MD-200は、フラッグシップMD-500系のアルゴリズムを軸にした12種類のモジュレーションを、200シリーズのコンパクト筐体にまとめたペダルです。CHORUS(現代系)とCE-1(ビンテージ系)を両搭載し、PHASER/FLANGER/VIBRATO/TREMOLO/ROTARYまで一通りを網羅。さらにAUTO WAH、SLICER、OVERTONEといった“色モノ枠”まで入っているので、ボードのスペースを増やさずに「必要な揺れを全部持つ」運用ができます。インサート・ループで外部歪みの前後にモジュレーション順をメモリーごとに切り替えられるのも、地味に現場で強いポイントです。
[BOSS] MD-200 Modulation|ペダマニレビュー
どんなペダル?
MD-200は、モジュレーション“専用機”として必要な要素を、かなり実務的に揃えた1台です。12モード(CHORUS/CE-1/FLANGER/PHASER/VINTAGE PHASER/CLASSIC VIBE/VIBRATO/TREMOLO/ROTARY/AUTO WAH/SLICER/OVERTONE)を搭載し、基本の揺れから演出系までを1台でカバーできます。
操作系も現場向きで、RATE/DEPTH/E. LEVELに加え、モードごとに役割が変わるPARAM 1〜3で“必要なところだけ深く触れる”設計。メニュー潜りが最小で済むので、スタジオで「あと5分で音出し」みたいな状況でも戦えます。
さらに127ユーザーメモリー+マニュアル(パネル状態)で合計128の呼び出しが可能。メモリーのスクロール範囲を絞ったり、番号指定で呼び出したり、MIDIでプログラムチェンジ受けたりと、運用導線の作り方が複数あります。
サウンドの特徴(モダン/ビンテージを同居させた“使い分けが効く”揺れ)
MD-200の強みは「全部入りなのにキャラが薄い」ではなく、用途別に“役割が立つ”ところです。CHORUSは現代的で抜けとレンジが出やすく、歪みの後段でも音が潰れにくい方向。一方CE-1はビンテージの質感が前に出て、少しラフで太い揺れになりやすく、クリーン〜軽いクランチで特に美味しいです。
PHASER/FLANGERも、王道の揺れから強めの効果までレンジが広く、PARAM側で音の中心やクセを詰められるので「薄く常時」「サビだけ濃く」といった役割分担が作りやすい。
VINTAGE PHASERとCLASSIC VIBEは、モジュレーションに相性の良い歪みを足せる(選択式)設計で、単体でも“それっぽい粘り”が作れます。SLICERはリズムの隙間を埋めるのに強く、OVERTONEは倍音/オクターブ感で音色を変える方向。モジュレーションの枠を少し超えて「曲の仕掛け」に使えるのがMD-200の美味しさです。
AUTO WAHも調整幅が広く、エクスプレッション接続でペダル・ワウとして運用できるため、必要に応じてワウ専用機の代役にもなります。
使い勝手・セッティングのイメージ
MD-200は「音作り」と「呼び出し」を最初に分けて考えると安定します。まず“現場で使う基本音”を数個だけ作り、あとは曲ごとに微調整してメモリー保存。タップテンポとTAP DIVISION(付点/3連などの割り算)があるので、テンポものの揺れは合わせやすいです。
そして重要なのがインサート・ループ。外部の歪みペダルを挟んで、メモリーごとに「歪みの前にPHASER」「歪みの後にCHORUS」みたいな順序を切り替えられます。モジュレーションは順番で印象が大きく変わるので、ここをMD-200側で管理できるのはボード運用的にかなりラクです。
王道コーラス(歪み後段で“広がり”を足す)
- MODE:CHORUS
- RATE:10〜11時
- DEPTH:9〜11時
- E. LEVEL:原音と同じ〜少し上
- PARAM:まずはデフォルトから微調整
CE-1系(クリーンの太さと艶)
- MODE:CE-1
- RATE:9〜10時
- DEPTH:10〜12時
- E. LEVEL:原音と同じ
- PARAM:揺れが前に出すぎる場合はDEPTHから先に引く
フェイザー(カッティングのノリ強化)
- MODE:PHASER(またはVINTAGE PHASER)
- RATE:テンポに合わせてタップ推奨
- DEPTH:11〜13時
- E. LEVEL:原音と同じ
- PARAM:クセはPARAM側で作り、DEPTHは盛りすぎない
フランジャー(サビ頭や間奏で“わかる演出”)
- MODE:FLANGER
- RATE:10〜12時
- DEPTH:12〜14時
- E. LEVEL:原音と同じ
- PARAM:強すぎる場合はDEPTHより先にE. LEVELを少し下げるのも有効
ロータリー(広がりと回転感の両立)
- MODE:ROTARY
- SLOW:薄く常時の速度
- FAST:サビ用の速度
- E. LEVEL:原音と同じ
- PARAM:ホーン/ローターのバランスは“抜け”優先で調整
ペダマニ的「ここが魅力」
- モダンCHORUSとCE-1を“同居”できる
同じコーラスでも現代系とビンテージ系は役割が別物になりがちですが、MD-200は両方を同一筐体で使い分けできます。クリーンはCE-1、歪み後段はCHORUS、といった“現場の正解”に寄せやすく、ボード全体の再現性が上がります。 - インサート・ループで「歪み前後問題」をメモリーごとに解決できる
モジュレーションは歪みの前後で印象が激変します。MD-200は外部ペダルを挟んで、メモリーごとに前後配置を切り替えられるため、曲によって「フェイザー前」「コーラス後」を共存させやすい。ペダルの数を増やさずに、運用の自由度だけ上げられます。 - 127メモリー+MIDIで“スイッチャー案件”にも耐える
コンパクトに見えて、呼び出しと制御の仕組みはスイッチャー環境にも入っていける設計です。手元で完結させる運用も、MIDIで統合する運用も選べるので、最初は小さく導入して、後からシステム化する余地があります。
注意しておきたいポイント
- 消費電流が大きめなので、電源計画は先に確定
200シリーズは高品位処理の分、電源に余裕が必要です。ボード電源の空きに“とりあえず”で挿すと不安定要因になりやすいので、最初から容量に余裕のあるDCポートを割り当てておくのが安全です。 - 「全部入り」ゆえに、最初は“使う音だけ”決めた方が早い
12モード全部を触り始めると、音作りが終わりません(そして練習時間が削れます)。最初は“常時薄掛け1つ”+“演出用2つ”くらいに絞ってメモリー化し、必要になったら追加する運用が結果的に強いです。 - インサートを活かすには、接続の前提を固定すると勝ち
インサートは便利ですが、外部歪みの種類やレベル設計がブレると、メモリーごとの差が大きくなりすぎます。まずは「歪みペダルはこれ」「基準音量はこれ」を固定し、その上で前後切替を設計すると、現場での再現性が上がります。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | MD-200 Modulation |
| エフェクトタイプ | モジュレーション(マルチ) |
| 搭載モード | メモリー:127 + Manual(合計128) CHORUS、CE-1 CHORUS、FLANGER、PHASER、VINTAGE PHASER、CLASSIC VIBE、VIBRATO、TREMOLO、ROTARY、AUTO WAH、SLICER、OVERTONE |
| バイパス方式 | バッファード・バイパス |
| コントロール | ON/OFFスイッチ、MEMORY/TAPスイッチ MODE、RATE、DEPTH、E. LEVEL PARAM 1、PARAM 2、PARAM 3 TAP DIVISIONボタン、MEMORYボタン |
| 接続端子 | INPUT A(MONO)、INPUT B:標準フォーン OUTPUT A(MONO)、OUTPUT B:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) CTL 1, 2/EXP:標準TRSフォーン MIDI IN/OUT:ステレオ・ミニ(TRS) USB(micro-B):ファーム更新用 DC IN:9V AC アダプター用ジャック(BOSS PSA シリーズ対応) |
| 電源 | アルカリ電池(単3形)×3 AC アダプター(PSA-100/PSAシリーズ) |
| 消費電流 | おおよそ 225 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-10 dBu 入力インピーダンス:2 MΩ 規定出力レベル:-10 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:101 mm 前後 奥行:138 mm 前後 高さ:65 mm 前後 質量:約 680 g 前後(電池含む) |