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[DSM & Humboldt] Simplifier MKII|レビュー:アナログ直出しを“現場仕様”に整えるゼロワットAMP

DSM & Humboldt Simplifier MKII は、アナログのプリアンプ/パワーアンプフィールとキャビネットシミュを1台にまとめた“直出しの基準機”です。MS Brit/USA/AC Brit の3系統プリアンプに加え、パワーアンプ側のドライブ(コンプ感)やPresence/Resonanceまで追い込めるため、PAやオーディオIFに投げても「薄い・硬い」を作りにくいのが強み。さらにモノSEND+ステレオRETURNのループとステレオ・デジタルプレートリバーブを内蔵し、ボード全体を“完成音”へまとめる出口として実戦力が高い1台です。

[DSM & Humboldt] Simplifier MKII|ペダマニレビュー

どんなペダル?

Simplifier MKII は「アンプを持ち歩かない」ための代用品というより、ボード側に“アンプの出口”を固定して運用を安定させるための機材です。プリアンプ(3タイプ)→パワーアンプ挙動(Power Drive/Presence/Resonance)→キャビネットシミュ(左右独立)までが、ツマミとスイッチで即決できる構造。メニュー操作やIR管理が前提の機材とは思想が違い、現場での調整スピードと再現性を重視した設計になっています。

接続も実戦的で、DI(XLR)でPAへ完成音を送るのが基本線。さらにアンバランスOUT側には「右=キャビバイパス」「左=全体スルー(入力バッファ)」といった逃げ道が用意されているので、トラブル時の切り分けやアンプ併用のルーティングも組みやすいです。加えて、モノSEND→ステレオRETURNのループを使えば、ディレイ/リバーブ系を後段にまとめて“ステレオの立体感”を作れるのがMKIIらしい強みです。

サウンドの特徴(直出しが“平面化”しにくいアナログの押し出し)

Simplifier MKII の良さは、直出しで起こりがちな「音が細い」「弾き心地が平面になる」を避けやすい点です。プリアンプのGAINだけで歪みを作るのではなく、Power Driveでパワーアンプ側のコンプ感や粘りを足せるため、アタックが丸くなりつつ芯は残る“アンプっぽい落とし所”に持っていきやすい。音量を上げなくても前に出る質感を作れるので、バンド内でのポジション取りが速いです。

プリアンプはMS Brit/USA/AC Brit の3キャラで、方向性が分かりやすいのも実務的。USAは録り音の基準点になりやすく、MS Britは中域の押し出しが作りやすい。AC Britはキラッとした立ち上がりと立体感が出やすく、カッティングやアルペジオで映えます。さらにキャビ側はL/R独立でCab Type(1×12/2×12/4×12)とSpeaker Color(BLACK〜BLUE〜GREENの連続可変)を追い込めるため、同じプリでも“出口の質感”を短時間で合わせられます。

内蔵リバーブはステレオ・デジタルプレートで、直出しの乾きすぎ問題を最短で解決しやすいタイプ。深くかけるより、薄く足して「空気の層」だけ作る運用がハマりやすいです。

使い勝手・セッティングのイメージ

PA/IFへDIで完成音を送るのか、アンプのReturnと併用するのかで、正解の調整が変わります。迷いが出る人ほど「DIで完成させる」を主戦場にして、Presence/Resonanceで会場差を微調整する方が事故が減ります。

基準クリーン〜ペダル前提の土台(USA)

  • PREAMP TYPE:USA
  • GAIN:10〜12時
  • POWER TYPE:USA
  • POWER DRIVE:11〜13時
  • BASS:11〜12時
  • MID:12時
  • TREBLE:12〜13時
  • PRESENCE:11〜12時
  • RESONANCE:11〜12時
  • CAB TYPE(L/R):2×12
  • SPEAKER COLOR(L/R):BLACK〜BLUEの中間
  • REVERB:9〜10時

録り/直出しの基準点。まずここを作っておくと、前段OD/DSのキャラが乗りやすく、手戻りが減ります。

ロックの押し出し台座(MS Brit)

  • PREAMP TYPE:MS Brit
  • GAIN:9〜11時
  • POWER TYPE:MS Brit
  • POWER DRIVE:12〜14時
  • MID:13時前後
  • PRESENCE:12〜13時
  • RESONANCE:10〜12時
  • CAB TYPE(L/R):4×12
  • SPEAKER COLOR(L/R):GREEN寄り
  • REVERB:0〜9時

“歪みは前段で作る”運用ほど強い設定。MIDで居場所を作り、PRESENCEで抜けを整えると早いです。

きらっと立つコード/アルペジオ(AC Brit)

  • PREAMP TYPE:AC Brit
  • GAIN:9〜10時
  • POWER TYPE:AC Brit
  • POWER DRIVE:10〜12時
  • BASS:10〜11時
  • TREBLE:12〜14時
  • PRESENCE:11〜13時(AC Brit時はハイカット的に効くので刺さり対策に使う)
  • CAB TYPE(L/R):1×12(片側だけ2×12も有効)
  • SPEAKER COLOR(L/R):BLUE寄り
  • REVERB:9〜11時

“明るいけど痛くない”方向に寄せやすい組み合わせ。PRESENCEとSPEAKER COLORで高域の当たりを整えるのがコツです。

ループ後段でステレオを作る(モノSEND→ステレオRETURN活用)

  • LEVEL:12時(まずユニティ基準)
  • ループ:ディレイ/リバーブ/モジュレーションを後段へ
  • RETURN:ステレオで戻す

歪みの芯を保ったまま立体感を足せるので、直出しの満足度が上がりやすいです。ループ機材がクリップする場合はLEVELを下げて整えます。

ペダマニ的「ここが魅力!」

  • 直出しの“基準点”をボードに固定できる
    DIで完成音を送れるうえ、Power DriveとPresence/Resonanceで弾き心地と押し出しを整えられるため、PA/FRFR/IFでの「薄い・硬い」を作りにくいです。会場が変わっても微調整で着地しやすく、音作りの手戻りを減らせます。
  • 左右独立キャビ+Speaker Colorで、出口の追い込みが速い
    L/RでCab Typeを変えたり、Speaker Colorで質感を寄せたりできるので、ステレオ運用でも芯が残りやすいです。モノ運用でも“抜け”と“太さ”の落とし所が短時間で作れ、現場での勝率が上がります。
  • モノSEND→ステレオRETURNのループが実戦的
    空間系を後段にまとめてステレオで戻せるため、歪みの輪郭を崩さずに奥行きだけ足せます。「音は大きくないのに聴こえる」状態を作りやすく、ライブでも録りでも効きます。

注意しておきたいポイント

  • フットスイッチで音色を踏み分ける機材ではない
    基本は“常時ONの出口”として使う設計です。曲中で多彩に切り替えたい場合は、前段の歪みやスイッチャーで音色設計を組んだ方が現場が安定します。
  • DI運用はファンタム電源の扱いが重要
    DIアウトはファンタム電源に耐性はありますが、ONのままだと低域が歪む/痩せるなど音質へ影響が出る可能性があります。会場では「ファンタムOFF」を先に確認しておくのが安全です。
  • 出口が変わると最適解も変わるので、主戦場を決めると勝てる
    PA/IF/ヘッドホン/アンプ併用など選択肢が多いぶん、同じつまみ位置で全部を賄うと迷子になりがちです。まずは“最優先の出力先”で基準セッティングを完成させ、他は微調整で対応する方が結果的に速いです。

機種の仕様

メーカーDSM & Humboldt
製品名Simplifier MKII
エフェクトタイププリアンプ/アンプシミュレーター(アナログ)+キャビネットシミュレーター+リバーブ
バイパス方式アンバランスL側「THROUGH」スイッチで入力バッファのスルー出し、アンバランスR側「Cabsim Bypass」スイッチでキャビネットシミュのバイパスが可能
コントロールGAIN:プリアンプの歪み量
PREAMP TYPE:プリアンプタイプ切替(MS Brit/USA/AC Brit)
BASS:低域調整
MID:中域調整(※AC Britプリ使用時は無効)
TREBLE:高域調整
POWER TYPE:パワーアンプタイプ切替(AC Brit/USA/MS Brit)
POWER DRIVE:パワーアンプ側のドライブ/コンプ感(クリップインジケーターで目安確認)
PRESENCE:高域の押し出し(※AC Britパワー時はハイカット的挙動)
RESONANCE:低域の張り/量感(PA/FRFRでのブーミー対策に有効)
LEVEL:最終レベル(FXループへ送るレベル)
REVERB:ステレオ・デジタルプレートリバーブのミックス量
CAB TYPE L/R:キャビタイプ切替(1×12/2×12/4×12)
SPEAKER COLOR L/R:スピーカーキャラクター(BLACK〜BLUE〜GREENを連続可変)
GROUND LIFT:DI出力のグラウンドリフト
接続端子INPUT:標準フォーン(入力)
FX SEND:標準フォーンTS(モノSEND)
FX RETURN R:標準フォーン(ステレオRETURN右、未接続時はR信号をLへサミング)
FX RETURN L:標準フォーン(ステレオRETURN左、Lのみ使用時はRは影響なし)
BALANCED DI OUT L/R:XLR(左右バランスDI、キャビシミュ常時ON)
UNBALANCED OUT R:標準フォーンTS(右アンバランス、キャビバイパス可)
UNBALANCED OUT L:標準フォーンTS(左アンバランス、THROUGHで入力バッファ出力可)
AUX IN:ステレオAUX入力
PHONES:ステレオミニ(ヘッドホン出力)
DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス)
電源AC アダプター(センターマイナス)
消費電流おおよそ 150 mA(DC 9V 時)
入出力レベル/インピーダンス入力インピーダンス:1 MΩ
出力インピーダンス:100 Ω
外形寸法・重量(目安)幅:120 mm 前後
奥行:70 mm 前後
高さ:45 mm 前後
質量:約 360 g 前後

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[DSM & Humboldt] Simplifier MKII

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