Marshall Shredmaster Reissue は、90年代に登場したオリジナル Shredmaster を、現代のステージ環境に合わせて復刻したリイシューモデルです。マーシャルハイゲインスタックのような分厚い歪みと、CONTOUR コントロールによる広い音作りの幅はそのままに、電源周りや筐体構造をアップデート。クリーンアンプの上に“もう一台の JCM スタック”を載せる感覚で使える、UKロック〜オルタナ好き要チェックのディストーションペダルです。
[Marshall] Shredmaster Reissue|ペダマニレビュー
どんなペダル?
Shredmaster Reissue は、90年代に一度生産終了となった Marshall Shredmaster を、ほぼ当時の回路とコントロールレイアウトのまま再現した復刻版です。見た目も黒いメタル筐体に金色のロゴという、いわゆる“黒ペダル”スタイルで統一されていて、ボードに置いたときの存在感はかなり強めです。
設計コンセプトはオリジナルと同じく「マーシャルハイゲインスタックをペダル化すること」。クリーン〜ライトクランチのアンプに挿すだけで、JCM 系ディストーションチャンネルのような分厚いハイゲイントーンを狙えます。
GAIN / BASS / CONTOUR / TREBLE / VOLUME の5系統コントロールを備え、特に CONTOUR がサウンドのキャラクターを大きく左右するポイント。ミッドを前に出せばクラシック寄り、削ればオルタナ/グランジ寄り…という具合に、同じペダル内で守備範囲を広く取れる構成になっています。
リイシューモデルでは、9V DC アダプター対応や入出力配置などが現代のボード運用に合わせて調整されており、「当時っぽい音を今の環境でストレスなく使いたい」というニーズにちょうどハマる仕様です。
サウンドの特徴(分厚いUKハイゲインと可変ミッドで作る“90’s感”)
Shredmaster Reissue のサウンドは、基本的に 「ややダーク寄りで厚みのあるマーシャル系ハイゲイン」 です。
GAIN を上げていくとロー〜ローミッドにしっかりとした質量感が乗り、パワーコードを弾いたときの“ドンッ”という押し出しが特徴的。ハイはギラギラしすぎず、TREBLE を絞りめにしても音の芯が残るチューニングで、耳に痛くなりにくい印象です。
キャラクターの要となる CONTOUR を絞り気味にすると、ミッドに芯のあるハードロック寄りのトーン。80〜90年代ハードロックやブリティッシュロックのリードサウンドに近づいていきます。逆に CONTOUR を上げていくと、ミッド帯が後ろに下がり、ローとハイが強調されたスコープ気味のサウンドに変化。90sオルタナ/グランジ、初期モダンメタル寄りの質感が作りやすくなります。
単音リードでは、適度なコンプレッションとサステインを持ちながらも、完全に“コンプまみれ”にはならず、ピッキングニュアンスはちゃんと反映されるバランス。ストラト系なら少し粗めのUKロック、ハムなら分厚いモダン寄りリード…といった具合に、ギター側のキャラも素直に出してくれます。
使い勝手・セッティングのイメージ
クリーンアンプに“もう一台のマーシャル”を足すメイン歪み
Shredmaster Reissue の王道は、クリーン〜ライトクランチのアンプに挿し、メインディストーションとして使う運用です。
メインディストーション用セッティング(ハードロック〜オルタナ)
- アンプ:クリーン〜ごく軽いクランチ
- GAIN:13〜15時(しっかり歪ませる)
- BASS:12〜13時(アンプのロー次第で微調整)
- TREBLE:11〜12時(耳に痛くならない程度)
- CONTOUR:11〜13時(ややミッド寄り〜フラット付近)
- VOLUME:バイパスと同等〜少しだけ上げる
この設定で、いわゆる「JCM系のハイゲインチャンネル」を疑似的に作れます。
スタジオ常設のクリーンアンプしかないシチュエーションでも、ボードに Shredmaster Reissue を一台入れておけば、UKロック〜モダン寄りロックまでまとめてカバーしやすくなります。
90sオルタナ/グランジ寄り“壁サウンド”用セッティング
- アンプ:クリーン
- GAIN:14〜MAX
- BASS:12〜14時(環境とバンドのローと相談)
- TREBLE:11〜12時
- CONTOUR:13〜15時(ミッドを削り気味)
CONTOUR を上げてミッドを引っ込めると、ローとハイが強調されたスコープ感の強いサウンドになり、パワーコード主体のリフで“壁”のようなサウンドが作りやすくなります。ディレイやリバーブは薄め、あるいはオフでも成立するタイプのトーンで、グランジ〜オルタナ系の荒くざらついたディストーションを狙いたいときにちょうど良い方向性です。
クランチアンプの前で“ソロ用チャンネル”として使う
アンプ側で既にクランチを作っておき、Shredmaster Reissue を軽めに掛けてリードを押し出す使い方も定番です。
リードブースト用セッティング
- アンプ:中程度のクランチ(マーシャル系ならベスト)
- GAIN:9〜11時(控えめ)
- BASS:11〜12時
- TREBLE:12〜13時
- CONTOUR:10〜12時(ミッドをキープ)
- VOLUME:やや高めにしてソロ時に前に出るよう調整
このセッティングでは、Shredmaster Reissue が“ハイゲインペダル”というより、アンプの歪みにキャラクターとコンプレッションを足す役割になります。単音リードの輪郭を前に出しつつ、マーシャルらしいミッドの押し出しを足したいときに非常に使いやすい組み合わせです。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- オリジナルのキャラクターを現代ボードでそのまま使えるリイシューモデル
一番の魅力は、90年代オリジナル Shredmaster のキャラクターを、現行品として安心して入手・運用できる点です。中古市場で高騰しているオリジナルを追いかけなくても、リイシューで“あの系統の音と操作感”をほぼそのまま手に入れられるのは、実用上かなり大きなメリットです。 - クリーンアンプ一台で“マーシャルスタック的な世界”に踏み込める
トランジスタのクリーンアンプしかないスタジオでも、Shredmaster Reissue をメイン歪みとして使えば、かなりマーシャル寄りの世界観に近づけます。ボード一式を持ち込めば、「どこでも自分のマーシャルサウンド」が再現しやすくなるので、リハスタジオ渡り歩き型のバンドマンにとっては心強い選択肢です。 - CONTOUR ノブのおかげで“クラシック〜オルタナ”の守備範囲が広い
CONTOUR によるミッドコントロールの幅の広さは、やはりこのペダルの大きな武器です。ミッドを残せばクラシック寄りハードロック、思い切り削れば90sオルタナ/グランジ…と、時代感の違うサウンドを一台で切り替えやすいので、カバー/オリジナル問わず、セットリストの色を変えたいバンドには特に扱いやすいディストーションになっています。
注意しておきたいポイント
- “超モダンなメタル用ハイゲイン”ではない
Shredmaster Reissue はハイゲインではありますが、いわゆる Djent 系や超モダンメタル向けの「超タイトでローが整理されまくったハイゲイン」とは少し方向性が違います。ロー〜ローミッドがある程度しっかり出るキャラクターなので、超高速リフで極端にタイトなレスポンスを求める場合は、別系統のペダルと比較検討した方が良いです。 - ローの量と CONTOUR 次第で“もたつき”やすくなることもある
BASS を上げすぎたり、CONTOUR の設定によっては、特にコンボアンプ+ハムバッカー環境でローが膨らみ、アンサンブルの中で“もたつく”印象になることがあります。バンドで使う前提なら、BASS を気持ち控えめにして、CONTOUR と TREBLE で抜けるポイントを探していくのがおすすめです。 - 筐体サイズ・重量はしっかりめなのでボード設計に注意
リイシューモデルも、基本的にオリジナル同様のしっかりしたメタル筐体で、それなりのサイズと重量があります。ミニペダル中心のボードに組み込む場合は、あらかじめレイアウトと重量バランスを考えておかないと、スペースを圧迫しがちです。
機種の仕様
| メーカー | Marshall |
| 製品名 | Shredmaster Reissue |
| エフェクトタイプ | ディストーション(アナログ) |
| コントロール | GAIN:歪み量 BASS:低域の量感調整 CONTOUR:ミッド帯中心にキャラクターを大きく変えるトーンコントロール TREBLE:高域の明るさ調整 VOLUME:全体の出力レベル |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 9V DC アダプター(センターマイナス、一般的なペダル用パワーサプライに対応) |
| 消費電流 | おおよそ 9 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:25 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:110 mm 前後 奥行:147 mm 前後 高さ:67 mm 前後 質量:約 750 g 前後(電池含む) |