MXR M75 Super Badass Distortion は、クラシックなロック歪みからモダン・メタル級のハイゲインまで1台でカバーできる多機能ディストーションです。広いゲインレンジに加え、BASS/MID/TREBLE の3バンドEQを搭載しており、アンプやギターのキャラクターに合わせて細かく追い込めるのが大きな魅力。ブースター兼用のライトドライブから、密度の高いリードトーンまで「ボードのメイン歪み」として据えやすいペダルです。
[MXR] M75 Super Badass Distortion|ペダマニレビュー
どんなペダル?
Super Badass Distortion は、MXRが「オールラウンドなハイゲイン歪み」として設計したディストーションです。名前の通りかなり攻撃的な歪み量まで出せますが、単にハイゲイン一辺倒ではなく、ゲインを絞ればオーバードライブ寄りのクランチも作れるレンジの広さが特徴です。
前段にレベルを稼げるプリアンプ的なセクションがあり、その後段に歪みと3バンドEQが続く構成のイメージで、OUTPUT ノブで音量・押し出し感を、DISTORTION ノブで歪み量を調整するスタイル。BASS/MID/TREBLE は効きが良く、アンプ側のEQをフラット寄りにした上で、このペダル側でトーンメイクしていく使い方がハマります。
いわゆる「ブラウンサウンド~モダンロック」周辺を得意としつつ、ミッドの出し方次第では80’sメタル、90’sオルタナ、現代ヘヴィロックまで対応できる万能型ディストーションと言えます。
サウンドの特徴(モダン寄りだがミッドで表情が変わる多用途ディストーション)
Super Badass Distortion の基本キャラクターは、タイトなローエンドと程よくコンプレッションの効いたミドル~ハイミッド、そしてザラつき過ぎないハイの組み合わせによる“モダン寄りロックディストーション”です。DISTORTION を12時以上に上げていくと、粒立ちの細かい飽和感が増し、リフでもリードでも使いやすい密度のある歪みになります。
一方、BASS/MID/TREBLE の3バンドEQの効きがかなり大きく、ここをどう触るかで印象が大きく変わります。ミッドをやや抑えつつローとトレブルを持ち上げれば、いわゆるモダンメタル寄りのドンシャリ気味なタイトサウンドに。逆にMID を12〜2時あたりまで持ち上げると、クラシックロック寄りの押し出し感のあるトーンになります。
ローエンドはタイトで、7弦やダウンチューニングでも輪郭を保ちやすいタイプ。ピッキングに対する追従性も良く、右手の強弱で歪みの密度がしっかり変化します。TS系のような強いミッドの“色付け”ではなく、「ハイゲインペダルとしてはフラット寄りだが、EQでしっかり作り込める」という立ち位置です。
使い勝手・セッティングのイメージ
クランチ~ハードロック・リズム
- OUTPUT:11〜12時
- DISTORTION:10〜11時
- BASS:12時
- MID:12〜1時
- TREBLE:12時
アンプ側をクリーン〜軽いクランチ程度にしておき、このセッティングでオーバードライブ寄りのリズムサウンドを作るイメージです。コードを弾いたときの分離感が良く、ピッキングを軽くすればクランチ、強く弾けばしっかり歪む「常時オンのメイン歪み」として使いやすい設定です。ミッドを少しだけ持ち上げておくと、バンド内での抜けが良くなります。
モダンロック/リードトーン
- OUTPUT:12〜1時
- DISTORTION:1〜2時
- BASS:1時
- MID:1〜2時
- TREBLE:12〜1時
密度の高いリードトーンを狙うセッティングです。DISTORTION を上げつつ、BASS を少し足してローの厚みを確保し、MID を持ち上げてソロ時の抜けを確保します。サスティンがしっかり伸びるので、レガートやハイポジションのフレーズも弾きやすく、モダン系のギターソロ向きのバランスです。
メタル寄りドンシャリ・リフセッティング
- OUTPUT:12〜1時
- DISTORTION:2時前後
- BASS:1〜2時
- MID:10〜11時
- TREBLE:1〜2時
ドロップチューニングや7弦ギターでのメタルリフを想定した設定です。MID をやや下げ、BASS と TREBLE を持ち上げることで、モダンメタルらしいエッジの立ったドンシャリサウンドになります。ローが出過ぎてモコモコする場合は、BASS を少し下げるか、アンプ側でローを軽く削って調整するとタイトさを維持しやすくなります。
クリーンブースター/プリアンプ的な使い方
- OUTPUT:1〜2時
- DISTORTION:8〜9時(ほぼ最小)
- BASS:12時
- MID:12〜1時
- TREBLE:12時
DISTORTION をほぼ絞り切り、OUTPUT でレベルを上げてブースター的に使うセッティングです。別のオーバードライブやアンプの歪みを前段で作り、このペダルで押し出しとEQの微調整を行うイメージ。ミッドの量を少し足すことで、ソロ時だけ一歩前に出るようなセカンドチャンネルとして機能させることができます。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- 3バンドEQで“アンプに合わせて使える”ハイゲインペダルであること
Super Badass Distortion の最大の強みは、BASS/MID/TREBLE の3バンドEQが実用域でよく効き、フェンダー系クリーンからブリティッシュ系アンプまで幅広いアンプに合わせて追い込める点です。アンプ側のEQをフラット寄りにしておけば、「アンプ+このペダル」でほぼ完結した歪み環境を作りやすく、自宅~スタジオ~ライブハウスまで環境が変わっても調整でリカバリーしやすいのは大きなメリットです。 - クランチ〜メタルまでカバーできる広いゲインレンジ
DISTORTION の可変幅が広く、10時前後ならロック向けのやや荒めのクランチ、12時〜1時でハードロック~モダンロック、2時付近からはメタル寄りのハイゲインと、1台で相当広い歪みゾーンをカバーできます。複数の歪みペダルを持ち替える代わりに、これ1台とギター側のボリューム操作で対応したいプレイヤーにとって心強い選択肢です。 - 単独メイン歪みとしても“ブースター兼用”としても成立する柔軟さ
前述の通り、ゲインを絞ればブースター/プリアンプ的にも使えるため、「クリーンアンプ+Super Badass 1台」でも、「別のOD/DS+Super Badass でブースト」という2役運用も可能です。ボードのスペースが限られている場合でも、メイン歪みとソロ用ブーストの両方をこのペダルに任せられるのは、実戦的なポイントと言えます。
注意しておきたいポイント
- ハイゲイン寄りの質感なので“ビンテージ系軽い歪み”には不向き
ゲインを絞っても基礎キャラクターは現代的なディストーション寄りで、いわゆるビンテージ系オーバードライブのような「やわらかく崩れる軽い歪み」をメインに求めると少し硬く感じる可能性があります。その場合は Super Badass はリード/ハイゲイン担当と割り切り、別途ローゲインODを用意して使い分ける方がストレスがありません。 - ローとトレブルを上げすぎるとバンド内で“ドンシャリ過多”になりやすい
メタル向けセッティングでありがちな、BASS と TREBLE を大きく上げて MID を大きく下げる設定にすると、単体では気持ちよくてもバンドの中で抜けにくくなることがあります。特に7弦やダウンチューニングでヘヴィなリフを弾く場合は、MID を極端に削らず、まずは12時前後から少しずつ調整していく方が、結果的に“抜ける重さ”を作りやすくなります。 - ノイズフロアはハイゲイン相応なので環境次第ではノイズゲート併用も検討
ハイゲイン設定にすると、シングルコイルや高出力ピックアップとの組み合わせ次第でそれなりのノイズが出ることがあります。スタジオやライブハウスの電源環境があまり良くない場合や、ディレイ/リバーブを後段に多用する場合は、ノイズゲートやノイズサプレッサーを併用すると、ブレイクやミュート時の静けさを確保しやすくなります。
機種の仕様
| メーカー | MXR |
| 製品名 | M75 Super Badass Distortion |
| エフェクトタイプ | ディストーション |
| コントロール | OUTPUT:出力レベル調整 DISTORTION:歪み量調整 BASS:低域EQ MID:中域EQ(ブースト/カット) TREBLE:高域EQ |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター/ライン入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 18 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:10 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:61 mm 前後 奥行:110 mm 前後 高さ:53 mm 前後 質量:約 400 g 前後(電池含む) |