Joyo ULTIMATE DRIVE JF-02 は、オーバードライブとディストーションの中間にある“押し出しの強いドライブ感”を、シンプルな3ノブ+LOW/HIGHスイッチにまとめた定番ペダルです。中低域に芯が残りやすく、リフでは太さ、コードでは輪郭、リードでは粘りを作りやすいのが魅力。ローコスト帯でも「ちゃんと現場で使える歪み」を狙いやすく、ボードの“基準ドライブ”として置いておくと便利な1台です。
[Joyo] ULTIMATE DRIVE JF-02|ペダマニレビュー
どんなペダル?
ULTIMATE DRIVE JF-02 は、いわゆる“OCD系”のキャラクターを手軽に持ち込みたいときに頼れるドライブです。操作は GAIN/TONE/LEVEL の3ノブが基本で、ここに LOW/HIGH スイッチが加わる構成。複雑なEQや多段スイッチで迷わせるタイプではなく、「歪みの土台を作って、現場で素早く整える」用途に寄っています。
音の方向性は、ローミッドの押し出しと、ピッキングに対する追従感(弾き方で歪みが動く感じ)が出しやすいタイプ。クランチ~ドライブの“太さ”を作りやすく、アンプがクリーン寄りでも、それなりに前へ出る基準点が作れます。逆に、極端にローが暴れる系ではないので、バンドの中で「重いのに聞こえない」事故が起きにくいのも実務的です。
LOW/HIGH スイッチは、歪みの質感・押し出し方を変える要素として使えます。常用するのはどちらか片方でもOKで、曲やギターを変えたときに“もう一段だけ寄せたい”場面で効きます。結果として、1台で「リフ寄り」「抜け寄り」の両方に寄せやすく、歪み枠の省スペース化にも向きます。
サウンドの特徴(ローミッドの芯で“前に出る”ドライブ)
JF-02 の核は、歪みを深くしてもローミッドの芯が残りやすく、音像が前に出やすいことです。いわゆる“粒が細かいハイゲイン”というより、ピッキングのアタックと密度で押す方向。バッキングではコードが団子になりにくく、リフでは弦の振動感が残りやすいので、バンド内でギターの居場所を作りやすいです。
GAIN は上げるほど飽和してコンプレッション感が出ますが、やみくもに上げるより「アンプの歪み量」と合わせて決める方が安定します。アンプがクリーンならGAINは12〜14時あたりから、すでにクランチがあるアンプならGAINを下げて“押し込み用の歪み”にすると、輪郭が残りやすい。特にライブやスタジオでは、歪みを足すより“抜けと輪郭を作る”方が結果が出ることが多いので、このペダルはその狙いに合います。
TONE は高域のエッジと抜けを整える要。上げるとアタックが前に出ますが、上げすぎると耳に刺さる方向へ寄るので、まずは12時近辺を基準にして、必要な分だけ足すのが安全です。LOW/HIGH スイッチは、同じノブ位置でも歪みの張りや押し出しの感じが変わり、曲中の役割に合わせて“あと半歩”を作れます。音作りの迷子を減らしつつ、実戦での調整幅を確保しているのがJF-02らしさです。
使い勝手・セッティングのイメージ
王道クランチ
- GAIN:10〜12時
- TONE:11〜13時
- LEVEL:原音と同じ〜少し上
クリーン寄りのアンプに“歪みの土台”を作る設定です。まずLEVELを整えてからGAINを足すと、音量差で判断を誤りにくいです。
リフ向きドライブ
- GAIN:12〜14時
- TONE:10〜12時
- LEVEL:原音より少し上
ローミッドの芯を活かして、面で押す方向。バンドでローが膨らむなら、TONEを少し上げるより先にアンプ側のローやロー・ミッドを整理すると輪郭が戻りやすいです。
抜けるリード
- GAIN:11〜13時
- TONE:12〜14時
- LEVEL:バンド内で一歩前に出る程度
リードはGAINを盛りすぎるより、TONEとLEVELで前に出す方が輪郭が残ります。伸びが欲しい場合は、GAINを少し足すより、LEVELを少し上げた方が“歌いやすい”ことが多いです。
アンプ歪みの前段ブースト
- GAIN:9〜11時
- TONE:11〜13時
- LEVEL:しっかり上げる(音量は要調整)
アンプの歪みを主役にして、ペダルは“押し込み+整音”に寄せる使い方です。バンド内で埋もれるときほど、この運用が強いです。
ペダマニ的「ここが魅力」
- ローミッドの芯が残るから、バンドで“聞こえる歪み”に着地しやすい
単体で派手に聴こえる歪みより、合奏で前に出る歪みの方が結局使えます。JF-02は芯が残りやすく、リフもコードも埋もれにくい基準音を作りやすいのが強みです。 - 3ノブ+LOW/HIGHで迷子になりにくく、現場調整が速い
歪みはノブが多いほど調整が難しくなりがちですが、本機は触るべき場所が明確です。LOW/HIGHで“あと半歩”を作れるので、会場やアンプが変わっても着地点を作りやすいです。 - 価格帯以上に“実戦の基準ドライブ”として成立しやすい
歪み枠は結局、使用頻度が高いものが勝ちます。JF-02はスイッチ一つで方向性を寄せられ、クランチ~ドライブの主戦場で手早く使えるのが実務的です。
注意しておきたいポイント
- GAINを上げすぎると、音像が太くなる分“輪郭の整理”が必要になる
歪み量を欲張ると気持ちよくなりますが、バンドではローの滞留やアタックの埋もれが出ることがあります。GAINは必要量に留め、LEVELとTONEで前に出す方が結果が安定します。 - TONEは環境依存が出やすいので、12時基準で詰めるのが安全
明るいアンプやシングルコイルでは刺さりやすく、暗い環境では抜け不足になりがちです。まず12時付近から始めて、曲と会場に合わせて少しずつ寄せると失敗が減ります。 - LOW/HIGHの“正解”は固定しない方が運用が楽
ギター・アンプ・曲の役割で適正が変わります。片方を常用しつつ、もう片方を「会場での微調整用」「曲の切替用」として持っておくと、1台での対応力が上がります。
機種の仕様
| メーカー | Joyo |
| 製品名 | ULTIMATE DRIVE JF-02 |
| エフェクトタイプ | オーバードライブ/ディストーション |
| バイパス方式 | トゥルーバイパス |
| コントロール | GAIN:歪み量 TONE:トーン調整(高域の抜け/エッジ) LEVEL:出力レベル LOW/HIGH:歪みのキャラクター切替 |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/ミキサー/IFへ) DC IN:9V AC アダプター用ジャック |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター |
| 消費電流 | おおよそ 6 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:72 mm 前後 奥行:120 mm 前後 高さ:55 mm 前後 質量:約 290 g 前後 |