MXR YJM308 Yngwie Malmsteen Overdrive は、ギタリスト「イングウェイ・マルムスティーン」の協力の元にデザインされたオーバードライブです。LEVEL と GAIN の2ノブだけで「前に出る中域」「速いピッキングに追従する押し出し」「歌うような伸び」を作りやすい、ブースト寄りのペダルになっており、いわゆる“歪みをこれ1台で完結”というより、アンプ(または歪みチャンネル)の前段で芯を足し、輪郭と倍音を整えて前へ押し出す用途に強いタイプ。操作がシンプルなので、スタジオやライブハウスのアンプでも迷子になりにくく、「音量感を上げずに抜けを作る」「速いフレーズでも粒が揃う」方向へ寄せやすいのが実戦的です。手元のニュアンスを残しつつ、ソロの“伸び”とリフの“切れ”を同時に狙いたい人に向きます。
[MXR] YJM308 Yngwie Malmsteen Overdrive|ペダマニレビュー
どんなペダル?
YJM308 は、MXRのアーティスト・シグネチャーとして“必要な要素だけ”に絞ったオーバードライブです。コントロールは LEVEL(最終音量)と GAIN(歪み量)だけ。3ノブODのようにトーンで迷うことがない代わりに、「アンプ側のトーンで音色を作る」「ペダルは押し出しと歪み量を担当する」という役割分担が前提になります。
この割り切りが効いていて、現場でやることが明確です。まずアンプを“良い音”に作り、そこへ YJM308 を足して「一段前に出る」「弾きやすくなる」状態を作る。特に歪みチャンネルの前段に置くと、ピッキングの情報が前に出やすく、速いフレーズでも輪郭が揃いやすい方向に働きます。
バイパスはトゥルーバイパスで、オフ時の原音変化を抑えたいボードにも合わせやすい設計。電源は9V(電池/アダプター)で、消費電流も小さめなので、ボードの電源計画にも組み込みやすい部類です。
要するに「音作りの主役はアンプ(または後段)」「YJM308は“押し出しの核”」という使い方がハマりやすいペダルです。
サウンドの特徴(速いフレーズでも芯が残る“ブーストOD”)
YJM308 の美味しさは、音量を上げなくても“前に出る帯域”を作りやすい点です。バンドの中でギターが埋もれるとき、単純に LEVEL を上げると全体のバランスが崩れがちですが、この手のブーストODは中域と倍音を足すことで、体感的に前へ出しやすくなります。YJM308 はその方向に寄せやすく、ソロの立ち上がりや伸びが作りやすいタイプです。
また、弾き方に対する追従性が高く、速いピッキングでも粒が揃いやすいのがポイントです。歪みを深くすると“潰れて弾きにくい”方向へ行くペダルもありますが、YJM308 は「押し出しが増える」「倍音が乗る」方向で効きやすく、特に中〜高ゲインのアンプ(または歪みペダル)を土台にしたときに、フレーズが前へ出やすくなっています。
逆に、完全クリーンに足して単体歪みとして使う場合は、好みが分かれます。単体で厚く歪ませるというより、アンプの良さを活かした“上乗せ”で最大値が出るキャラクターです。
使い勝手・セッティングのイメージ
クリーン〜軽いクランチを“ブースト”
- GAIN:10〜12時
- LEVEL:12〜14時
まずはこの辺りで「弾きやすさ」と「前に出る感じ」を作るのが安全です。アンプがすでに明るい場合はLEVELを上げすぎず、音量感より“押し出し”の変化を狙うとまとまりやすいです。
歪みチャンネル前段のブースト
- GAIN:9〜11時
- LEVEL:14〜16時
GAINを控えめにして、LEVELで前段を押す使い方です。音の芯が出て、刻みの輪郭が立ちやすい。ローが膨らむ場合は、アンプ側の低域を少し引いて“タイトさ優先”にすると仕上がりが速いです。
ソロ用
- GAIN:12〜14時
- LEVEL:13〜15時
GAINを少し足してサステイン方向へ寄せます。抜けが足りない場合はLEVELを少し上げ、歪み量を増やしすぎない方が音像が太く残りやすいです。
すでに歪みペダルがあるボードで“もう一段”作る
- GAIN:9〜10時
- LEVEL:12〜14時
歪みは後段に任せ、YJM308は“質感と押し出し”だけ担当させる使い方です。2段構えにすると、ソロだけでなくバッキングでも輪郭が整い、結果的に音作りが安定します。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- 2ノブだから現場で迷わない
LEVELとGAINだけなので、スタジオやライブハウスで「時間がないのに音が決まらない」を避けやすいです。アンプを良い音にして、最後に“前へ出す”調整だけに集中できるのが強みです。 - ブーストODとして、ソロの“伸び”と“抜け”が作りやすい
音量だけを上げるのではなく、中域の押し出しと倍音で前に出しやすいキャラクター。バンド内でギターの居場所を作りたいときに、短時間で結果が出やすいタイプです。 - トゥルーバイパス+低消費電流でボードに組み込みやすい
オフ時の原音変化を抑えたい人にも合わせやすく、電源面の負担も小さめ。ボードの“常備薬”として入れやすい設計です。
注意しておきたいポイント
- トーンノブがない=音色はアンプ側の前提が大きい
ペダル側で高域/低域を追い込むことはできないので、アンプ(または後段)のEQが決まっていないと「思ったより刺さる/こもる」が起きやすいです。先にアンプで基準音を作り、最後にYJM308で押し出す順番が安定します。 - 単体で“分厚い歪み完結”を狙うと物足りないことがある
キャラクターはブーストOD寄りで、主戦場はアンプの前段(または歪みの前段)です。クリーンから1台で厚いディストーション級まで、という用途なら別タイプの歪みの方が近道です。 - LEVELを上げすぎると、出力先によってはローが崩れたり荒れやすい
前段を強く押すほど迫力は出ますが、アンプや後段のヘッドルーム次第で低域が暴れたり、輪郭が荒れることがあります。まずGAIN控えめ+LEVEL中程度から作り、必要な分だけ上げる方が破綻しにくいです。
機種の仕様
| メーカー | MXR |
| 製品名 | YJM308 Yngwie Malmsteen Overdrive |
| エフェクトタイプ | オーバードライブ |
| バイパス方式 | トゥルーバイパス |
| コントロール | LEVEL:出力レベル GAIN:歪み量 |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター/ライン入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 6 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:450 kΩ 出力インピーダンス:5 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:61 mm 前後 奥行:110 mm 前後 高さ:53 mm 前後 質量:約 310 g 前後(電池含む) |