ZOOM G2X FOUR は、ギター用マルチの「音作り・練習・持ち出し」を1台にまとめたフロア型プロセッサーです。マルチレイヤーIRを使ったアンプ/キャビ系の再現性を軸に、最大6エフェクト+1ペダルエフェクトの同時使用、80秒ルーパー、68種リズム、USBオーディオIF(2-in/2-out)まで搭載。さらにG2Xはエクスプレッションペダル付きなので、ボリュームスウェルやワウ、ピッチ、モジュレーション量のリアルタイム操作を“追加機材なし”で完結できます。高級機の全部盛りとは別ベクトルで、現場と練習の勝率を上げる「実務寄りの万能機」です。
[ZOOM] G2X FOUR|ペダマニレビュー
どんなペダル?
G2X FOUR は、ZOOMの現行系マルチとして「直出しでも成立するアンプ/キャビ感」と「足元運用の速さ」を両立させたモデルです。新しいポイントは、アンプモデルとキャビの組み合わせを“それっぽく聴かせる”だけでなく、弾いた時の追従感まで含めて作り込もうとしているところ。マルチレイヤーIRは、音量や弾き方のレンジでキャビの振る舞いが変わる方向に寄るため、ヘッドホンやFRFR、PA直でも「音が平面的で終わる」問題を回避しやすいのが狙いです。
基本の使い方は2つあります。
1つは「アンプ/キャビ込みで、G2Xを完成音としてPAやモニターへ出す」直出し運用。もう1つは「アンプ前に置いて、歪みや空間を中心に使う」ペダルボード運用です。どちらでも成立しますが、勝ちやすいのは“運用前提を先に決める”こと。直出しならアンプ/キャビの比重を高め、アンプ前ならアンプ系を薄くしてペダル的に使う、という整理ができると、音作りが速く終わります。
G2Xならではの価値は、エクスプレッションペダル込みで完結する点です。ボリューム、ワウ、ピッチ、モジュレーション深さ、ディレイMixなど、ライブ中に「手では触れない場所」を足元で握れるので、同じパッチでも表現幅を増やせます。結果として“パッチ数を増やしすぎない運用”がしやすく、現場で破綻しにくい設計です。
サウンドの特徴(直出しでも“アンプらしさ”を残しやすい)
G2X FOUR の音の核は、アンプ/キャビを含む音作りで「薄さ・硬さ」を感じにくい着地点を作りやすいことです。マルチは、単体で聴くと良くても、バンドや録音で“奥行きが足りない”になりがちですが、この機種はキャビ側の作り込みで空気感と輪郭を両立しやすい。特に、クリーン〜クランチの“基準音”を作っておくと、歪みは前段ODで押す、空間は薄く足す、最終の出力EQで会場に合わせる、という実戦的な流れに乗せやすいです。
同時使用が「最大6エフェクト+1ペダルエフェクト」なので、チェインを組む時は欲張りすぎない方が結果が出ます。コンプ→OD→AMP/CAB→MOD→DELAY→REVERB→(ペダルでワウ/Vol)のように、役割を固定しておくと、どこを触れば改善するかが明確になります。逆に、特殊系を盛りすぎると、音の狙いが散って“良いけど使えない”になりやすいので、基準パッチはシンプルに強い方が勝率は高いです。
また、G2Xは表現の作り方が上手いタイプです。音色を増やすより、ペダルで「曲中の変化」を作ると、パッチ切替の事故が減り、演奏の集中力も落ちません。ボリュームでクリーン寄りに戻す、ワウでピークを作る、ディレイMixを踏んでサビだけ広げる、といった“現場の動き”が作りやすいのが、音そのもの以上に効いてきます。
使い勝手・セッティングのイメージ
基準クリーン
・COMP:薄め(SUSTAIN 10〜12時)
・AMP/CAB:クリーン系(GAIN 10〜12時)
・EQ(出力側):LOW 11時 / MID 12時 / HIGH 12〜13時
・REVERB:MIX 9〜10時
直出しは“作り込みすぎない基準”が重要です。まずEQで全体を整え、空間は薄くが安定します。
王道クランチ
・OD:GAIN 10〜12時 / LEVEL 12〜13時
・AMP/CAB:クランチ系(GAIN 11〜13時)
・DELAY:MIX 9〜10時(必要な曲だけ)
歪みを増やすより、ミッドの位置とLEVELで“聴こえる場所”を作るとバンド内で安定します。
リードで一歩前へ
・BOOST(またはOD):GAIN 9〜11時 / LEVEL 13〜15時
・DELAY:TIME 11〜13時 / MIX 10〜11時
・REVERB:MIX 9〜10時
リードは歪みを盛りすぎると音程感が薄くなります。LEVELで前に出し、空間は薄く足す方が勝ちやすいです。
ペダル運用(同じパッチで曲中変化)
・EXP:通常=VOL、ソロ時=ワウ(またはディレイMIX増)
パッチを増やすより、ペダルで“変化”を作ると事故が減ります。特にライブはこの運用が効きます。
練習効率セット(リズム+ルーパー)
・RHYTHM:テンポ固定(曲に合わせる)
・LOOPER:短い1〜2小節から重ねる
録って聴く→直す、が早いので、音作りと演奏改善が同時に進みます。機材としての費用対効果が一気に上がる使い方です。
ペダマニ的「ここが魅力」
- エクスプレッション込みで“現場の動き”が作りやすい
G2Xは最初からペダル付きなので、ボリューム/ワウ/各種パラメータ操作を追加投資なしで実現できます。パッチ切替を減らしつつ表現を増やせるため、ライブでの事故率が下がります。 - 最大6+1の同時使用が、実戦チェインにちょうどいい
コンプ→OD→AMP/CAB→空間→最終EQといった“使うべき要素”を押さえつつ、盛りすぎて散らかる沼にも入りにくい。結果として、合奏で使える音に速く着地しやすいです。 - 練習機能が強く、買った日から回転率が上がる
ルーパーとリズムが内蔵されているので、音作りより先に“弾く回数”が増えます。地味ですが、上達と成果に直結するタイプの強みです。
注意しておきたいポイント
- 出力先の前提を決めないと、評価がブレやすい
アンプ入力/リターン/FRFR/PA/ヘッドホンで“正解のEQとキャビ設定”が変わります。最初に主戦場を決めて、その前提で基準パッチを作ると「思ってたのと違う」を避けやすいです。 - 全部盛りより、用途別の基準パッチが安定
同時使用数に余裕がある分、盛ると濁りやすくなります。クリーン基準/クランチ基準/リード基準のように役割で分け、ペダルで変化を作る方が現場で強いです。 - 編集や追加エフェクトは“管理の習慣”があると活きる
アプリ連携や追加エフェクトは便利ですが、増やすほど管理が必要になります。まずは標準の範囲で基準音を固めてから拡張すると、沼らずにメリットだけ取れます。
機種の仕様
| メーカー | ZOOM |
| 製品名 | G2X FOUR |
| エフェクトタイプ | ギター用マルチエフェクター/アンプモデリング内蔵 |
| 搭載モード | エクスプレッションペダル搭載 アンプ/キャビ(IR系) 各種エフェクト パッチ運用 チューナー等 専用ソフト「Guitar Lab」対応(エフェクト追加・管理) |
| コントロール | フットスイッチ:パッチ切替、バンク操作、エフェクトON/OFF割当 エクスプレッション・ペダル:ワウ/ボリューム等をリアルタイム操作 パラメーターノブ:選択中エフェクトの主要パラメーター操作 操作用ボタン:パッチ選択、エディット、保存系 |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン PHONES(ステレオミニ):ヘッドホン出力 AUX IN(ステレオミニ):外部音源入力 USB(Micro-B):Guitar Lab/オーディオインターフェース/ファーム更新 DC IN:9V AC アダプター用ジャック |
| 電源 | AC アダプター |
| 消費電流 | おおよそ 500 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:470 kΩ 出力インピーダンス:10 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:274 mm 前後 奥行:150 mm 前後 高さ:71 mm 前後 質量:約 951 g 前後 |