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[Ibanez] Analog Delay MINI|レビュー:AD9直系の温かいBBDディレイを“ボードの隙間”に入れられる小型アナログ

Ibanez Analog Delay MINI(ADMINI)は、往年のAD9系統のキャラクターを、ミニ筐体に凝縮したフルアナログ・ディレイです。ディレイタイムは20ms〜600msと実戦的な幅を確保しつつ、操作は Delay Time/Repeat/Blend の3ノブだけ。トゥルーバイパスでオフ時の信号経路も素直なので、「アナログディレイを常備したいが、ボードのスペースが足りない」を現実的に解決してくれます。テープ風の癖付けというより、BBDならではの“丸い反復”で演奏を支えるタイプ。派手さより“曲で使える温かさ”を重視する人に向いた1台です。

[Ibanez] Analog Delay MINI|ペダマニレビュー

どんなペダル?

Analog Delay MINI は、アナログディレイの良さを「必要最低限で、すぐ使える形」にしたモデルです。ミニ筐体ながらフルアナログ回路(BBD系の温かい反復)を採用し、20ms〜600msのディレイタイムをカバー。スラップバックから、薄くかける常時オン系、曲のテンポに寄せた中距離ディレイまで、ライブでも宅録でも“困らない距離”を押さえています。

コントロールは3つだけで、音作りが迷子になりにくいのが最大の実務メリットです。Delay Time は遅延時間、Repeat は繰り返し回数(フィードバック量)、Blend は原音とリピートの混ざり具合(ミックス)を決めます。アナログディレイは、設定を攻めるほどリピートが暗く潰れていく方向に寄りやすいですが、それが「後ろで支える」「邪魔しにくい」強みにもなる。AD MINIはまさにその“使いやすいアナログの都合の良さ”を、手早く持ち運ぶための機材です。

注意点としては、タップテンポやプリセット、モジュレーションなどの追加機能はありません。逆に言えば「ディレイはこれで十分。むしろ増えると迷う」という人にとって、現場で強い割り切りになっています。

サウンドの特徴(原音を邪魔しにくい、温かく馴染むリピート)

AD MINIの核は、リピートが前に出すぎず、バンド内で“後ろに座る”ことです。デジタルディレイのような輪郭の強い反復ではなく、繰り返すほど少しずつ丸まり、自然に奥へ引っ込む質感になりやすい。これが、ボーカルやリードの邪魔をしにくく、結果として「常時オンでも成立する」使い方に向きます。

特に相性が良いのは、クランチ〜軽い歪みのバッキングと、歌わせる単音リード。Blendを控えめにして“存在を感じるか感じないか”のラインで入れると、音像に厚みと奥行きが足されます。逆に、リズムを刻む付点ディレイのように「粒立ちを見せたい」用途では、アナログの丸さが好みを分けます。その場合は、Repeatを抑えて反復の濁りを減らし、Blendを上げすぎない方がリズムが崩れにくいです。

また、アナログディレイは設定を攻めると自己発振(発振寸前のうねり)に入りやすい傾向があります。AD MINIもRepeatを高めると“戻ってくる音が増幅していく”方向に寄るので、演出としては強力。ただし通常運用でやりすぎると曲を壊します。ここは「攻めるなら攻める用の定位置を決める」が勝ち筋です。

使い勝手・セッティングのイメージ

スラップバック

  • Delay Time:9〜10時
  • Repeat:9〜10時
  • Blend:10〜11時

短い反射で“芯はそのまま、存在感だけ増える”設定。歪み前でも後でも成立しやすく、迷ったらこれが基準になります。

常時オンの薄味アナログ

  • Delay Time:10〜12時
  • Repeat:9〜11時
  • Blend:9〜10時

リピートを目立たせず、空間の膜だけ作る方向。バンド内で邪魔になりにくいので、スタジオで“とりあえず入れておく”用途に強いです。

歌うリード

  • Delay Time:12〜14時
  • Repeat:11〜13時
  • Blend:10〜12時

単音の後ろに温かい反復がついてくる定番。抜けが欲しい場面ではBlendを上げるより、Repeatを少しだけ増やす方が自然に前へ出ます。

リズムディレイ寄り

  • Delay Time:13〜15時
  • Repeat:10〜12時
  • Blend:10〜11時

アナログでも“リズムを見せる”方向。Repeatを上げすぎると反復が溶けてリズムが崩れやすいので、回数は控えめが安定です。テンポが速い曲はディレイタイムが足りない場合があるので、曲側に合わせて短めに割り切ると破綻しません。

発振寸前の演出

  • Delay Time:好み(12〜15時あたりから)
  • Repeat:15時〜最大付近
  • Blend:12時前後

曲中で多用するより、アウトロやつなぎの演出として使うと美味しいです。戻す位置(Repeatの安全圏)を決めておくと事故が減ります。

ペダマニ的「ここが魅力!」

  • AD9系の旨味を“ボードの隙間”に入れられる
    アナログディレイの温かさは欲しいが、サイズで諦めがちな枠です。ADMINIはミニ筐体でその枠を取り返せるので、結果としてボードの完成度が上がります。
  • 3ノブだけで決まる=現場で迷子になりにくい
    Delay Time/Repeat/Blendの王道操作だけなので、会場やスタジオで「どこを触れば直るか」が明確です。ディレイは沼りやすいからこそ、シンプルさが武器になります。
  • アナログ反復が“邪魔しにくい”ので常時オン運用に強い
    輪郭が強すぎないリピートは、バッキングや歌モノで特に効きます。派手に聴かせるより、演奏全体の質感を底上げしたい人に向きます。

注意しておきたいポイント

  • タップテンポ/プリセット無しなので“曲テンポ完全追従”は割り切りが必要
    付点ディレイなどテンポ依存の運用は、曲ごとにノブ位置を決める必要があります。逆に、常時オンの薄味ディレイ主体なら、これがシンプルで強いです。
  • アナログらしく、繰り返すほど丸まりやすい(粒立ち重視派は好みが分かれる)
    輪郭の立ったリピートを主役にしたい場合は、デジタル系の方が楽なことがあります。本機は「後ろで支える」「馴染ませる」方向で評価が上がります。
  • Repeat上げすぎは自己発振で破綻しやすい
    演出としては魅力ですが、通常運用では事故要因にもなります。発振遊びをするなら“戻す位置(安全圏)”を決めておくと現場で強いです。

機種の仕様

メーカーIbanez
製品名AD MINI(Analog Delay)
エフェクトタイプディレイ(アナログ)
コントロールDelay Time:ディレイタイム調整(20ms〜600ms)
Repeat:繰り返し回数/フィードバック量
Blend:原音とリピートのミックス量
接続端子INPUT:標準フォーン(ギター入力)
OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ)
DC IN:9V AC アダプター用ジャック(センターマイナス)
電源※電池使用不可
AC アダプター(センターマイナス)
消費電流おおよそ 23 mA(DC 9V 時)
外形寸法・重量(目安)幅:51 mm 前後
奥行:93 mm 前後
高さ:56 mm 前後
質量:約 288 g 前後(電池含む)

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