VEMURAM Jan Ray は、クリーン〜クランチ帯を中心に、アンプ本来のニュアンスを損なわず押し出してくれる「透明系オーバードライブ」の代表格です。レンジの広さと高い解像度が特徴で、常時オンのベーストーンからブースター用途まで、ボードの心臓部として長く使える1台です。
[VEMURAM] Jan Ray|ペダマニレビュー
どんなペダル?
Jan Ray は、フェンダー系クリーンアンプを心地よくプッシュすることをコンセプトに開発されたブティックODで、倍音豊かなクランチとハイレスポンスな弾き心地が最大の魅力です。VEMURAM特有の真鍮筐体と高品位パーツによって、ノイズを抑えつつダイナミクスをしっかり残したサウンドに仕上がっています。
つまみ構成は VOLUME / GAIN / BASS / TREBLE とシンプルですが、どのノブも効きが細かく、アンプやギターを選ばず幅広く追い込める設計です。シングルコイルのストラト、テレキャスとの相性はもちろん、ハムバッカーでも輪郭を失いにくいのが実戦的なポイントです。
サウンドの特徴(原音のニュアンスを保つ透明系クランチ)
Jan Ray の基本キャラクターは、「歪みそのもの」よりも「原音を押し出す」タイプのオーバードライブです。ロー〜ハイまでレンジが広く、特定帯域だけを極端に持ち上げないため、ギターやアンプの個性を残したまま、心地よいコンプ感と倍音を加えるイメージになります。
GAIN を控えめにした設定では、きらびやかなクリーン〜クランチが作りやすく、ピッキングの強弱に素直に追従してくれます。上げていっても粒立ちが崩れにくく、コードを弾いたときの分離感が高いので、テンションコードを多用するプレイヤーにも向いたキャラクターです。
BASS / TREBLE の効きも自然で、BASS を絞ればタイトなコンプ感、足せば太めのクランチ、TREBLE を足していくとガラス質な抜けが加わる、といった形でイメージ通りに音作りしやすくなっています。
使い勝手・セッティングのイメージ
クランチベーストーン(常時オン用)
GAIN:9〜10時
VOLUME:原音と同じか、わずかに上
BASS:11〜12時
TREBLE:12時前後
フェンダー系クリーン〜軽いクランチのアンプに常時オンで足す想定の設定です。薄くコンプ感と倍音が乗り、ピッキングを強くすると心地よくザラっと歪む「手元でクリーン〜クランチを行き来する」スタイルに合います。ポップス〜ロックのバッキング全般に使いやすいトーンです。
リード用ゲインブースト(歪みチャンネルの前段)
GAIN:12〜13時
VOLUME:バンド内で一歩前に出る程度まで上げる
BASS:11時
TREBLE:12〜13時
既に歪ませたアンプ、もしくは別のディストーションの前段に置き、ソロ用に押し出す用途のセッティングです。ミドルを過度に膨らませるタイプではないので、既存の歪みのキャラクターを崩さず、音量と抜け感だけを上乗せするイメージで使えます。
クリーンブースト寄りセッティング(アンプのキャラを活かす)
GAIN:最小〜8時台
VOLUME:原音よりやや上
BASS:12時
TREBLE:12〜13時
歪みはほとんど加えず、アンプのクリーンにレンジ感と立体感を足す用途です。クリーンカッティングやアルペジオを多用する場面で、音量だけでなく「存在感」を上げたいときに有効です。空間系の前に置くと、リバーブやディレイの乗りも自然になります。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- 原音のキャラクターを保ったまま「もう一段おいしいポイント」を引き出せる
Jan Ray は、ギターやアンプの持つキャラクターを壊さずに、倍音とコンプ感だけを上品に足してくれるペダルです。お気に入りのアンプの「ここが気持ちいい」というポイントを、ステージボリュームでも再現しやすくなるため、アンプ重視派のギタリストにとって非常に頼れる存在になります。 - レンジが広く、コードの分離感が高い
ローからハイまでフラット気味にレンジが広いため、コードを弾いたときに一音一音の輪郭がしっかり残ります。テンションコードやオープンコードを多用するプレイヤーでも、和音が濁りにくく、バンドアンサンブルの中で「うるさくないのに存在感がある」ポジションを確保しやすいのがメリットです。 - 常時オンでも疲れにくいナチュラルなコンプ感
強すぎないナチュラルなコンプレッションにより、音量のばらつきをほどよく整えつつ、ダイナミクスを残してくれます。結果として、長時間の演奏でも耳が疲れにくく、リハから本番までずっと踏みっぱなしにできる「メインスイートスポット」を持つペダルと言えます。
注意しておきたいポイント
- TS系のような強いミッドブーストや派手なキャラを求めると物足りなく感じる
Jan Ray はあくまで透明系〜ナチュラル系のドライブなので、チューブスクリーマーのようにミッドをグッと持ち上げて、歪みそのものを前面に出すキャラクターとは方向性が異なります。「歪みの色」をはっきり変えたい用途より、「今のサウンドをもう一段良くしたい」用途に向いたペダルです。 - レンジが広い分、環境によってはローエンドが出過ぎることがある
フラット気味の特性ゆえに、アンプやキャビ、ステージの環境によってはローが出過ぎてモコっと感じる場合があります。その際は BASS をやや絞る、TREBLE を少し上げる、アンプ側でローをカットするなど、アンサンブル全体を見ながら調整する必要があります。 - 価格帯は一般的な量産ODより高め
VEMURAMらしい高品位な仕上がりの一方で、価格帯はマスプロダクトのオーバードライブに比べて一段上です。ボードに一本「長く付き合うメインOD」を置きたいのか、もう少し気軽に入れ替えたいのかで、投資判断をしておくとよいでしょう。
機種の仕様
| メーカー | VEMURAM |
| 製品名 | Jan Ray |
| エフェクトタイプ | オーバードライブ(アナログ) |
| コントロール | LEVEL:(出力レベル) GAIN:(歪み量/サチュレーション) BASS:(低域バランス) TREBLE:(高域バランス) 必要に応じて内部トリマー調整 |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター/ライン入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 5 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:10 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:70 mm 前後 奥行:113 mm 前後 高さ:50 mm 前後 質量:約 428 g 前後(電池含む) |