RE-202は、Roland RE-201 Space Echoのサウンドと挙動を、現代のペダルボード/レコーディング環境で使える形に落とし込んだ“本気のテープエコー系ディレイ”です。MODE SELECTORで12種類のヘッド組み合わせを選び、REPEAT RATEとINTENSITYであの滑らかなピッチ変化〜発振までをコントロール。さらにWOW&FLUTTER、SATURATION、テープ状態(NEW/AGED)まで触れるので、単に「テープっぽい」ではなく“あの不安定さの美味しいところ”を狙って作れます。メモリー(本体4+外部MIDIで最大127)やタップテンポ、ステレオI/Oも備え、ヴィンテージの儀式を、ちゃんと実戦に変換してくれる1台です。
[BOSS] RE-202 Space Echo|ペダマニレビュー
どんなペダル?
RE-202は、いわゆる“ディレイペダル”というより、テープエコー機の操作感と音の変化をそのまま楽器として扱えるタイプです。中核は3つで、(1) MODE SELECTORでヘッド構成を選ぶ、(2) REPEAT RATEでテープスピード=ディレイ間隔を動かす、(3) INTENSITYでフィードバック量を上げていく。これだけで、Space Echoらしい「気持ちいい揺れ」「間隔が滑っていくピッチ変化」「発振の盛り上がり」が作れます。
現代仕様としては、タップテンポ搭載、メモリー呼び出し(MANUALと1〜4を本体で切替、外部MIDIで5〜127まで拡張)、ステレオアウト対応、外部フットスイッチ/EXP対応と、ライブ導線を組みやすい設計です。さらに、DIRECT音を“色付けなし”で通すか、RE-201のプリアンプ的な色付けで通すかを選べるため、アンプ前でもラインでも「どっちの美味しさで使うか」を先に決められます。
サウンドの特徴(揺らぎ・劣化・発振まで“演奏できる”テープエコー感)
RE-202の価値は、単にテープっぽいEQカーブではなく、操作に対する反応が“音楽的”なところにあります。REPEAT RATEを動かしたときに、ディレイの間隔が段階ではなく滑らかに変化し、その過程でピッチが自然にズレていく。ここがデジタルディレイの「きっちりした繰り返し」と決定的に違う点で、ギターはもちろん、シンセやドラムループに入れたときも“揺れの存在感”が前に出ます。
WOW&FLUTTERは、テープ機構の回転ムラを模した揺らぎを足すノブで、薄くかけると空気感、上げると酔うようなうねりが出ます。TAPE(NEW/AGED)をAGED側にすると、音色のくすみや不安定さが増え、いわゆる“古いテープの色気”が出しやすい。SATURATIONはプリアンプの歪みとテープ飽和によるコンプレッション感を作れるので、ディレイの前段にブーストを足したような“押し出し”も狙えます。
そしてINTENSITYを上げ切った先の発振。ここは好みが分かれますが、RE-202は発振が「破綻」ではなく「演出」になりやすい。WARP(ON/OFF長押し)やTWIST(TAP長押し)を使うと、足元だけで“盛り上げポイント”を作れるので、アウトロや間奏で景色を変える武器になります。
使い勝手・セッティングのイメージ
RE-202は、最初に「普段使い」と「演出用」を分けると一気に扱いやすくなります。普段使いは“薄く・邪魔しない”、演出用は“踏んで増やす”。この分業ができると、Space Echo系は現場で強いです。
王道の基準テープエコー(コードでも邪魔しない)
- MODE SELECTOR:3〜5あたり(複数ヘッド系を選ぶ)
- REPEAT RATE:10〜12時
- INTENSITY:9〜11時
- ECHO VOL:9〜11時
- REVERB VOL:必要なら薄く
まずは「ディレイが聴こえるけど、歌やスネアを邪魔しない」位置を作ります。ECHO VOLは上げすぎず、足元で“存在”だけ足すのが失敗しにくいです。
スラップバック(ロカビリー〜ファンクのノリ作り)
- MODE SELECTOR:シングルヘッド寄り
- REPEAT RATE:速め(1回だけ返す距離感)
- INTENSITY:低め(1〜2回で止める)
- ECHO VOL:原音と同じ〜少し下
短いディレイは、弾き方のニュアンスがそのままノリになります。Space Echo系のスラップは硬すぎず、気持ちいい“丸さ”が出やすいです。
アンビエントの下地(揺らぎで空気を作る)
- TAPE:AGED
- WOW&FLUTTER:11〜13時(やりすぎ注意)
- MODE SELECTOR:密度の高いモード
- INTENSITY:11〜13時
- ECHO VOL:10〜12時
揺れと密度で「後ろに空間を敷く」設定です。音数が多い曲では、BASS/TREBLEでエコー帯域を削って、原音の居場所を残すと混ざりが良くなります。
発振演出(WARP/TWISTで“ここだけ”盛る)
- INTENSITY:上げ気味(発振手前〜発振)
- ON/OFF長押し:WARP(幻想的に膨らませる)
- TAP長押し:TWIST(アグレッシブに回転させる)
発振は常用しない方が強いです。「曲の最後だけ」「間奏の頭だけ」など、使う場所を決めて“短く当てる”と演出が締まります。
ペダマニ的「ここが魅力」
- “Space Echoの挙動”がそのまま足元で扱える
REPEAT RATEを動かしたときの滑らかなピッチ変化や、INTENSITYを上げたときの発振の盛り上がりが「狙って使える」レベルでまとまっています。テープエコーの美味しさを、現場で再現できるのが最大の価値です。 - WOW&FLUTTER/TAPE/SATURATIONで“キャラ作り”が速い
単なるディレイタイムとフィードバックだけでなく、揺らぎ・劣化・飽和という“テープらしさの要素”を直接コントロールできます。音作りが迷子になりやすいテープ系でも、方向性を決めるノブが表に出ているのが実戦的です。 - メモリーとタップで、ヴィンテージの儀式を省ける
本体でMANUAL+1〜4を瞬時に切替でき、外部MIDIなら最大127まで呼び出せます。曲ごとに最適化した設定を“呼ぶだけ”にできるので、Space Echoをライブの道具として成立させやすいです。
注意しておきたいポイント
- “原音の扱い”を最初に決めないと評価が割れやすい
DIRECT音を色付けなしで通すか、RE-201プリアンプ風に色付けするかで、全体の印象が変わります。アンプ前/ライン/ループのどこで使うかとセットで前提を固定すると、音作りの着地が速くなります。 - 揺らぎと発振は強力なので、使いどころを設計する
WOW&FLUTTERやINTENSITYを上げると一気に世界観が出ますが、常時ONにすると曲を選びやすいです。普段使いの薄掛け設定と、WARP/TWISTで踏む演出設定を分けると、ボードでの勝率が上がります。 - 電源はACアダプター前提、ボード側の取り回しを確認
RE-202は付属ACアダプター運用が基本で、消費電流も大きめです。ボード電源で統一したい場合は容量と供給方法を先に決めておくと、現場での不安要素を減らせます。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | RE-202 Space Echo |
| エフェクトタイプ | テープエコー(ディレイ)/リバーブ(デジタル) |
| バイパス方式 | バッファード・バイパス |
| 搭載モード | モード:12種類(4つの再生ヘッド組み合わせ) メモリー:127+マニュアル(本体はMANUAL+1〜4切替、外部MIDIで5〜127対応) |
| コントロール | SATURATION:プリアンプ歪み+テープ飽和によるコンプレッション感を調整 WOW & FLUTTER:テープスピードの揺らぎ量を調整(右ほど不安定感が増える) MODE SELECTOR:モード1〜12切替(ヘッド構成を選ぶ) BASS:エコー成分の低域を調整 TREBLE:エコー成分の高域を調整 REVERB VOL:リバーブ音量(ECHO VOLをゼロにするとリバーブのみも可能) REPEAT RATE:テープスピード=ディレイ間隔を調整(右ほど速く、間隔が短い) INTENSITY:繰り返し量(フィードバック量)を調整(上げ切ると発振) ECHO VOL:エコー音量を調整 ON/OFFスイッチ:エフェクトON/OFF(長押しでWARP) MEMORYスイッチ:メモリー切替(長押しでエコー+リバーブ同時使用の切替) TAPスイッチ:タップテンポ(長押しでTWIST) MEMORYボタン:メモリー切替/保存 INPUTボタン:入力種別(GUITAR/LINE)切替 TAPEボタン:テープ状態(新品/程よく使用)切替、長押しでノブ操作ロック切替 |
| 接続端子 | INPUT A/MONO、INPUT B:標準フォーン OUTPUT A/MONO、OUTPUT B:標準フォーン(リバーブ時にステレオ効果) CTL/EXP:標準フォーン(外部FS/EXP) MIDI IN/OUT:ステレオ・ミニ USB(micro-B):ファーム更新用 DC IN:9V AC アダプター用ジャック |
| 電源 | AC アダプター |
| 消費電流 | おおよそ 140 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-10 dBu 入力インピーダンス:1 MΩ 規定出力レベル:-10 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:192 mm 前後 奥行:133 mm 前後 高さ:53 mm 前後 質量:約 860 g 前後 |