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[Joyo] American Sound JF-14|レビュー:Fender ’57 Deluxe系を“直出し”で成立させる定番アナログ・アンプシム

Joyo American Sound(JF-14)は、アメリカン・ビンテージ系アンプの質感を、1台で「宅録の直録り」「PA直」「ボードの出口」に持ち込めるアナログ・アンプシミュレーターです。LOW/MID/HIGHの3バンドEQに加え、VOICEで“アンプらしい反応と帯域のクセ”をまとめて調整できるのが肝。価格帯的にはサブ機に見えますが、音作りの方向性がハマると「これでいい」ではなく「これがいい」側に寄る、実戦で強いタイプです。

[Joyo] American Sound|ペダマニレビュー

どんなペダル?

American Soundは、いわゆる“アンプライクな直録りサウンド”を作るためのアナログ・アンプシムです。発想としては「アンプの歪み方とキャビの丸まり方」をまとめて出して、ミキサーやオーディオIFにそのまま入れて成立させる系。IRローダーのような精密さはありませんが、その分ツマミを回して即決できるのが強みです。

コントロールは6つで、LOW/MID/HIGHの3バンドEQ、歪み量を決めるDRIVE、最終音量のLEVEL、そしてこのペダルの要であるVOICE。VOICEは単なるEQではなく、帯域の出方と歪みの“乗り方”に関わるため、ここを動かすと一気にキャラクターが変わります。逆に言うと、まずVOICEで時代感(クリーン寄りか、荒いツイード寄りか)を決めてから、EQで現場に合わせるのが近道です。

用途としては、ボードの最後に置いて“アンプの代わり”にするのが王道。スタジオや現場でアンプ環境が安定しない時でも、同じ思想で音を作り直せます。アンプ前段に置いても使えますが、このペダルは「出口を作る」前提の設計なので、運用の前提を決めた方が評価がブレません。

サウンドの特徴(ローが太いのに、混ざる“アメリカンクリーン〜ツイードクランチ”)

American Soundのサウンドは、低域の厚みと中域の粘りを残したまま、最終的に“耳に痛くない形”へ丸めやすいのが特徴です。直録り系の機材にありがちな「ハイが硬い」「ローが膨らむ」「中域が抜けない」を、VOICEとEQで手早く整えられるため、ミックス(バンド)に入った時に破綻しにくい。特にクリーン〜クランチの境界が気持ちよく、ピッキングで歪みが“浮き上がる”感触を作りやすいです。

VOICEを下げるとクリーン寄りで落ち着いたレンジになり、上げるほど中域の押し出しと歪みの荒さが出て、ツイード的な“吠え”に寄っていきます。ここで重要なのは、VOICEを上げる=高域が増える、という単純な話ではなく、歪みの質感と中域の居場所が同時に動くこと。つまり、歪みが欲しいからといってDRIVEだけを上げ続けるより、VOICEで“歪み方の方向性”を決めてからDRIVEで量を調整した方が、狙いの音になりやすいです。

EQの効きも素直で、LOWで土台、MIDで前に出る位置、HIGHで輪郭と空気感を作る感覚がそのまま通用します。直出し運用では、HIGHを上げすぎると「それっぽいけど刺さる」状態になりやすいので、まずVOICEでキャラを決め、HIGHは必要最小限にする方が“完成音”に近づきやすいです。

使い勝手・セッティングのイメージ

直出しで使うなら、最初にLEVELで出力の基準を作ってから、VOICE→DRIVE→EQの順に詰めると迷いが減ります。アンプのRETURNやFRFRに入れる場合も同様で、「まず出力が適正」「次にキャラ」「最後に帯域」の順で決めると、音作りが速いです。

王道クリーン(直録りの基準)

  • VOICE:10〜12時
  • DRIVE:09〜11時
  • LOW:11〜13時
  • MID:11〜13時
  • HIGH:10〜12時
  • LEVEL:ユニティ〜必要量

クリーンの芯を作る基本形です。HIGHを上げるより、まずVOICEで落ち着かせてから輪郭を足す方が、耳に痛くなりにくいです。

エッジ・オブ・ブレイクアップ(ピッキングで割れる)

  • VOICE:12〜14時
  • DRIVE:11〜13時
  • LOW:11〜12時
  • MID:12〜14時
  • HIGH:10〜11時
  • LEVEL:バンド内で埋もれない程度

“弾いた分だけ割れる”ゾーンです。MIDを少し上げると、直出しでも存在感が残りやすいです。

ツイード寄りクランチ(荒さと押し出し)

  • VOICE:14〜16時
  • DRIVE:12〜15時
  • LOW:10〜12時
  • MID:13〜15時
  • HIGH:09〜11時
  • LEVEL:原音より少し上

VOICEを上げてキャラを作り、HIGHは控えめでまとめるのがコツです。歪みを増やすほどローが膨らみやすいので、LOWを盛りすぎない方が完成度が上がります。

ソロ前進(外部ブースト/OD併用が安定)

  • (上記クランチを土台)
  • 外部ブースト:LEVELを少し上げる/ミドル寄りに押し出す
  • American Sound側:MIDを少し上げる、HIGHは上げすぎない

このペダル単体でゲインを盛ってソロにするより、外部で“前に出る要素”だけ足す方が、音量差を最小限にしつつ抜けを作れます。現場での事故率も下がります。

ペダマニ的「ここが魅力」

  • VOICEが“アンプのキャラ決め”に直結する
    EQをいじる前に、アンプの時代感と歪み方の方向性が決まるので、音作りが速いです。現場で時間がない時ほど、この手の「先に正解の方向へ寄るツマミ」は効きます。
  • 直出しでも“耳に痛い高域”を丸めやすい
    いわゆる直録り臭さを消すには、最終的に高域と中域のバランスが重要ですが、American Soundはその調整がやりやすいです。結果として、PAや宅録でも破綻しにくい着地点を作れます。
  • ボードの出口を安価に“固定化”できる
    アンプ環境が安定しない現場でも、同じ基準音を持ち運べるのが強みです。高級機のサブというより、割り切ってメインとして運用しても仕事をします。

注意しておきたいポイント

  • VOICEとDRIVEを動かすと、帯域バランスも一緒に変わる
    歪みだけを増やしたいつもりでも、結果的にMIDの押し出しやHIGHの刺さり方が変わります。キャラを変えたら、最後にEQを少し戻して整える前提にすると安定します。
  • アンプのインプット前は“二重掛け”になりやすい
    アンプ+キャビの質感まで含む設計なので、通常のアンプ入力に入れるとレンジが飽和して評価が割れやすいです。アンプと併用するならRETURN/パワーアンプ入力寄りの方がハマりやすいです。
  • 直出しはレベル設計が命
    ミキサーやIF入力を歪ませると、ペダルの音ではなく“入力段の破綻”になります。LEVELで適正入力を作ってから音作りを詰めるのが、最短で勝つ手順です。

機種の仕様

メーカーJoyo
製品名American Sound(JF-14)
エフェクトタイププリアンプ/アンプシミュレーター(アナログ/キャビネット・エミュレーション内蔵)
バイパス方式トゥルーバイパス
コントロールLOW:低域の調整
MID:中域の調整
HIGH:高域の調整
VOICE:周波数レスポンスと歪み感のキャラクター調整(DRIVEと併用してクリーン〜歪みまで追い込み)
DRIVE:ゲイン/歪み量
LEVEL:出力レベル
接続端子INPUT:標準フォーン(ギター入力)
OUTPUT:標準フォーン(アンプ/ミキサー/IFへ)
DC IN:9V AC アダプター用ジャック
電源9V 角型電池
AC アダプター
消費電流おおよそ 6 mA(DC 9V 時)
入出力レベル/インピーダンス入力インピーダンス:1 MΩ
出力インピーダンス:1 kΩ
外形寸法・重量(目安)幅:97 mm 前後
奥行:120 mm 前後
高さ:55 mm 前後
質量:約 390 g 前後

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[Joyo] American Sound JF-14

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