Marshall Bluesbreaker Reissue は、90年代に登場したオリジナル Bluesbreaker ペダルを、現代仕様で復刻したリイシューモデルです。1962 “Bluesbreaker” コンボアンプを思わせるナチュラルなクランチ感と、ギターとアンプの個性をそのまま押し出すローゲインオーバードライブが持ち味。クリーンの上に「もうひとつのスイートスポット」を足したいギタリストに向いた、クラシック UK コンボ系の定番ペダルです。
[Marshall] Bluesbreaker Reissue|ペダマニレビュー
どんなペダル?
Bluesbreaker Reissue は、マーシャルの名機 1962 “Bluesbreaker” コンボアンプのクランチフィールを、ペダルサイズで再現することを狙ったオーバードライブです。オリジナル同様、コントロールは Gain / Tone / Volume の3ノブのみというシンプル構成で、ゲイン幅もあくまでロー〜ミディアム寄り。いわゆるハイゲイン系の“歪ませるペダル”というより、「クリーンアンプに自然なクランチとコンプレッションを足す」タイプのアンプライクODです。
リイシューモデルでは筐体や外観はオリジナル黒ペダルのイメージを踏襲しつつ、電源周りや入出力などが現代のボード運用向けに最適化されています。マーシャルらしい中域の粘りと、ピッキングニュアンスへの素直な追従性が共存したトーンで、ストラトやレスポール問わず「ギターそのもののキャラを壊したくない」プレイヤーに刺さるペダルです。
サウンドの特徴(タッチに追従するナチュラルクランチ)
Bluesbreaker Reissue のサウンドは、一言で言うと「タッチに素直なローゲインマットなクランチ」です。ロー〜ローミッドが程よく膨らみ、耳に痛くない範囲でミッドが前に出てくるチューニングになっていて、強く弾けばザラッとしたブリティッシュクランチ、弱く弾けばクリーン寄りに寄り添うようなレスポンスが特徴です。
ゲインを上げても、いわゆる“ペダル然とした歪み”にはなりにくく、あくまでアンプ側のボリュームを一段押し上げたようなまとまり方をします。コンプレッション感も自然で、TS 系のようにミッドを強く持ち上げるタイプでもなく、かと言ってフラット系の透明ブースターほど無色ではない、絶妙な「アンプの良いところだけ押し出す」方向のキャラクターです。
シングルコイルでは繊細なニュアンスとコード感が残りやすく、ハムバッカーでは太くて甘いクランチに。ソロでギンギンに前に出すというより、バンドの中で「ギターの気持ち良い位置」に自然と収まってくれるようなサウンドです。
使い勝手・セッティングのイメージ
クリーンアンプに“もう一段上のクランチ”を足すローゲイン設定
Bluesbreaker Reissue の基本は、クリーン〜ごく軽いクランチのアンプに対して「もう一段上のスイートスポット」を足す使い方です。
- アンプ:クリーン〜軽いクランチ
- Gain:9〜11時
- Tone:11〜13時(ギターとアンプに合わせて微調整)
- Volume:原音と同じか、気持ち上げる程度
この設定では、ピッキングの強弱やギターボリュームの操作で、クリーン〜クランチの間を自由に行き来しやすくなります。コードを軽く弾けばクリーン寄り、強くかき鳴らせばブリティッシュクランチ、といった具合に、手元でのダイナミクスがそのままトーンに反映されるイメージです。
常時オンの“アンプライクな質感アップ”ペダルとして
EQ のクセが強すぎないため、常時オン気味にして「アンプの質感強化ペダル」として使うのも定番です。
- アンプ:クリーン
- Gain:8〜9時(ほぼクリーンブーストに近い領域)
- Tone:12時前後
- Volume:12〜13時(軽くブースト)
このあたりに設定しておくと、音量とミッドの押し出しを少しだけ持ち上げつつ、アンプのキャラクターはそのままに“鳴らして気持ちいいクリーン〜クランチ”を作れます。ピックのあたり具合やコードワークのニュアンスが出やすいので、バッキング重視のギタリストには特に向いています。
別のドライブを“押し出す”前段ブースターとして
TS 系やよりハイゲインなディストーションペダルの前段に置き、Bluesbreaker Reissue をブースター寄りに使うパターンです。
- アンプ:クリーン〜クランチ
- 後段:TS 系 OD やディストーション
- Bluesbreaker 側:
- Gain:8〜10時
- Tone:やや上げ気味(12〜14時)
- Volume:12〜14時(ブースト目的で少し上げる)
この使い方では、後段ペダルのキャラクターを大きく変えずに、ミッドとボリュームを自然に押し出す役割になります。ソロ用の一段上のドライブチャンネルを作るときに、「TS 系ブーストだとミッドが尖りすぎる」と感じる環境でも、Bluesbreaker Reissue ならもう少しナチュラルに持ち上げられるイメージです。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- “弾いていて気持ちいいローゲインクランチを足せるペダル
Bluesbreaker Reissue の一番の魅力は、弾いていて気持ちいい帯域とコンプレッション感で、ローゲイン~ミディアムゲインの“おいしいところ”を作ってくれる点です。派手なハイゲインではない代わりに、手元のニュアンスやギターそのものの個性を活かしたクランチを作るのが得意で、いわゆる「ずっと踏んでいたくなる系」のペダルです。 - クリーンアンプを“ブティックコンボ風”に変えてくれるアンプライクさ
クリーン一発だと少し物足りないアンプに対して、Bluesbreaker Reissue を挿すだけで「上質なブリティッシュコンボを少しプッシュした感じ」のトーンを作れるのもポイントです。トランジスタアンプやリハスタの常設アンプでも、ペダル側で心地よいクランチゾーンを作れるので、アンプ環境に左右されがちなバンドマンにとっては現実的な武器になります。 - 過度にミッドを盛らないので“抜けるけど邪魔にならない”ポジションに収まる
TS 系のように強くミッドを持ち上げるわけではなく、全体のバランスを崩さずにミッド周りを押し出すチューニングなので、バンドアンサンブルの中でも「抜けるけれど、前に出すぎて邪魔になる」ことが少ないのも魅力です。ボーカルや他の楽器との棲み分けを取りやすく、アンサンブル志向のギタリストに向いたキャラクターと言えます。
注意しておきたいポイント
- “ハイゲインディストーションの代わり”を求めると確実に物足りない
Bluesbreaker Reissue はあくまでロー〜ミディアムゲイン寄りのオーバードライブであり、モダンメタル級のハイゲインサウンドをこれ一台でまかなうペダルではありません。深い歪みやタイトなパームミュートを中心に組み立てるジャンルでは、別途ハイゲインペダルかアンプの歪みが必要になります。 - アンプ側が極端にダーク/ブライトだとセッティングに時間がかかる場合もある
ペダル自体のEQ カーブは比較的ナチュラルですが、アンプ側のキャラクターが極端にダーク、あるいはブライトすぎる場合は、Tone とアンプのトーンそれぞれを追い込む必要があります。特にトランジスタアンプでローが出すぎる環境では、アンプ側のローを少し絞る、ピックアップセレクターを工夫するなど、バンド全体のバランスを見ながら調整する前提で考えた方が安全です。 - 単体で“派手さ”を求めると地味に感じやすい
部屋弾きで単体チェックをすると、もっと派手なコンプ感やハイのきらびやかさを持つペダルと比べて「地味」に感じる可能性があります。ただし、バンド全体で鳴らしたときにしっくりくるのはこのタイプのペダルだったりするので、判断は可能ならバンドサウンドの中で行うのがおすすめです。
機種の仕様
| メーカー | Marshall |
| 製品名 | Bluesbreaker Reissue |
| エフェクトタイプ | オーバードライブ(アナログ) |
| コントロール | Gain:歪み量 Tone:全体の明るさ/高域バランス Volume:全体の出力レベル |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 9V DC アダプター(センターマイナス、一般的なペダル用パワーサプライに対応) |
| 消費電流 | おおよそ 5 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:25 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:110 mm 前後 奥行:147 mm 前後 高さ:67 mm 前後 質量:約 750 g 前後(電池含む) |