Jim Dunlop FFM3 Fuzz Face Mini Jimi Hendrix は、ジミ・ヘンドリクスの使用で知られる Fuzz Face サウンドを、コンパクトな“Mini”筐体に落とし込んだモデルです。シリコントランジスタによるキレのある歪みと、ギターボリュームへの鋭い追従性が特徴で、クリーン寄りのクランチから、サイケデリックなファズリードまでを手元だけでコントロール可能。ブルーの筐体デザインも含め、「ヘンドリクス系ファズ」をボードサイズで導入したいギタリスト向けの一台です。
[Jim Dunlop] FFM3 Fuzz Face Mini Jimi Hendrix|ペダマニレビュー
どんなペダル?
FFM3 Fuzz Face Mini Jimi Hendrix は、ジミ・ヘンドリクスの使用で伝説化した Fuzz Face をモチーフに、Hendrix 系ボイシングで仕上げた Mini シリーズのバリエーションモデルです。青いミニ Fuzz Face 筐体に、Fuzz / Volume の2ノブというシンプルな構成で、「ギターのボリュームとピッキングで表情を作る」クラシックなファズの流儀をそのまま受け継いでいます。
同じ Mini シリーズでも、FFM1(シリコン)よりややヘンドリクス寄りのチューニングで、中高域の抜けとレンジ感が特徴。クランチアンプと組み合わせたときに、コードワークでも音が潰れにくく、単音リードではしっかり前に出てくるキャラクターです。
筐体上部に IN / OUT / 9V DC ジャックがまとめられており、ペダルボード最前段に配置しやすい設計。電池駆動にも対応しているため、小規模のセッションや簡易セットでも柔軟に運用できます。
サウンドの特徴(ヘンドリクス系クランチ〜ファズを手元で引き出せる)
FFM3 のサウンドは、「クランチとファズの中間を広くカバーできるヘンドリクス系シリコンファズ」というイメージです。FUZZ を高めにした状態でギターボリュームを全開にすると、倍音豊富でありながら輪郭のあるクラシックロック系ファズになり、コードをかき鳴らしても一つ一つの音程が意外と見えるバランスにチューニングされています。
ギターボリュームを 7〜8 まで絞ると、わずかにコンプレッション感を残したクランチ〜オーバードライブ寄りのトーンへスムーズに移行。さらに 5〜6 まで下げると、クリーン寄りながらも“少しだけ古いアンプを押したような”ニュアンスが残る、ヘンドリクス系クリーン〜クランチに近い音になります。
ゲルマニウムの FFM2 に比べると、FFM3 は一段明るく、アタックの輪郭も明瞭です。ローはやや整理され、中域〜高域の張りで抜けてくるため、ワウやユニバイブ系との相性も良好。ストラト+マーシャル系クランチと組み合わせると、「あの方向」のトーンがかなり作りやすいキャラクターと言えます。
使い勝手・セッティングのイメージ
ヘンドリクス系“ボリューム連動クランチ〜ファズ”
FFM3 のポテンシャルを最も活かせるのが、ペダルをオンにしたままギターボリュームでクリーン〜クランチ〜ファズを作り分ける、クラシックな Fuzz Face 的運用です。
セッティング例
- FUZZ:14〜MAX 付近
- VOLUME:バイパス時と同等〜やや上程度
- ギターボリューム:
- 10:フルレンジの Hendrix 系ファズリード
- 7〜8:角の取れたクランチ〜ドライブ(リズム向け)
- 5〜6:クリーン寄りの軽いブレイクアップ
この状態で、クリーンアルペジオ〜リフ〜ソロまでを手元だけで切り替えることができるため、トリオ編成や、ペダル操作をシンプルにしたい現場で特に有効です。
クランチアンプを押し出す“クラシックロック・リードブースト”
クランチ設定のアンプ(Marshall 系など)の前に FFM3 を置き、ソロ時だけオンにして「一段荒れたリードトーン」を作るパターンです。
セッティング例
- アンプ:中程度のクランチ
- FUZZ:12〜14時
- VOLUME:バイパスより少しだけ上げる
- ギターボリューム:ソロ時は 10 固定
オンにすると、アンプクランチの上にファズ特有の倍音とサスティンが加わり、ヘンドリクス〜70年代ロック系のリードに近い質感になります。TS 系ブースターと違い、ローを整理するのではなく全体を一気に飽和させる方向なので、「ソロだけ一段ラフに前へ出したい」場面に向いています。
ゲイン控えめの“ビンテージドライブ寄り”として使う
ファズ感を控えめに、オーバードライブ寄りのキャラクターで使いたい場合は、あえて FUZZ を下げ目に設定するのも有効です。
セッティング例
- FUZZ:9〜11時
- VOLUME:必要な音量まで上げる
- ギターボリューム:基本 10、曲ごとに微調整
このセッティングでは、「少しファズ感のあるビンテージドライブ」として機能し、歪みペダルの一種としてボードに自然に馴染ませることができます。Fuzz Face の“挙動”は欲しいが、常に爆発的なファズサウンドは必要ないというケースにちょうど良いバランスです。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- ヘンドリクス寄りにチューニングされた“使える Fuzz Face Mini”
FFM3 は、同じ Mini シリーズの中でもヘンドリクス系サウンドを意識したボイシングになっており、ストラト+クランチアンプで弾いたときのフィット感が非常に高いモデルです。中域〜高域の抜け方とゲインバランスが絶妙で、「Hendrix っぽいニュアンスが欲しい」ときに、あまり迷わず狙えるファズになっています。 - 手元のボリュームとピッキングで“曲全体のダイナミクス”が作れる
Fuzz Face 系の美点である「ギターボリュームとの連携」は、FFM3 でもしっかり健在です。ペダルはオンのまま、手元のボリュームとピッキングだけで、クリーン〜クランチ〜ファズまでを行き来できるため、曲の構成やダイナミクスを片手でコントロールできます。シンプルな足元で表現力を重視したいギタリストには、大きな武器になる挙動です。 - Mini サイズ+9V DC 対応で現代ボードへの組み込みが現実的
ヘンドリクス系 Fuzz Face といえば、オリジナルの円盤型筐体が印象的ですが、物理的にボードに載せにくいのが悩みどころでした。FFM3 は Mini サイズかつ 9V センターマイナス対応なので、既存のペダルボードにも比較的スムーズに追加できます。「Hendrix っぽさは欲しいが、サイズと電源問題で諦めていた」層にも刺さる仕様です。 - FFM1 / FFM2 との比較で、自分のスタイルに合わせて選べる
同じ Fuzz Face Mini シリーズの中で、FFM1(シリコン汎用)、FFM2(ゲルマビンテージ)、FFM3(Hendrix 系)と役割が明確に分かれているため、自分の音楽性に合わせて選びやすいラインナップになっています。「よりウォームで丸いビンテージ感なら FFM2、抜けの良いクラシックロック寄りなら FFM1、Hendrix 直系のニュアンスを狙うなら FFM3」と、比較軸が分かりやすい点も魅力です。
注意しておきたいポイント
- モダンでタイトな“メタル系ディストーション”とは別物
FFM3 はあくまでクラシックな Fuzz Face 系シリコンファズです。モダンメタルのようなタイトでローが整理されたディストーションとは方向性が異なり、倍音豊富でややラフなキャラクターになります。タイトなパームミュートや超高速リフを主体としたスタイルには、別途モダンな歪みペダルを用意した方が良い場面も多いです。 - チェイン最前段推奨で、バッファーとの相性には要注意
Fuzz Face 系全般の性質として、入力インピーダンスの関係で、前段にバッファーやワイヤレスシステムを挟むと、ボリュームへの追従性が悪くなったり、高域の出方が変わってしまうことがあります。基本的には「ギター直後(チェイン最前段)」に置くのが前提で、どうしても他機材を挟む場合は、実機で挙動を確認しながら配置を検証する必要があります。 - ハイゲイン環境ではノイズ・ハウリングに注意が必要
FUZZ を高めに設定し、アンプも歪ませている状況では、スタジオの電源環境やステージボリューム次第でノイズやハウリングが出ることがあります。特にストラト+シングルコイルとの組み合わせでは、立ち位置やアンプとの距離、ゲイン量のバランスを事前にチェックしておくと安心です。
機種の仕様
| メーカー | Jim Dunlop |
| 製品名 | FFM3 Fuzz Face Mini Jimi Hendrix |
| エフェクトタイプ | ファズ(アナログ) |
| バイパス方式 | トゥルーバイパス |
| 回路方式 | シリコントランジスタ採用 Fuzz Face 回路 |
| コントロール | FUZZ:歪み量/ゲイン VOLUME:出力レベル |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V AC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 3.4 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:10 kΩ 出力インピーダンス:<16 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:90 mm 前後 奥行:90 mm 前後 高さ:50 mm 前後 質量:約 240 g 前後(電池含む) |