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初心者におすすめのプリアンプ・アンプシミュレーター10選

プリアンプ/アンプシミュは、ギターの音作りを「アンプに頼らず成立させる装置」です。
アンプのキャラクター(歪み方・EQ・鳴り方)を作るのがプリアンプ、アンプ+キャビネット(IR含む)まで再現して“ラインで完成させる”のがアンプシミュレーターです。

とはいえ市場には星の数ほどモデルがあり、試奏できないままデモ音源やレビューを行ったり来たりして、余計に迷う…というのが初心者あるある。結果、「買ったのに思った音にならない」が起きがちです。でも原因は難しくありません。多くの場合、ペダル選びの前に“どこへ出すか(運用)”が決まっていないだけです。

フィルター/ピッチ系選びで失敗する人は、機種の問題というより「役割の分担」を勘違いしがちです。

  • 「アンプシミュ=とりあえず良い音」ではなく、実際は “出力先(ライン/アンプ)に最適化する仕組み”
  • だからこそ、最初の1台は“機能の多さ”より 自分の運用に合うこと を優先した方が、結果的に早く理想に近づきます

このあと紹介する10台は、どれも定番ですが、選ぶ基準は「有名かどうか」ではありません。あなたが欲しいのは、次のどれ? ここを先に決めると、読んだ瞬間に答えが出ます。

まず押さえるべき「プリアンプ/アンプシミュの3タイプ」

1) プリアンプ(Preamp)

歪み方・EQ・質感を作って、アンプを“良い方向に変える”タイプ。
基本的に「ギターアンプに挿す」運用と相性が良いです。

  • ただし“キャビネットの再現”は別(機種による)
  • アンプのキャラを足す/補正する
  • 歪みペダルの上位互換的に使えることも多い

2) アンプシミュレーター(Amp Simulator)

PA/オーディオI/F/FRFRスピーカーへ出して、そのまま本番運用できるタイプ。
宅録やライブで「再現性」を求めるなら、ここが強いです。

  • 家でもスタジオでも同じ音を出しやすい
  • IR(キャビのデータ)で音の最終形が決まる
  • 出力先の選び方で評価が逆転しやすい

3) キャビシミュレーター/IRローダー(Cavity Simulator / IR Loader)

プリアンプの後ろに置いて、ラインへ出すための最後のピースにするタイプ。
「気に入ったプリアンプを活かしてライン運用したい」人に刺さります。

この3分類を知っておくだけで、商品説明の見え方が変わります。「自分は“歪みの上位互換”が欲しいのか、“ラインで上質なサウンド”が欲しいのか」が分かるだけで、買い物が一気に楽になります。

初心者がプリアンプ/アンプシミュで失敗する原因

初心者が見落としがちなポイントがこれです。

1) 出力先が曖昧(アンプに出すのか、ラインに出すのか)

アンプシミュは「ラインで完成」する前提のものも多く、ギターアンプの入力に入れると二重に色付けされて“思ってたのと違う”になりがちです。逆にプリアンプはライン直だと、キャビ感が足りず“耳に痛い/薄い”になりがち。

2) キャビ(IR)をON/OFFで迷子

ライン運用はキャビ(IR)が音の8割を決めます。ここがズレると、どんな良い機種でも良く聴こえません。

3) 音量(ゲインステージ)が合ってない

プリアンプ/アンプシミュは「入力で歪み方が変わり」「出力で音量感が変わる」。最初にやるべきは“音作り”より音量合わせです。ON/OFFで同じくらいに揃えるだけで、判断が一気に楽になります。

まず結論(迷ったらこの3つでOK)

「選ぶのが面倒」「1台目で外したくない」なら、ここから入るのが堅いです。

  • ライン完結の入門Strymon Iridium
  • アンプ派でもライン派でも対応しやすいBOSS IR-200
  • アンプに挿して音を底上げTech 21 SansAmp系

ここから先は「目的別」に選べば、買い物は失敗しない

このあと紹介する10台は、単なる人気順ではなく、

  • 宅録中心でライン完結したい人向け
  • ライブでPA直・再現性重視の人向け
  • ギターアンプを活かして“音だけ格上げ”したい人向け
  • 予算を抑えてまず形にしたい人向け
  • こだわり派(アンプ別に最短で“らしさ”を出したい)向け

という“使いどころ”で整理してあります。あなたの目的に一番近いところから読めば、最適な1台が見つかるはずです。

[Strymon] Iridium(迷ったら最初の1台になれる“ライン完結の基準機”)

Iridiumは、宅録・ヘッドホン・PA直といった“ライン運用”で、初心者がつまずきやすいポイント(キャビ感、出音の完成度)を最短でクリアしやすい定番。複雑すぎず、でも音はきちんと“完成形”になるので、最初のアンプシミュとして外しにくいです。まずは「クリーン〜クランチ」を作って基準にすると、その後の歪みペダル選びまで一気に楽になります。

  • 音のキャラ:素直/まとまりが良い/ラインで気持ちいい
  • 向く環境:宅録、ヘッドホン、PA直、FRFRスピーカー
  • おすすめの使い方
    • クリーン基準を作る→歪みは外部ペダルで足す
    • まずはプリセット固定で“1音色を育てる”
  • 初期セッティング:Drive 10時 / Bass 12時 / Mid 12時 / Treble 11時 / Level 12時
  • 落とし穴:最初からIRや細部を触りすぎると迷子になります。まずはEQを小さく動かすだけでOK。

[BOSS] IR-200(運用の幅が広い“現場対応型アンプシミュ”)

IR-200は、アンプシミュ+IR(キャビ)運用の基本を押さえつつ、現場で困りがちな「出力先が変わる」「リハと本番で環境が違う」に対応しやすいタイプ。初心者はまず“ライン完結”で使い、慣れてきたらアンプのリターン運用などに広げると、無駄がありません。

  • 音のキャラ:扱いやすい/再現性が高い/現場向き
  • 向く環境:宅録〜ライブ、PA直、FRFR、アンプのリターン
  • おすすめの使い方
    • まずはライン用に1パッチ固定(クリーン基準)
    • リード用は音量だけ少し上げる(EQで盛らない)
  • 初期セッティング:Gain 10時 / Bass 12時 / Mid 12時 / Treble 11時 / Level 12〜13時
  • 落とし穴:キャビ(IR)を頻繁に変えると判断軸が消えます。最初は1つ固定が正解です。

[DSM & Humboldt] Simplifier MK-II(“PCなしでライン完結”を作りたい人の現行定番)

Simplifier MK-IIは、PC編集に寄せず、つまみで“ラインで成立する音”を作る方向に強いアンプシミュ系。初心者がアンプシミュでつまずきやすいのは「キャビ(IR)や設定の沼に入って、基準が作れない」ことですが、MK-IIは“運用の芯”を作るのが得意です。

ポイントは、最初に「クリーン〜クランチの基準」を1つだけ完成させること。そこに歪みペダルを足せば、音作りの迷子が一気に減ります。空間系(ディレイ/リバーブ)は後段に置くと、宅録・PA直でも“録れる音”に寄りやすいです。

  • 音のキャラ:まとまりが良い/アンプっぽさが出やすい/運用がブレにくい
  • 向く環境:宅録、PA直、FRFR、ヘッドホン練習(PC編集は最低限でOKにしたい人)
  • おすすめの使い方
    • クリーン基準を作る → 歪みは外部ペダルで足す(最短でハマる)
    • “キャビ感”は固定して、EQは小さく動かす(判断軸を守る)
    • 空間系は後段(ラインの完成度が上がる)
  • 初期セッティング:Gain 10時 / Bass 12時 / Mid 12時 / Treble 11時 / Level 12時
  • 落とし穴:最初から“音色を増やす”と迷子になります。まずは1音色固定で育てるのが正解です。

[Universal Audio] UAFX Dream ’65(クリーン〜クランチの“完成度”で勝つ)

Dream ’65は、クリーン〜クランチの質感が「そのまま曲になる」方向に寄せやすいタイプ。初心者が宅録でつまずきがちな“線が細い”“耳に痛い”を回避しやすく、弾いた瞬間に納得しやすいのが強みです。まずは薄い歪みに留めて、あとは外部ペダルで足す運用が失敗しにくいです。

  • 音のキャラ:上品/抜けが良い/まとまる
  • 向く環境:宅録、PA直、クリーンを軸に組む人
  • おすすめの使い方
    • クリーン基準を作って歪みペダルを乗せる
    • ディレイ/リバーブで“録り音”を完成させる
  • 初期セッティング:Gain 10時 / Bass 12時 / Treble 11時 / Level 12時
  • 落とし穴:歪ませすぎると“本領”が出にくいことも。まずはクランチまでで十分です。

[Universal Audio] UAFX Ruby ’63(“きらびやかさ+押し出し”が欲しい人へ)

Ruby ’63は、きらびやかさと押し出しを狙いやすいタイプで、バンドの中でも“前に出る”方向の音を作りやすいのが特徴。初心者はまず高域を出しすぎず、抜けは中域と音量で作ると失敗しにくいです。

  • 音のキャラ:きらびやか/抜けが良い/存在感が出る
  • 向く環境:PA直、ライブ、クリーン〜クランチ中心
  • おすすめの使い方
    • 高域は控えめ、音量で前に出す
    • コーラスやディレイを薄く足して立体感を作る
  • 初期セッティング:Gain 10時 / Treble 10〜11時 / Level 12〜13時
  • 落とし穴:Trebleを上げすぎると耳に刺さりやすい。まずは10〜11時で固定して、必要なら少しずつ。

[Tech 21] SansAmp GT2(アンプに挿しても、ラインでも戦える“寿命が長い”)

GT2は「プリアンプの定番」の1つで、アンプの代わりにも、アンプの強化にも使えるタイプ。初心者が1台目で得たいのは“多機能”より“使いどころが分かること”ですが、GT2は音の方向性が掴みやすい。まずはアンプのクリーンに挿して、歪みの基準を作るところから始めると失敗しません。

  • 音のキャラ:太い/中域が作りやすい/扱いやすい
  • 向く環境:ギターアンプ運用、宅録(キャビ側が必要な場合あり)
  • おすすめの使い方
    • アンプのクリーンに挿して“基準の歪み”を作る
    • 後からキャビシミュ/IRローダーを足してライン化する
  • 初期セッティング:Drive 10時 / Low 12時 / High 11時 / Level 12〜13時
  • 落とし穴:ライン直でキャビ無しだと硬く聴こえることがあります。ライン運用ならキャビ(IR)側の用意が安定です。

[Tech 21] SansAmp Screaming Blonde(アンプのクリーンを“勝てる土台”にする現行プリアンプ)

Screaming Blondeは、Fender系のキャラクターを軸にしたプリアンプで、さらに Tube Screamer系の歪み(ブースト)要素も内包した“現行の実戦モデル”。初心者がプリアンプで得たいのは、派手な機能より 「どの環境でも音の芯が作れること」ですが、これはまさにそのタイプです。

  • 音のキャラ:中域がまとまりやすい/クリーンが“らしく”なる/押し出しが作りやすい
  • 向く環境:ギターアンプ運用(入力 or リターン)、スタジオ/ライブ、クリーンの土台を強化したい人
  • おすすめの使い方
    • アンプのクリーンに挿して基準作り:クリーン〜軽いクランチで“勝てる音の芯”を作る
    • ソロだけ前に出す:TS要素は“薄く”足して中域を押し出す
    • ライン化したい時:後段にIRローダー/キャビシミュを足してPA直・宅録へ
  • 初期セッティング:Drive 10時 / Character 12時 / Low 12時 / High 11時 / Level 12〜13時(TS側は控えめ)
  • 落とし穴:歪ませすぎると「プリアンプの良さ」より“潰れ”が先に出ます。初心者は Drive控えめ+Levelで押す が正解です。

[NUX] Amp Academy(コスパで“ライン完結”を最短で形にする)

Amp Academyは、予算を抑えつつも“ラインで成立する音”に到達しやすい枠。初心者が最初にやるべきは、アンプモデルやIRを渡り歩くことではなく「1つ決めて固定して、弾きながら微調整する」こと。運用を固めれば、宅録のハードルが一気に下がります。

  • 音のキャラ:必要十分/作りやすい/コスパが高い
  • 向く環境:宅録、ヘッドホン、PA直をまず試したい人
  • おすすめの使い方
    • クリーン基準→歪みは外部ペダルで足す
    • IRは固定、EQは少しだけ
  • 初期セッティング:Gain 10時 / Bass 12時 / Mid 12時 / Treble 11時 / Level 12時
  • 落とし穴:モデルを変えすぎると、結局“どれが良いか”分からなくなります。最初は1つ固定が正解です。

[Joyo] American Sound(まず形にする“最安の勝ち筋”)

American Soundは、低予算で「プリアンプ的な音作り」を体験する入口として優秀。完璧に再現するというより、まず“土台の音が整う感覚”を掴むのに向きます。初心者はここで「中域を作る」「低域を整理する」感覚を覚えると、その後どの機材に行っても迷いにくいです。

  • 音のキャラ:太さが出やすい/調整で化ける/コスパ枠
  • 向く環境:自宅練習、アンプの音がしっくり来ない人、初プリアンプ
  • おすすめの使い方
    • まずはクランチ程度まで、薄め運用
    • EQを触りすぎず、気になる帯域だけ少し動かす
  • 初期セッティング:Drive 10時 / Voice 12時 / Low 12時 / Mid 12時 / High 11時 / Level 12時
  • 落とし穴:上げすぎるとモコりやすい。まずはDrive控えめ+Levelで押すのが安全です。

[Two Notes] Torpedo C.A.B. M+(気に入ったプリアンプを“ラインで完成”させる最終兵器)

C.A.B. M+は、キャビ(IR)とマイク感を作って“ラインの最終形”を整えるタイプ。すでに歪みやプリアンプが手元にある人が「PA直や宅録に持っていきたい」ときに強いです。初心者がいきなりここから入るのは遠回りになりがちですが、手持ち資産を活かしてライン化したいなら、最短の解決になります。

  • 音のキャラ:キャビ感が作れる/ラインが完成する/調整で詰められる
  • 向く環境:宅録、PA直、プリアンプを既に持っている人
  • おすすめの使い方
    • “キャビだけ担当”として固定運用(IRはまず1つ固定)
    • プリアンプ側で歪み、CAB側で最終EQ
  • 初期セッティング:IRは固定 / Low 12時 / Mid 12時 / High 11時 / Output 12時
  • 落とし穴:IRを変えまくると判断不能になります。最初は1つ固定→必要になってから差し替えが正解です。

最後に:結局どれを選べばいい?

プリアンプ/アンプシミュは「これが正解!」というより、あなたの目的が “出力先”が合うか に合うかが勝ち筋です。なので最後に、この記事を“買う前の最終チェック表”にして締めます。

1台目の選び方(失敗しにくい順)

宅録・PA直で“ライン完結”したいridium / IR-200 / Simplifier MK-II / UAFX Dream ’65 / UAFX Ruby ’63 / NUX Amp Academy
まずはクリーン基準を1つ作る。そこから歪みを足すと失敗しません。

ギターアンプは使う。でも音を底上げしたい(プリアンプ)SansAmp GT2 / SansAmp Screaming Blonde / Joyo American Sound
アンプのクリーンを“土台”にして、音の方向性を作るのが勝ち筋です。

“今ある機材”を活かしてライン化したい(キャビ担当が欲しい)Two Notes C.A.B. M+
IRは固定、EQは少しだけ。これで“録れる音”が安定します。

以上、あなたに合った最高のペダルが見つかることを願っております。

※本記事の内容は、ペダマニ編集部が公開情報および各種資料をもとに独自に整理したものであり、各アーティスト本人および関係各社の公式見解を示すものではありません。
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