BOSS NS-1X は、独自の MDP 技術を搭載した次世代ノイズサプレッサーです。REDUCTION/GATE/MUTE の3モードにより、クリーン〜ハイゲインまで原音のアタックとサスティンを損なわずにノイズだけを賢く抑えてくれます。ギター/ベースどちらにも対応し、現代的なハイゲインリグとも相性の良い1台です。
[BOSS] NS-1X Noise Suppressor|ペダマニレビュー
どんなペダル?
NS-1X は、BOSS 伝統のノイズサプレッサー「NS-2」を現代仕様にアップデートした X シリーズのノイズサプレッサーです。中身はアナログではなく、BOSS 独自の MDP(Multi-Dimensional Processing)によるデジタル処理ですが、単にオン/オフするだけのノイズゲートではなく、入力信号のレベルや時間変化を解析しながら、必要なところだけを賢く抑える設計になっています。
モードは汎用的に使える REDUCTION、ハイゲイン・リフやテクニカルプレイ向きの GATE、ミュート用の MUTE の3種類。従来機同様 SEND/RETURN ループも備えており、歪みペダルだけをピンポイントで静かにする「4ケーブル接続」的な使い方もしやすいです。
6弦ギターはもちろん、7〜8弦や5弦ベースなどローが深いセッティングにも対応する帯域設計で、モダンなラウド系ボードの“最後の仕上げ”にちょうど良いノイズ対策ペダルです。
サウンドの特徴(自然さ重視の賢いノイズリダクション)
NS-1X の一番の特徴は、「かかっている感」が少ないのに、弾いていないときだけしっかりノイズが消える自然さです。REDUCTION モードでは、ピッキングのアタックや減衰の仕方を解析しながら、音の後ろに尾を引くヒスノイズだけをスッと下げてくれる感覚で、クリーン〜ライトクランチでもサスティンが不自然に途切れにくくなっています。
一方 GATE モードは、ハイゲインリフで欲しくなる「止めた瞬間にスパッと切れる」タイプの挙動で、パームミュートやブレイクのキレがかなりタイトになります。ディストーション側のゲインを上げてもザワザワした残響が残りにくく、ブレイクごとに静寂を作れるので、モダンメタルやDjent系のリフとも好相性です。
周波数帯域はギター/ベース両用で、ローB やドロップチューニングでも必要以上にローを削らず、原音の太さはキープしたままノイズだけを落としてくれる方向性のチューニングになっています。
使い勝手・セッティングのイメージ
基本の REDUCTION セッティング(汎用クリーン〜クランチ用)
THRESHOLD を 9〜11時付近、DECAY は 12時前後、DAMP をやや控えめにしておくと、クリーン〜クランチの常時オン用途に使いやすい設定になります。アルペジオやバラードのロングトーンでもサスティンが極端に切れず、休符ではしっかりノイズが下がるバランスで、スタジオやライブハウスの「環境ノイズ」を抑える用途にも向いています。
ハイゲイン・リフ用 GATE セッティング
ハイゲインディストーションと合わせる場合は GATE モードに切り替え、THRESHOLD を高め(13〜15時付近)に設定し、DECAY は最小〜9時程度で短め、DAMP は12時以降にすると、ピッキングした瞬間は鋭く、音を止めた瞬間はスパッと静かになるセッティングを作りやすいです。エッジの立ったメタルリフやミュート主体のフレーズで、リズムのキレ感を一段引き上げたいときに便利です。
SEND/RETURN を使った“歪みだけ静かにする”配線
ボード全体のノイズではなく「歪みペダルのホワイトノイズが気になる」というケースでは、歪み系を NS-1X の SEND/RETURN にまとめて入れ、INPUT にはギターのクリーン信号を送り込む配線が有効です。この場合、検出はクリーン信号で行われるため、プレイのニュアンスに忠実なゲート挙動を保ったまま、歪みペダル由来のノイズだけを効果的に抑えられます。ギター/ベースどちらでも有効で、特にブースター+ハイゲイン歪みを重ねているボードでは大きな差が出やすいポイントです。
ペダマニ的「ここが魅力」
- 原音の弾き心地をほとんど変えずにノイズだけ消してくれる安心感
従来のノイズゲートだと、どうしてもアタックが丸くなったり、サスティンの尻尾が急に切れてしまったりと「音作りとのトレードオフ」が発生しがちでしたが、NS-1X は MDP 技術のおかげで、その違和感がかなり減っています。特に REDUCTION モードでは、軽めのゲインでも「弾いていないときだけ静かになる」動き方をしてくれるため、常時オンの“空調”的な使い方がしやすいです。 - ハイゲインでも“止めた瞬間の静寂”を簡単に作れる GATE モード
モダンメタルやジェント系のように、リフのブレイクごとに無音のコントラストを強く出したい場合、GATE モードのレスポンスの速さはかなり魅力的です。ディストーションのゲインを妥協して下げるのではなく、しっかり歪ませた上で休符だけをしっかりミュートしてくれるので、特にレコーディングやクリックに合わせたシビアなリフで威力を発揮します。 - ギター/ベース問わず 1 台でボード全体をカバーできる汎用性
NS-1X はギターだけでなく、5弦ベースやローBチューニングも想定した周波数帯域と挙動になっているため、バンド内で楽器を持ち替えるプレイヤーでも 1 台でまとめてノイズ対策できます。SEND/RETURN 搭載で配線パターンも柔軟に組めるので、「ギターボードの歪みループ」「ベースボードの最後段」など、現場の事情に合わせて置き場所を変えやすい点も実用的です。
注意しておきたいポイント
- 設定を追い込みすぎると“弾き方”の癖がシビアに出やすい
GATE モードで THRESHOLD を高くし過ぎたり DAMP を上げ過ぎたりすると、ニュアンスの弱いピッキングがゲートに引っかかってしまい、意図した音が鳴りきらないことがあります。タッピングやレガート主体のプレイと組み合わせる場合は、まず REDUCTION モードで自然さを優先した設定を作り、その上で必要に応じて GATE に切り替えるなど、演奏スタイルに合わせたチューニングが必要です。 - ノイズ源そのものの対策とセットで考えた方が効果的
NS-1X は非常に優秀なノイズサプレッサーですが、電源ノイズや配線、シングルコイルのハムなど、そもそものノイズ源が大きすぎる場合には“マスク”しきれないこともあります。電源をクリーンなアダプターやアイソレート電源にする、歪みペダルのゲインを上げ過ぎない、シールドを見直すなど、基礎的なノイズ対策とセットで使うことで、NS-1X のポテンシャルを最大限に活かしやすくなります。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | NS-1X Noise Suppressor |
| エフェクトタイプ | ノイズゲート/ノイズサプレッサー |
| コントロール | THRESHOLD ノブ(ノイズをカットし始めるレベル) DECAY ノブ(ノイズリダクションのかかり方・リリースタイム) DAMP ノブ(ノイズ低減量) MODE スイッチ(GATE/REDUCTION/MUTE 等のモード切り替え) CHECK インジケーター(動作・リダクション表示) |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター/ベース入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) SEND:ノイズリダクションループ送出 RETURN:ノイズリダクションループ戻り DC IN:9V AC アダプター用ジャック(BOSS PSA シリーズ) DC OUT:他ペダルへの電源供給端子(使用時はパワー容量に注意) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(PSA-100/PSAシリーズ) |
| 消費電流 | おおよそ 60 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-20 dBu 入力インピーダンス:1 MΩ 規定出力レベル:-20 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:73 mm 前後 奥行:129 mm 前後 高さ:59 mm 前後 質量:約 460 g 前後 |