MXR M236 Super Badass Variac Fuzz は、クラシックなファズサウンドをベースにしつつ、電圧を可変できる「Variac」コントロールと3バンドEQ、ゲイン/ボリュームまで搭載した多機能ファズです。電圧を絞った枯れたローファイ質感から、フル電圧でのパンチあるモダンファズまで、1台で幅広いキャラクターを作り分けられるのが特徴です。
[MXR] M236 Super Badass Variac Fuzz|ペダマニレビュー
どんなペダル?
Super Badass Variac Fuzz は、名前の通り「Variac」で電圧を可変しながらキャラクターを追い込める MXR のファズペダルです。従来のクラシックファズのようにシンプルなノブ構成ではなく、GAIN、OUTPUT に加えて BASS / MID / TREBLE の3バンドEQ、そして電源電圧をシミュレートする Variac ノブを搭載しているのが大きな特徴です。
Variac を下げていくと、いわゆる“電池がヘタってきたファズ”のような、ゲインが落ちてコンプレッションが強まり、ピッキングへの追従も少しルーズになる方向に変化します。逆に Variac を高めにすると、レンジが広く、パンチのあるモダン寄りなファズディストーションとして機能します。
3バンドEQのおかげで、ファズ特有のローの暴れやハイの刺さりを現場レベルで整えやすく、バンドアンサンブルに合わせた微調整がしやすいのも実務的なポイントです。オールドスクールなファズ〜現代的なファズディストーションの間を行き来できる、“レンジの広いファズ”という位置付けのモデルです。
サウンドの特徴(可変電圧で変わるビンテージ〜モダンファズ)
Super Badass Variac Fuzz のサウンドは、Variac ノブの位置によって印象が大きく変わりますが、基本線としては「ファズらしい荒さとディストーション寄りの扱いやすさの中間」に位置するキャラクターです。
Variac を低めに設定すると、出力が少し落ちてゲインも抑え気味になり、アタックが丸くコンプレッションが強い、ローファイ寄りのビンテージ感が前に出てきます。失敗すると“こもっただけ”にもなり得るゾーンですが、うまく決まると、オールドファズ特有の「ザラっとしているのに抜ける」質感が得られます。
一方、Variac を高めにすると、レンジが広がり、ローエンドの存在感と高域の噛みつきが増します。GAIN を12時付近にしてもかなりしっかり歪み、13時以降ではファズとディストーションの境界を越えて、モダンなハイゲインファズディストーションの感触になっていきます。
BASS / MID / TREBLE の3バンドEQは効きが分かりやすく、BASS を抑えればタイトなリフ向け、上げれば分厚いウォールサウンド寄り、MID を持ち上げればリードトーンに芯が出て、絞ればドンシャリ寄りのシューゲイザー的な質感に…と、用途に応じた追い込みが可能です。TREBLE は上げすぎるとファズ特有のジャリっとした帯域が強く出るので、耳に刺さらない範囲で調整するのが現実的な使い方になります。
使い勝手・セッティングのイメージ
実際の運用では、まず Variac の大まかな位置を決めてから、GAIN とEQで細かく詰めるのが扱いやすいです。
ビンテージ寄りローファイファズのイメージ
Variac をやや低めに設定し、GAIN を11〜12時程度、BASS は控えめ、MID を12〜13時、TREBLE を12時前後にすると、アタックが少し潰れたビンテージ寄りのファズトーンが作りやすくなります。シングルコイルとの組み合わせで、オールドロックやガレージロック、インディ系のギタートーンにマッチしやすいゾーンです。
モダン寄りファズディストーションのイメージ
Variac を高めに設定し、GAIN を13〜14時、BASS を12〜13時、MID は少し持ち上げ、TREBLE を必要に応じて足すと、パワーコードやリフにも使いやすいモダンファズディストーション的なサウンドになります。パームミュートもある程度輪郭を保ちつつ、ファズ特有の飽和感を活かしたハイゲイン寄りの音作りが可能です。
シューゲイザー/壁系サウンドのイメージ
Variac は中〜やや高め、GAIN は14時以降、BASS と TREBLE を少し持ち上げ、MID を気持ち抑えめにすると、コードを鳴らした瞬間に“壁”のように広がるファズサウンドが得られます。リバーブやディレイ、別のモジュレーションと組み合わせることで、シューゲイザー的なサウンドデザインにも対応しやすくなります。
配置としては、基本は歪みの前段で使うファズですが、ブースターやオーバードライブとの組み合わせ次第でキャラクターが大きく変わるため、手持ちのペダルとの相性チェックは必須です。ファズらしくギター側のボリュームに対してもそれなりに反応するので、ボリュームを絞ってゲインを抑えつつ、Variac との兼ね合いで“枯れ具合”を調整する使い方も面白いポイントです。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- Variac で“電池ヘタり感”からモダンまでをダイヤルひとつで行き来できる
Super Badass Variac Fuzz の最大の特徴は、やはり Variac ノブで電圧感を可変できる点です。ビンテージファズ好きがこだわる「電池の減り具合による変化」を安定して再現しつつ、逆にレンジを広げたモダン寄りのファズディストーションまで振り切れるため、1台でかなり広いキャラクターをカバーできます。 - 3バンドEQで“ファズあるある”の帯域問題を現場でコントロールできる
ファズはローが暴れたりハイが痛かったりと、バンドの中での帯域処理に苦労しがちなエフェクトですが、M234 譲りのような3バンドEQ構成により、低域〜高域まで明確にコントロールできます。ベースやシンセに使う際も、Low と High の調整でミックス内のポジションを整えやすいのは大きな実務的メリットです。 - “荒さ”と“使いやすさ”のバランスが良く、ボードの主力ファズになりやすい
いわゆる完全ヴィンテージ系ファズのような扱いづらさは抑えつつ、ファズらしい荒さや暴れ方はしっかり残しているため、オルタナ〜モダンロックまで広いジャンルで使い回しやすいキャラクターです。単なる飛び道具ではなく、「ボードのレギュラー歪みの一角」として置きやすい立ち位置のファズと言えます。
注意しておきたいポイント
- Variac と GAIN を極端に振ると“抜けないだけの音”になりやすい
Variac を思い切り下げ、GAIN を高くしすぎると、コンプレッションが強くなりすぎてアタックが埋もれ、バンドの中で抜けない音になってしまうことがあります。ローファイ寄りのトーンを狙う場合でも、実際のアンサンブルの中でどこまで潰すかを慎重に見極める必要があります。 - ファズ成分が強いため、アンプやキャビとの相性がシビアに出る
Super Badass Variac Fuzz 自体は幅広く調整できますが、ファズらしい倍音の多さゆえに、アンプ側のキャラクターやスピーカーによっては“ハイがうるさい”“ローが回る”といった印象が強く出る場合があります。特にハイが強いアンプ/キャビと組み合わせる場合は、TREBLE と GAIN のバランスに注意が必要です。 - 多機能なぶん、いわゆる“1ノブ系ファズ”ほど直感的ではない
Variac と3バンドEQまで搭載されているため、シンプルな Fuzz Face 系や1〜2ノブ系ファズと比べると、最初の音決めに少し時間がかかるペダルです。「とにかくシンプルなファズ1つだけ欲しい」というニーズよりも、「状況に合わせてファズのキャラクターを作り分けたい」プレイヤーに向いた設計になっています。
機種の仕様
| メーカー | MXR |
| 製品名 | M236 Super Badass Variac Fuzz |
| エフェクトタイプ | ファズ(ソリッドステート) |
| コントロール | GAIN:歪み量/ファズ量の調整 OUTPUT:出力レベル調整 BASS:低域のブースト/カット MID:中域のブースト/カット TREBLE:高域のブースト/カット VARIAC:動作電圧感の調整(低電圧寄りのローファイ〜標準〜高めのレンジを可変) |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター/ライン入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 17 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:300 kΩ 出力インピーダンス:120 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:61 mm 前後 奥行:110 mm 前後 高さ:53 mm 前後 質量:約 380 g 前後(電池含む) |