BOSS TR-2 は、ビンテージ・アンプ内蔵トレモロの揺れをペダルで再現しつつ、RATE/DEPTHに加えてWAVE(波形)まで触れるのが強みのトレモロです。ゆったりとした心地よい揺れから、カクカクしたスイッチング的な“機関銃”ニュアンスまで、曲の役割に合わせて幅広く作れます。定番だからこそ「どこまで狙って鳴らせるか」で差が出ますが、TR-2はその“狙い”をちゃんと作れるタイプです。
[BOSS] TR-2 Tremolo|ペダマニレビュー
どんなペダル?
TR-2は、音量を周期的に上下させるトレモロを、コンパクトペダルで扱いやすくまとめたモデルです。トレモロは一見シンプルですが、実戦だと「揺れの速さ」「深さ」に加えて、“揺れ方の質感(滑らか/カクカク)”が重要になりがち。TR-2はWAVEノブでそこまでコントロールできるため、単なる雰囲気づけから、リズムの一部として噛ませる使い方まで守備範囲が広いです。
アンプのトレモロと違って、曲や会場に左右されず“同じ揺れ”を持ち運べるのも実務的なメリット。クリーンの奥行き作り、カッティングのノリ強化、バラードの揺れ演出など、やることが明確な人ほどハマります。
サウンドの特徴(滑らか〜カクカクまで“波形”で決まる)
TR-2の要はWAVEです。一般的なトレモロが「揺れの速さ・深さ」で終わりやすいのに対して、TR-2は“揺れの形”を変えられます。滑らかな波形寄りにすると、クリーンのコードが自然に呼吸するように揺れて、空間系とも相性が良い。逆に波形をカクカク寄りにすると、音量がスパッと切り替わる感じが出て、16分の刻みやリフで「リズムを増やす」効果に寄っていきます。
DEPTHは深くすると存在感が一気に前に出ますが、バンド内では“揺れが主役になりすぎる”こともあるので、まずは控えめからが安全です。RATEは遅い設定で“間”を作るのも良いし、速めにして疑似的なトリル感/スパイスにするのもアリ。TR-2は定番らしく、どの方向に振っても破綻しにくいのが強みです。
使い勝手・セッティングのイメージ
基本の置き場所は歪みの後段が鉄板です。トレモロは音量の揺れなので、歪み前に置くと歪み量が揺れてニュアンスが変わり、後段に置くと“完成した音”がそのまま揺れます。狙いが「奥行き」「ノリ」「拍の演出」なら後段が安定。実験したいなら前段も面白い、という住み分けが分かりやすいです。
セッティングは、まずDEPTHを上げすぎないのがコツです。揺れを深くすると気持ちいい反面、バンドの中では「音が引っ込む瞬間」が増えて聴感上の芯が薄くなりがち。最初はDEPTHを控えめにして、WAVEで質感を決め、最後にRATEで曲のテンポに合わせると迷子になりにくいです。
クリーンの奥行き(バラード/アルペジオ)
- RATE:10時
- DEPTH:10〜11時
- WAVE:9〜10時
王道ビンテージ感(ブルース/サーフ寄り)
- RATE:11時
- DEPTH:12時
- WAVE:10〜12時
機関銃カッティング(リフのノリ強化)
- RATE:13〜15時
- DEPTH:12〜14時
- WAVE:14時〜MAX
アンビエントの“波”作り(ディレイ・リバーブと併用)
- RATE:9〜10時
- DEPTH:9〜10時
- WAVE:9〜11時
ペダマニ的「ここが魅力」
- WAVEで“揺れの性格”まで作れる
速さと深さだけでは出ない「滑らかさ/切れ味」を波形で詰められるので、雰囲気系にもリズム強化にも振り切れます。結果として、同じトレモロでも曲に対して“狙った仕事”をさせやすいのが強いです。 - 定番なのに、現場で使うほど良さが出る
トレモロは派手な新機能より「狙い通りに揺れるか」が重要ですが、TR-2はその基本性能が高く、セッティングの再現性が出しやすいです。ライブやスタジオで“同じ役割”を安定して担えるのが、定番である理由です。 - 空間系と組むと完成形が早い
ディレイ/リバーブの前後に置き方を変えるだけで、奥行きや揺れの見え方がガラッと変わります。難しいテクニックがなくても「音がドラマチックになる」方向に持っていけるので、手堅く成果が出ます。
注意しておきたいポイント
- DEPTHを上げすぎると“音が引っ込む”問題が出やすい
トレモロは音量を落とす瞬間が必ずあるので、深くしすぎるとバンドの中で存在感が薄く感じることがあります。まずは控えめDEPTHで成立させて、必要な場面だけ深くする運用が安定です。 - WAVEをカクカク寄りにすると、曲を選ぶ
スパッと切れる波形は気持ちいい反面、バラードや歌ものだと“効果が勝ちすぎる”ことがあります。狙いが「リズムの演出」なのか「奥行きの演出」なのかを決めてから、WAVEを触ると失敗が減ります。 - 置き場所で挙動が変わるので、前提を決めると勝ち
歪み前は歪み量が揺れてアグレッシブ、歪み後は完成音が揺れて実戦的、という性格差が出ます。どちらが正解というより、曲での役割に合わせて“いつも同じ場所”に固定した方が再現性が上がります。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | TR-2 Tremolo |
| エフェクトタイプ | トレモロ |
| バイパス方式 | バッファード・バイパス |
| コントロール | RATE:揺れの速さ DEPTH:揺れの深さ(かかり具合) WAVE:揺れ方の波形(滑らか〜カクカクの質感調整) |
| 接続端子 | GUITAR IN:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V AC アダプター用ジャック(BOSS PSA シリーズ対応) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(PSA-100/PSAシリーズ) |
| 消費電流 | おおよそ 25 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-20 dBu 入力インピーダンス:1 MΩ 規定出力レベル:-20 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:73 mm 前後 奥行:129 mm 前後 高さ:59 mm 前後 質量:約 385 g 前後(電池含む) |