BOSS VB-2Wは、名機VB-2のビブラートを「技 WAZA CRAFT」として復刻しつつ、カスタム・モード、RISE TIME(立ち上がり)、アンラッチ運用、さらにエクスプレッションによるリアルタイム・デプス操作まで盛り込んだ、現場仕様のビブラートです。コーラスのように“揺れで厚くする”というより、ピッチそのものが揺れる独特の質感が核。薄く掛けても存在感が出るため、リフのニュアンス付けから、フレーズの「ここだけ揺らす」演出まで、狙いを作りやすい1台です。
[BOSS] VB-2W Vibrato|ペダマニレビュー
どんなペダル?
VB-2Wは、BBDを使ったフルアナログのビブラート・ペダルです。一般的な“揺れもの”と違い、音量や位相の揺れではなくピッチ自体が揺れるため、同じ深さでも質感がかなり独特になります。スタンダード・モードはビンテージVB-2の質感を再現し、カスタム・モードではフィルターを使ったより個性的な揺らぎに寄せられるのが大きな特徴です。
さらに、RISE TIMEでエフェクトの立ち上がりをコントロールできるため、常時ONの揺れだけでなく「後からスッと揺れが入る」ような演出が作れます。MODEつまみはLATCH/UNLATCH/BYPASSの3動作で、UNLATCHは“踏んでいる間だけON”のスポット運用が可能。ビブラートを飛び道具として、必要な瞬間だけ差し込める設計になっています。
サウンドの特徴(ピッチ揺れの存在感と、立ち上がり演出が武器)
VB-2Wの核は、ピッチが揺れることで生まれる“うねりの存在感”です。薄く掛けても音像が揺れて聴こえるため、クリーンのアルペジオに奥行きを足すだけでなく、歪みのリードに混ぜて「わずかに不安定なニュアンス」を作るのにも向きます。コーラスのように厚みで持ち上げるというより、音程が揺れることでフレーズの表情を変えるタイプなので、少ないつまみ操作でもキャラクターが出やすいのが強みです。
スタンダードは王道のVB-2質感で、自然さの中に独特のクセが残る方向。カスタムはフィルターによる揺らぎが加わり、より“演出寄り”で、コードでも単音でも動きが目立ちやすくなります。さらにRISE TIMEを活かすと、揺れが急に始まるのではなく、フレーズの途中から滑らかに入っていくような表現が可能。常時ONだけでなく「揺れの入り方」まで設計できるのがVB-2Wの面白さです。
使い勝手・セッティングのイメージ
薄掛けで“表情”だけ足す(常時ONの基準)
- RATE:9〜11時
- DEPTH:9〜10時
- RISE TIME:12〜14時
- MODE:LATCH
スタンダード・モードで薄く掛け、揺れの立ち上がりを少し遅らせると、自然に馴染みやすいです。まずはDEPTHを控えめにして、存在感が足りなければRATEより先にDEPTHを上げると狙いがブレにくいです。
揺れを主役にする(イントロ/間奏で映える)
- RATE:11〜13時
- DEPTH:12〜15時
- RISE TIME:9〜12時
- MODE:LATCH
DEPTHを上げるほど“ピッチ揺れ”が前に出ます。立ち上がりを速めにすると効果が分かりやすく、リフやコードで「狙って掛けてる感」を作りやすいです。
カスタムで“クセ”を押し出す(空間系と合わせる)
- RATE:9〜12時
- DEPTH:11〜14時
- RISE TIME:12〜15時
- MODE:LATCH
カスタム・モードは質感が濃いので、速くしすぎず“うねりの幅”をDEPTHで作るとまとまりやすいです。ディレイやリバーブと合わせる場合、RISE TIMEを長めにして、揺れが後から追いかけてくる感じにすると立体感が出ます。
UNLATCHで“ここだけ揺らす”(スポット演出)
- RATE:任意(曲テンポに合わせる)
- DEPTH:12時前後(やや分かりやすく)
- RISE TIME:9〜12時
- MODE:UNLATCH
踏んでいる間だけONなので、設定は薄すぎると伝わりにくいです。サビ頭のコード、ロングトーンの終わり、単音フレーズの1音だけなど、“狙いの場所”を決めるほど強い運用になります。
ペダマニ的「ここが魅力」
- スタンダード/カスタムで「同じビブラートでも役割が変わる」
スタンダードは王道のVB-2感で、薄掛けでもニュアンスが出しやすいのが魅力です。カスタムはフィルターの効いた揺らぎで、より演出寄り・存在感寄りに振れるため、曲中で「効かせる場面」を作りやすく、1台で使い分けが成立します。 - RISE TIMEが“揺れの入り方”をデザインできる
揺れものは常時ONだと単調になりがちですが、VB-2Wは立ち上がりをコントロールできるため、フレーズの途中から揺れが生まれるような表現が可能です。結果として、ただの効果ではなく“演奏の一部”として使える場面が増えます。 - UNLATCH+エクスプレッションで現場の演出が速い
踏んでいる間だけONのUNLATCHは、ビブラートを必要な瞬間だけ差し込める実戦機能です。さらにエクスプレッションでDEPTHを手元操作できるため、同じ曲内でも揺れの量を動かせて、ライブでの表情付けがやりやすいです。
注意しておきたいポイント
- 深く掛けると音程感が揺れるので、バンド内の役割を決める
VB-2Wはピッチが揺れるタイプなので、DEPTHを上げるほど“音程の不安定さ”が前に出ます。気持ちよさと引き換えに、ハモりやユニゾンの精度が必要な場面では主張が強くなることがあるため、常時ONかスポットかを曲ごとに割り切ると運用が安定します。 - カスタムは個性が強いぶん、薄掛けでも存在感が出やすい
カスタム・モードは狙うと非常に武器になりますが、何となくでONにすると“思ったより動く”になりやすいです。まずスタンダードで基準音を作り、カスタムは「ここで効かせる」用途に限定すると失敗が減ります。 - UNLATCHは踏み方で表情が変わるので、操作を先に身体に入れる
UNLATCHは便利な反面、踏む長さがそのまま効果時間になります。狙い通りに決まると強い一方、慣れないとタイミングがズレて効果が中途半端になりやすいので、導入時に“どの小節で踏むか”を一度だけ詰めておくと現場で強いです。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | VB-2W Vibrato |
| エフェクトタイプ | ビブラート(アナログ/BBD) |
| バイパス方式 | バッファード・バイパス |
| コントロール | RATE:揺れの速さ DEPTH:揺れの深さ(エクスプレッションでリアルタイム操作可) RISE TIME:エフェクトの立ち上がり時間 MODE:動作モード切替(LATCH/UNLATCH/BYPASS) スタンダード/カスタム・スイッチ:サウンドモード切替(VB-2再現/フィルター波形のカスタム) ペダル・スイッチ:エフェクトON/OFF(UNLATCH時は踏んでいる間のみON) |
| 接続端子 | GUITAR IN:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DEPTH:標準フォーン(エクスプレッション・ペダル入力) DC IN:9V AC アダプター用ジャック(BOSS PSA シリーズ対応) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(PSA-100/PSAシリーズ) |
| 消費電流 | おおよそ 35 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-20 dBu 入力インピーダンス:1 MΩ 規定出力レベル:-20 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:73 mm 前後 奥行:129 mm 前後 高さ:59 mm 前後 質量:約 450 g 前後(電池含む) |