゲインメタルのようなザクザク感ではなく、「歌モノのギター」「ポップス/ロックのメイン歪み」にフィットするキャラクターと言えます。
使い勝手・セッティングのイメージ
クリーンブースト寄りセッティング(常時オン用)
- GAIN:8〜9時
- TONE:12時前後
- RATIO:11〜12時(原音と歪みが半々になるイメージ)
- LEVEL:原音と同じか、わずかに持ち上げる程度
クリーンチャンネルの前段に置き、軽いコンプレッションと中域の厚みを足す常時オン用のセッティングです。ピッキングを弱めればほぼクリーン、強く弾くと軽くドライブするので、「アンプのクリーンにもう一段ツヤを足したい」ときに使いやすいポイントです。
メインドライブ・リズム用セッティング
- GAIN:11〜13時
- TONE:11〜12時(バンドの明るさに合わせて微調整)
- RATIO:12〜13時
- LEVEL:バンド内で一歩前に出る程度に
ロック/ポップス系のリズムギター用メインドライブを想定した設定です。ミッドがほどよく押し出されるので、コードを弾いたときの和音感を保ちつつ、オケの中でもしっかり主張してくれます。TS系のような強いミッドピークではないので、フェンダー系アンプとの相性も良好です。
リードトーン用セッティング
- GAIN:13〜15時
- TONE:11〜13時(抜けが欲しいときは少し上げる)
- RATIO:13〜14時
- LEVEL:ソロ時にしっかり前に出る音量に調整
ソロ用にサステインと粘りを最大限活かしたセッティングです。ハムバッカー搭載ギターとの相性が特に良く、音の立ち上がりは速いのに、音の減衰はゆっくりと伸びていくため、ロングトーンやスライドを多用するフレーズで気持ち良く弾けます。空間系の前段に置いておくと、ディレイやリバーブのノリも自然です。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- 1台で“クリーンブースト〜ODチャンネル〜リード用”までを完結できる
SHANKS ODS-1 は、ゲインレンジが広く、クリーンブースト的な使い方から、メインドライブ、リード用のハイゲイン寄りセッティングまで、すべてを1台でカバーできます。ボードのスペースが限られているときでも、「クリーンアンプ+ODS-1」で実質2チャンネル以上の運用ができるのは大きなメリットです。 - ピッキングニュアンスに素直に反応する“弾き手を選ばない”ダイナミクス
VEMURAM らしい高い解像度とレスポンスのおかげで、手元のボリュームやピッキングの強弱によるニュアンスコントロールがしやすいです。弾き方によってクリーン〜クランチ〜ドライブが自然につながっていくため、「アンプを大きく鳴らせない現場でも、指やピックのコントロールで表現したい」プレイヤーには非常に扱いやすいペダルです。 - ハイエンド感のあるトーンなのに、ロックにもブルースにも馴染む汎用性
Dumble系というとフュージョン寄りのイメージがありますが、SHANKS ODS-1 はロック/ポップス系の現場にもそのまま持ち込めるキャラクターです。中域の押し出しはしっかりしつつもハイがきつくなりすぎず、バッキングにもリードにも対応できるため、ジャンルを問わず「ちょっと良いメイン歪みが欲しい」ときの有力候補になります。
注意しておきたいポイント
- 価格帯は完全に“ハイエンドクラス”なので導入ハードルは高め
VEMURAM 製品全般に言えることですが、SHANKS ODS-1 も国産ブティックの中でも高価格帯に位置するペダルです。単なる OD の置き換えというより、「アンプのチャンネルを1つ増やす」「メイン歪みの軸を1台に任せる」といった目的がないと、コストパフォーマンス的には割高に感じるかもしれません。 - 歪み量は十分だが“モダン系ハイゲイン”を狙うペダルではない
ゲインを上げればかなり強いドライブまでいけますが、方向性としてはあくまでオーバードライブ〜クラシックなディストーション寄りです。モダンメタルのようなタイトで激しいハイゲインを求める場合は、別途ハイゲイン専用ペダルを用意した方がイメージに近づきやすいでしょう。 - セッティングの追い込みに少し時間がかかるタイプ
RATIO などのコントロールで歪みと原音のバランスを細かく変えられる反面、最初は「どの位置が自分好みか」を探るのに少し時間がかかります。特に、アンプ側のセッティングやギターとの相性で印象が大きく変わるので、スタジオなどでじっくり時間をかけてベースの設定を作っておくのがおすすめです。
機種の仕様
| メーカー | VEMURAM |
| 製品名 | SHANKS ODS-1 |
| エフェクトタイプ | オーバードライブ/ディストーション(Dumble系ドライブ) |
| コントロール | LEVEL:(出力レベル) GAIN:(歪み量/サチュレーション) TONE:(トーン調整) 必要に応じて内部トリマー調整 |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター/ライン入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 12 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:10 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:70 mm 前後 奥行:113 mm 前後 高さ:50 mm 前後 質量:約 425 g 前後(電池含む) |