ターボI/IIで切り替えられる攻撃的ディストーション
BOSS DS-2 Turbo Distortion は、王道DS-1をベースに「TURBO I / II」2モードでより攻撃的な歪みを加えたディストーションペダルです。中域にピークを持たせた抜けの良さと、90年代オルタナ〜グランジを思わせるラウドなサウンドが特徴で、リードブーストからメイン歪みまで幅広く対応します。
[BOSS] DS-2 Turbo Distortion|ペダマニレビュー
どんなペダル?
DS-2 は、オレンジ色のDS-1をベースにレンジとゲインを拡張した「ターボ版ディストーション」です。フロント側の TURBO ノブで TURBO I / TURBO II を切り替えられ、それぞれ性格の異なる歪みキャラクターを1台に収めています。
- TURBO I:DS-1 を太くして、現代アンプにも合うようにレンジを広げたモード
- TURBO II:中域をグッと持ち上げて、ソロ用ブーストやラウドなリフに向いたモード
背面のREMOTE端子にフットスイッチをつなげば、TURBO I / II を足元で切り替えることもでき、シンプルながら「2チャンネル歪み」のように運用できるのが強みです。
サウンドの特徴(TURBO I/IIで切り替える90’sロック系ハイゲイン)
TURBO I
TURBO I は、DS-1の荒々しさを残しつつ、ロー〜中低域を少し持ち上げて「ペラさ」を改善したキャラクターです。
・コードを弾いても各弦が潰れすぎず、ジャキっとした輪郭が残る
・ピッキングの強弱でゲインがしっかり変化し、リフにもバッキングにも使い回ししやすい
クランチ寄りというよりは、しっかり歪んだディストーション寄りのキャラクターで、JCM系アンプとの相性が良いタイプです。
TURBO II
TURBO II は、中域に強いピークを持たせた「叫ぶようなリード向け」のモード。
・ミッドが前に出るので、バンドアンサンブルの中でもソロが埋もれにくい
・ローエンドがタイトに締まり、パームミュートの刻みが気持ちよく出る
ゲインもTURBO Iより一段高く、90年代オルタナ、グランジ、ラウドロックのようなザラついたハイゲインが欲しいときにハマります。
全体としては、モダンでハイファイというより、あえて少し粗さを残した「ロック然としたディストーション」。クリーンを守るタイプではなく、アンプの前でガッツリ色を付ける方向性です。
使い勝手・セッティングのイメージ
ツマミ構成は LEVEL / TONE / DIST / TURBO とシンプルです。
リズム用メイン歪み(TURBO I)
- DIST:11〜13時
- TONE:11時前後
- LEVEL:バンド内でちょうどいい音量に調整
ドライブチャンネルを持たないクリーンアンプにDS-2を挿し、これをメイン歪みとする想定です。TONEを上げ過ぎると高域がキツくなりやすいので、11〜12時あたりから少しずつ追い込むと扱いやすくなります。
リードブースト(TURBO II)
- DIST:11時前後(アンプ側で既に歪ませる想定)
- TONE:12〜13時
- LEVEL:原音よりやや上
アンプをある程度歪ませた状態で、ソロ時のみTURBO IIに切り替えて押し出す使い方です。中域の持ち上がりとレベルブーストで、1段階前に出るリードトーンが作れます。
オルタナ/グランジ系のラフなハイゲイン
- DIST:14〜フル近く
- TONE:10〜11時(少し抑えめ)
- LEVEL:原音と同等
あえて歪みを深くして、TONEを下げ目にすると、90年代のオルタナ〜グランジっぽい、ラフでコンプレッションの少ないハイゲインが作れます。ピッキングの強弱より「勢い」で弾きたいときに向く設定です。
ノイズレベルは一般的なアナログディストーションとして標準的。ゲインを上げるとハムノイズは増えますが、アンプのブースト用途としては十分実用的な範囲です。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- 2モード切替で1台2役の歪みチャンネル
TURBO I をリズム、TURBO II をソロ用に振り分ければ、シンプルなボードでも「2チャンネル歪みペダル」のように運用できます。REMOTE端子で外部スイッチ切替ができるのも実戦的です。 - 90’sロック〜ラウド系と相性の良い荒々しさ
最近のハイゲインペダルよりも、良い意味でラフで荒い質感を持っているので、整いすぎた音が物足りない人にはちょうど良いキャラクターです。 - DS-1 とは別物として持つ価値がある
DS-1 がややペラく感じるシーンでも、DS-2 のTURBO Iならロー〜中低域が補われ、実戦で使いやすいサウンドになります。「DS-1っぽいけどもう少し太いのが欲しい」という人にはまさにツボのポジションです。
注意しておきたいポイント
- 高域がキツくなりやすい個体・環境もある
TONE を上げ過ぎると耳に痛い帯域が強調されることがあります。特にシングルコイル+明るめアンプの場合は、TONEを抑え気味にしてアンプ側で補正するのがおすすめです。 - クリーンブースト的なフラットさは期待しない方が良い
ミッドに特徴のあるディストーションなので、「音色を変えずに音量だけ上げたい」という用途には向きません。あくまで“キャラクターを加える歪み”として考えるのが吉です。 - 最新ハイゲインペダルと比べるとノイズや解像度は昔ながら
きれいにまとまったモダンハイゲインを求めると、「ちょっと粗い」と感じる可能性もあります。このアナログ感を良しとするかどうかが、DS-2を好きになれるかの分かれ目です。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | DS-2 Turbo Distortion |
| エフェクトタイプ | ディストーション(アナログ) |
| バイパス方式 | バッファードバイパス |
| コントロール | LEVEL(出力レベル) TONE(トーン調整) DIST(歪み量) TURBO ノブ(TURBO I / TURBO II 切り替え) |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) REMOTE:外部フットスイッチ入力(TURBO モード切り替え用) DC IN:9V AC アダプター用ジャック(BOSS PSA シリーズ対応) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(PSA-100/PSAシリーズ) |
| 消費電流 | おおよそ 15 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-20 dBu 入力インピーダンス:1 MΩ 規定出力レベル:-20 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:73 mm 前後 奥行:129 mm 前後 高さ:59 mm 前後 質量:約 400 g 前後(電池含む) |