BOSS RC-1 Loop Station は、「とにかく分かりやすい」ことを徹底したエントリー向けコンパクト・ルーパーです。最大約12分のステレオ録音に対応し、大きなループインジケーターで現在位置を視覚的に確認できるのが特徴。1フットスイッチのシンプル操作で、練習用のフレーズ作りからソロライブのループパフォーマンスまで、ルーパーの基礎をこの1台で押さえられます。
[BOSS] RC-1 Loop Station|ペダマニレビュー
どんなペダル?
RC-1 は、BOSS Loop Station シリーズの中でも「一番シンプルで直感的」な入門機として設計されたモデルです。操作系は基本的にフットスイッチ1つと LEVEL ノブだけで、録音 → オーバーダブ → 再生 → 停止といった一連の動作を、踏み方の組み合わせだけで完結できます。ペダル上部の大きなリング状インジケーターは、録音中/再生中/オーバーダブ中を色と向きで表示してくれるため、今ペダルがどの状態かを視覚的に把握しやすいのもポイントです。
入出力はステレオ対応で、ギター単体はもちろん、ステレオ出力のマルチエフェクターやシンセ、リズムマシンなど外部機器と組み合わせたループも構築可能。複雑なメニューや画面操作がないぶん、「ルーパーを使ったことがない」「まずは一番シンプルなモデルから試したい」というプレイヤーにとって、最初の1台として非常に扱いやすいルーパーです。
サウンドの特徴(シンプル構成でも音質劣化が少ないベーシック・ループサウンド)
RC-1 のサウンドは、いわゆる「ルーパーを通したことによる極端な音質変化の少ない、素直なループサウンド」です。ループさせたフレーズと生音の質感差は比較的少なく、クリーン〜軽い歪みでは原音に近いキャラクターのまま重ね録りが可能です。メタル級のハイゲインまで上げると、どうしてもループ側のノイズは気になりやすくなりますが、一般的なポップス/ロック/ソロギターの練習やパフォーマンス用途では十分に実用的なクオリティと言えます。
録音時間はステレオで最大約12分と、シンプルな構造ながら意外と余裕があり、短いリフをループさせてソロを重ねるだけでなく、コード進行+簡単なアルペジオやパーカッシブ奏法まで含めた「一曲分の土台」を作ることも可能です。サウンド自体に色付けするエフェクトではないため、「自分の音そのままを素材として、何回も重ねていく」タイプのペダルとして捉えるとイメージしやすいモデルです。
使い勝手・セッティングのイメージ
ひとり練習用の“リズム&コード土台”として常備する
もっとも王道なのが、RC-1 を「一人練習用の相棒」として常にボードの最後段あたりに置いておく運用です。コードストロークやシンプルなリフを録音し、それを鳴らしながらスケール練習やアドリブの研究をすると、メトロノームだけの練習よりも実戦的な感覚でトレーニングできます。LEVEL ノブは生音とのバランスをとる程度にし、ループが少しだけ小さめに聞こえる設定にしておくと、自分の現在のプレイが前に出やすくなるので、運指やリズムの粗さも把握しやすくなります。
ソロギターやデュオ編成での“簡易ワンマンバッキング”として
アコギのソロギターやギターデュオなど、少人数編成のライブでは、RC-1 を使って曲中にバッキングをループし、その上にメロディやリードを重ねるだけで、ステージの音数をグッと増やせます。イントロの段階でコードと簡単なアルペジオをループし、ループが安定してから歌やメロディを乗せれば、「一人なのにバンドっぽい厚み」を演出することも可能です。ループの録音・停止タイミングは練習が要りますが、構造がシンプルなぶん、身体で覚えてしまえば本番でも使いやすい部類のルーパーです。
マルチエフェクター後段に置いて“完成した音”ごとループする
GX-100 や GT-1 などのマルチエフェクターをメインで使っている場合は、その後段に RC-1 を置き、「エフェクトやアンプシミュを通した完成形の音」を丸ごとループさせるのがおすすめです。アンプライクな歪み+ディレイ+リバーブまで含めたサウンドをそのまま録音できるため、ループと生演奏の質感差が少なく、音作りもシンプルになります。マルチ側で音色チェンジしながらループを重ねていけば、一人でもかなりリッチな多重構成が作れるようになります。
ペダマニ的「ここが魅力」
- とにかく“わかりやすい”ルーパーで初めての1台に最適
操作が1フットスイッチ+LEVELノブに集約されているので、「ルーパーを触ったことがない」という人でも、数分触れば録音〜再生〜オーバーダブの流れを理解できるレベルのシンプルさです。機能を削りすぎず、それでいてメニューや細かい設定に迷い込まない構造になっているため、最初のルーパーとして導入ハードルが非常に低いのが RC-1 の大きな魅力です。 - 大きなループインジケーターが“今どこを鳴らしているか”を可視化してくれる
ペダル上部のリング状LEDインジケーターは、ループの再生位置を時計回りに表示してくれるので、「今1周のどこをループしているのか」がパッと見で分かります。録音/再生/オーバーダブ時の状態も色で区別されるため、本番のステージでも“今録音中なのか、ただ再生しているだけなのか”を視認しやすく、踏み間違いによるトラブルを減らしてくれる実務的なギミックです。 - ステレオ対応と外部フットスイッチで“入門機以上”の拡張性
入出力はステレオに対応しており、ステレオ出力のマルチやキーボード、リズムマシンなどと組み合わせたセッティングも可能です。また、外部フットスイッチを接続してストップ専用スイッチに割り当てれば、「メインは録音/再生用、サブはストップ用」といった2スイッチ構成で運用できるため、ライブでの操作性も一段上げることができます。シンプルな見た目に対して、実は“入門を抜けたあと”もそのまま使い続けられる拡張性を持っている点も評価ポイントです。
注意しておきたいポイント
- メモリー管理や複数ループなど“高度な機能”は求めすぎない方がよい
RC-1 はあくまでシンプルな1トラック・ルーパーなので、複数のフレーズをバンク管理したり、ABセクションを持った曲構成ループを作ったりする用途には向きません。曲単位のループセットや、ドラムループ+コード+ベースラインを分けて管理したい場合は、RC-5 や上位のループステーションの方が現実的です。RC-1 は「1トラックをその場で録って重ねるリアルタイム用途」に特化していると割り切った方が齟齬がありません。 - 録音タイミングのシビアさは“慣れ”が必要
1フットスイッチ式ルーパー全般に言えますが、録音開始/終了のタイミングはプレイヤーの足さばき次第です。ループの頭と終わりがほんの少しズレると、グルーヴがヨレて聴こえたり、ループの継ぎ目で違和感が出る場合があります。RC-1 自体のレスポンスは十分ですが、「フットスイッチを踏む練習」もセットでやる前提で付き合う必要があり、導入直後は少し練習時間を確保しておいた方が安心です。 - UNDO/REDO 操作や細かい制御は上位機種ほど自由ではない
シンプルさと引き換えに、RC-5 などと比べると UNDO/REDO や一部の制御は制限が多めです。ライブ中に多段階の取り消しや複雑なシーン切り替えをしたい場合には、RC-1 ではなく上位機種を検討した方がストレスが少ないかもしれません。RC-1 は「最低限のループ機能を確実にこなす」ことにフォーカスしたモデルなので、自分のやりたいループパフォーマンスの規模に合わせて選ぶのがおすすめです。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | RC-1 Loop Station |
| エフェクトタイプ | ルーパー(フレーズループ) |
| 搭載モード | 最大約12分のステレオ録音時間(合計) ループインジケーター(リング状LEDでループ位置と状態を表示) |
| コントロール | LEVEL ノブ(ループ音量) FOOTSWITCH:録音/オーバーダブ/再生/停止の制御 |
| 接続端子 | INPUT:L / R(モノラル/ステレオ入力) OUTPUT:L / R(モノラル/ステレオ出力) STOP/UNDO端子:外部フットスイッチ接続用 DC IN:9V AC アダプター用ジャック(BOSS PSA シリーズ対応) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(PSA-100/PSAシリーズ) |
| 消費電流 | おおよそ 95 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-20 dBu 入力インピーダンス:1 MΩ 規定出力レベル:-20 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:73 mm 前後 奥行:129 mm 前後 高さ:59 mm 前後 質量:約 430 g 前後 |