ZOOM G1 FOUR は、コンパクトなフロア型に「アンプ/キャビを含む70以上のエフェクト&アンプモデル」「最大5同時使用」「30秒ルーパー」「68種類のリズム」「クロマチックチューナー」をまとめた、実戦的な入門〜サブ機ポジションのマルチです。STOMP(個別ON/OFF)とPRESELECT(切替準備→決定)の2つのライブ向け操作モードを備え、家では練習効率を上げ、現場では“事故らない導線”を作りやすい設計。USBはGuitar Lab編集・管理に対応し、電源も単三×4/AC/USB給電と柔軟です。音作りに沼りすぎず、「必要な音を早く用意したい」人ほど恩恵が大きい1台です。
[ZOOM] G1 FOUR|ペダマニレビュー
どんなペダル?
G1 FOUR は“ギター用の小型マルチ”として、やりたいことの優先順位が明確です。巨大なフラッグシップ機のように「全部盛りで完結」ではなく、現場と練習で効く機能を、迷いにくい範囲でまとめたタイプ。最大のポイントは「最大5同時エフェクト」と「30秒ルーパー+リズム」の組み合わせで、音作りと練習の両方が“1台で止まらない”ことです。
操作面も実用寄りです。ライブを想定すると、パッチ切替は“踏んだ瞬間に音が変わる”だけが正解ではありません。PRESELECTモードは「次に行く音を選んでおいて、決定で切り替える」運用ができるので、切替事故を減らしやすい。逆にSTOMPモードでは、マルチを“複数ペダルの集合体”として扱えて、個別エフェクトのON/OFFを足元で切り替える導線が作れます。ここが「練習用おもちゃ」で終わらず、現場で“使えるマルチ”として残る理由です。
また、AUX IN(外部プレイヤー入力)を備えるので、スマホやプレイヤーの音源に合わせて練習しやすいのも地味に強い。自宅練習で“音出すまでが遅い”機材は結局使わなくなるので、G1 FOUR はそこを短縮できる設計です。
サウンドの特徴(過不足のない質感を、短いチェインで素早く作れる)
G1 FOUR の音作りで勝ちやすい考え方は、「最大5同時」を“制限”ではなく“設計枠”として使うことです。マルチの音が散らかる原因は、エフェクトを足し算しすぎて、最終的にどこが効いているのか分からなくなること。G1 FOUR は最初から枠が明確なので、定番チェイン(例:コンプ→OD→アンプ→空間→最終EQ)に寄せるだけで、音がまとまりやすいです。
アンプ/キャビを含むモデル群は、目的別に使い分けると効率が上がります。クリーン〜クランチを“基準音”にしておくと、曲中の変化はODやブーストで作れて、パッチ管理が簡単になります。歪みを作り込む場合も、アンプ側の歪みを盛りすぎるより、前段ODで押す(中域の芯を作る)方がバンド内で輪郭が残りやすい。ここはハイエンド機でも基本は同じで、G1 FOUR はその基本を守りやすい構造です。
空間系は「かけた瞬間は気持ちいいが、合奏で邪魔になりやすい」代表格です。G1 FOUR では、リズムやルーパーで“実際に弾きながら”調整できるので、過剰にしない着地点を作りやすい。結果として、単体で鳴らして作った音より、合奏や録音で使える音に寄せやすいのが実務的メリットです。
使い勝手・セッティングのイメージ
基準クリーン
・COMP:SUSTAIN 10〜12時/LEVEL 12時
・AMP(クリーン系):GAIN 10〜12時/BASS 11時/MID 12時/TREBLE 12〜13時
・CHORUS:DEPTH 10〜12時/MIX 9〜10時
・DELAY:TIME 10〜12時/FEEDBACK 9〜10時/MIX 9〜10時
“薄く整えて、弾きやすくする”方向。まずここを作ると、他の音色も作るのが速いです。
王道クランチ
・OD:GAIN 10〜12時/TONE 11〜13時/LEVEL 12時
・AMP(クランチ系):GAIN 11〜13時/MID 12〜13時
・EQ(最後段):LOW 11時/HIGH 12時(必要なら)
歪み量は盛りすぎず、MIDで前に出すとバンド内で安定します。
リードで一歩前へ
・BOOST or OD:GAIN 9〜11時/LEVEL 13〜15時
・DELAY:TIME 11〜13時/MIX 10〜11時
・REVERB:MIX 9〜10時
歪みを増やすより、レベルで前へ出す方が輪郭が残ります。空間は薄めが勝ちやすいです。
アンビエント寄り
・MOD(揺れ系):DEPTH 10〜12時
・DELAY:TIME 13〜15時/FEEDBACK 11〜13時/MIX 10〜12時
・REVERB:DECAY 12〜14時/MIX 10〜12時
濁る場合は、MIXを下げるより先にFEEDBACKを抑えると、輪郭が戻りやすいです。
練習効率セット(リズム+ルーパー)
・RHYTHM:テンポ固定(曲に合わせる)
・LOOPER:まずは短い1〜2小節から
“録って聴く”が最短で回せるので、音作りより先に演奏の精度が上がる使い方です。地味ですが、一番リターンが大きい運用です。
ペダマニ的「ここが魅力」
- 最大5同時が“迷い止め”になり、音がまとまりやすい
マルチは足し算で散らかるのが典型ですが、G1 FOUR は枠が明確なので定番チェインに着地しやすいです。結果として、合奏で使える音に早く辿り着けます。 - STOMP/PRESELECTの2モードで、現場の切替事故を減らせる
個別ON/OFFでペダル的に使うか、次パッチを選んでから切替するかを選べます。どちらも“ライブで困る瞬間”に効く設計で、練習用で終わりにくいのが強みです。 - 30秒ルーパー+68リズムで、練習がそのまま音作りになる
音色の良し悪しは、単体試奏より“実際に弾いた時の収まり”で決まります。ルーパーとリズムがあることで、過不足のない着地点を作りやすいのが実務的です。
注意しておきたいポイント
- USBは編集・管理向けで、録音IF用途の期待は分けておく
USBはGuitar Lab接続や電源供給に強い一方で、録音インターフェースとして完結させたい人は別途IFの導入を前提に考える方が安全です。 - “全部を1パッチで”より、用途別に基準パッチを作った方が安定
5同時は実戦的ですが、欲張ると空間や歪みが濁りやすくなります。クリーン基準/クランチ基準/リード基準のように役割で分けると、現場での再現性が上がります。 - 出力先で最適解が変わるので、最初に前提を固定すると勝ち
アンプ入力/リターン/ヘッドホン/ラインなどで“正解のEQ”が変わります。最初に主戦場の出力先を決めて、その前提で基準パッチを作ると「思ってたのと違う」を避けやすいです。
機種の仕様
| メーカー | ZOOM |
| 製品名 | G1 FOUR |
| エフェクトタイプ | ギター用マルチエフェクター/アンプモデリング内蔵 |
| 搭載モード | ルーパー搭載(最長30秒) リズムマシン搭載(68パターン) 専用ソフト「Guitar Lab」対応(エフェクト追加・管理) |
| コントロール | フットスイッチ×2:パッチ切替、タップテンポ等の割当 エクスプレッション・ペダル:ワウ/ボリューム等をリアルタイム操作 パラメーターノブ×4:選択中エフェクトの主要パラメーター操作 操作用ボタン:メニュー操作、リズム/ルーパー等の呼び出し・操作 |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(ライン/ヘッドホン出力兼用) AUX IN(ステレオミニ):外部音源入力 USB(Micro-B):Guitar Lab/ファーム更新 DC IN:9V AC アダプター用ジャック |
| 電源 | 単3電池×4 AC アダプター USBバスパワー |
| 消費電流 | おおよそ 500 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:470 kΩ 出力インピーダンス:10 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:130 mm 前後 奥行:156 mm 前後 高さ:42 mm 前後 質量:約 340 g 前後 |