Ego Mini Compressor(Mini Ego)は、コンプレッサーの定番要素である「音量差の整音」と「サステインの付与」を、ボードに優しいミニサイズで実用化したモデルです。ポイントはBLEND(原音ミックス)で、いわゆる“コンプ感が強すぎる潰れ”を回避しながら、必要な分だけ押し出しとまとまりを作れること。さらにTONE/ATTACKはスイッチ式で、現場で迷いがちな「明るさ」「立ち上がり」の方向性を即決できます。常時ONの整音から、カントリー系の歯切れ、リードの伸びまで、仕事の幅が広い1台です。
[Wampler] Ego Mini Compressor|ペダマニレビュー
どんなペダル?
Ego Miniは、“音が良くなるのにやり過ぎない”方向で使いやすいコンプレッサーです。基本操作は、SUSTAINで圧縮量(伸びと潰れ)を決め、VOLUMEで最終出力を合わせ、BLENDで原音と圧縮音の割合を調整します。ここまでは王道ですが、Ego Miniが現場向きなのは「BLENDが最初から前提にある」こと。コンプにありがちな“アタックが消えて気持ちよさが減る”問題を、原音ミックスで解決しやすい設計です。
さらに、ATTACKスイッチでアタックの速さを切り替えられます。速い側はトランジェントを抑えて粒を揃える方向、遅い側はピッキングの頭を残して自然に整える方向。TONEスイッチは、通常/明るめ(ブライト)を即決でき、機材や会場で高域が埋もれる/逆に刺さる、といった差を短時間で詰めやすいのが実務的です。
サイズはミニ筐体で、トップジャック運用もしやすい寸法感。電池は使えず、9〜18V DCのアダプター運用前提なので、ボード電源の計画は最初に固めておくのがおすすめです。
サウンドの特徴(原音を残したまま“押し出し”が作れる)
Ego Miniの肝は、圧縮の効き方が「コンプをかけた感」より先に「演奏が整った感」として出やすい点です。BLENDを原音多めにしておけば、ピッキングのニュアンスや弦の“触感”を残しつつ、音量の山谷だけが均されていきます。結果として、クリーンのカッティングやアルペジオが揃い、バンドの中での輪郭が安定します。コンプ初心者がつまずきがちな“潰れすぎ問題”を、運用で回避しやすいのは大きなメリットです。
SUSTAINを上げていくと、サステインと密度が増え、音が前に出てきます。ここで注意したいのがノイズフロア。コンプは構造的に小さい音も持ち上げるため、SUSTAINを上げるほどノイズも目立ちやすい。Ego MiniはBLENDがあるので「SUSTAINは上げるが、原音も混ぜて不自然さを抑える」という現実的な落とし所が作れます。歪みの前段に置いて“粒立ちを揃える”、後段に置いて“全体を均す”のどちらでも役割を持てますが、まずは歪みの前で“弾きムラ補正”として使うと効果が分かりやすいです。
TONEスイッチは、単に明るくするためというより「コンプで丸くなりがちな高域を、必要なぶんだけ戻す」ために効きます。特にハムバッカー+クリーン、または暗めのアンプで“抜けが足りない”時に有効です。
使い勝手・セッティングのイメージ
常時ONのナチュラル整音
- SUSTAIN:9〜11時
- BLEND:11〜13時(原音多め)
- VOLUME:原音と同じ(ユニティ)
- ATTACK:遅い側(自然さ優先)
- TONE:通常
弾きムラだけ整えて、手触りを残す設定です。コンプの“存在感”を出すより、アンサンブルの安定を狙います。
ファンク/カッティングの粒立ち
- SUSTAIN:10〜12時
- BLEND:12〜14時
- VOLUME:原音と同じ〜少し上
- ATTACK:速い側(粒を揃える)
- TONE:必要ならブライト
アタックのばらつきを抑えて、リズムの芯を揃える方向。抜けが欲しい時だけTONEをブライトに寄せると事故りにくいです。
カントリー系“歯切れ+伸び”
- SUSTAIN:12〜14時
- BLEND:13〜15時(コンプ多め)
- VOLUME:バンド内で少し前
- ATTACK:速い側
- TONE:通常〜ブライト
いわゆる“チキンピッキング寄り”の反応が作りやすい設定です。SUSTAINを上げた分、BLENDで原音も残すと硬さが出にくいです。
歪み前の引き締め
- SUSTAIN:9〜11時
- BLEND:11〜13時
- VOLUME:原音と同じ
- ATTACK:遅い側
歪みの前に置く場合、SUSTAINを上げすぎるとノイズも増えやすいので、まずは“薄く整える”が安定です。歪み量を増やしたいなら、VOLUMEを少し上げてプッシュする方が狙いが明確になります。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- BLENDで“潰れすぎ”を回避しながら整音できる
コンプの効果は欲しいのに、アタックが死んで弾き心地が落ちるのは避けたい。Ego Miniは原音ミックス前提なので、音量差だけ整えて、ニュアンスは残すという実戦的な落とし所を作りやすいです。 - スイッチ式TONE/ATTACKで、現場の調整が速い
会場やアンプで「もう少し抜けが欲しい」「粒を揃えたい」を、ノブ沼に入らず方向性で即決できます。短時間で“使える状態”に持っていけるのは、ボード運用ではかなり大きいです。 - ミニサイズでも“常時ON枠”として成立する完成度
コンプは小型化で妥協が出やすいジャンルですが、Ego Miniは整音用途から演出用途まで守備範囲が広い。結果として「外せない1台」になりやすいタイプです。
注意しておきたいポイント
- SUSTAINを上げるほど、ノイズも持ち上がりやすい
コンプは仕組み上、静かな成分も一緒に持ち上がります。まずはSUSTAIN控えめ+BLEND原音寄りで基準を作り、必要な場面だけ圧縮量を増やす運用が安定します。 - 電池は使えないので、電源計画が前提
9〜18V DCのアダプター運用専用です。ボード電源の空き口や供給方式(センターマイナス、容量)を先に確保しておくと、導入後の手戻りが減ります。 - 後段の歪み・EQで“効き方の印象”が変わる
コンプは後段の歪み量やEQの設定で、締まり・押し出しの体感が変わります。単体で作り込みすぎず、ボード全体の中でVOLUMEとBLENDを微調整する方が完成度が上がりやすいです。
機種の仕様
| メーカー | Wampler |
| 製品名 | Mini Ego Compressor |
| エフェクトタイプ | コンプレッサー(トゥルーバイパス) |
| コントロール | VOLUME:出力レベル(ユニティ〜ブーストまで調整) SUSTAIN:圧縮量/サステイン量(上げるほど効きが強く、伸びが増える) BLEND:原音と圧縮音のミックス(左で原音寄り、右でコンプ寄り) ATTACK(スイッチ):アタック速度切替(速い=粒を揃える/遅い=自然さ優先) TONE(スイッチ):音色切替(通常/ブライト) |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター/ライン入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 14 mA(DC 9V 時) |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:38 mm 前後 奥行:89 mm 前後 高さ:38 mm 前後 質量:約 170 g 前後(電池含む) |