Marshall Drivemaster Reissue は、90年代に登場した Drivemaster ペダルを、現代ボード向けに復刻したリイシューモデルです。オーバードライブ寄りのゲイン感と、3バンド EQ+ボリュームによるアンプライクな音作りが特徴で、クリーンアンプの上に「もうひとつのマーシャルチャンネル」を足す感覚で使える一台。Bluesbreaker より歪み多め、Shredmaster より素直なミディアムゲインを求めるギタリストにフィットするマーシャル直系ペダルです。
[Marshall] DriveMaster Reissue|ペダマニレビュー
どんなペダル?
DriveMaster Reissue は、Marshall 黒ペダル三兄弟(Bluesbreaker / DriveMaster / Shredmaster)のうち、“ミディアムゲインのメインチャンネル担当” のポジションにあるペダルです。
オリジナルは The Guv’nor の流れを汲みつつ、よりコンパクトな筐体と実戦的なコントロールにまとめられたモデルで、今回のリイシュー版も基本コンセプトはそのまま。クリーン〜ライトクランチのアンプに挿すだけで、JCM 系チャンネルのようなロック向けドライブサウンドを作ることを狙っています。
コントロールは GAIN / BASS / MIDDLE / TREBLE / VOLUME の5系統。3バンド EQ を搭載しているため、単に“歪ませるだけのペダル”というより、アンプライクに音を作り込めるのが特徴です。
リイシューモデルでは、電源や入出力の仕様が現代ボードに合わせて調整されており、黒ペダルのルックスとキャラクターをそのまま、現行品として安心して使えるようになっています。
サウンドの特徴(ミドルが気持ちいい王道ブリティッシュ・クランチ)
DriveMaster Reissue のサウンドは、「中域の押し出しが気持ちいいブリティッシュ・ミディアムゲイン」 というイメージです。
Bluesbreaker よりもゲイン幅が広く、Shredmaster ほどハイゲイン寄りではない、絶妙な中間ポジション。ロー〜ローミッドはほどよくタイトにまとめられていて、パワーコードを弾いたときに“ドンッ”と前に出る一方で、低域がもたつきすぎないバランスになっています。
ミドルはマーシャルらしくしっかり目に存在感がありますが、MIDDLE ノブで量感をコントロールできるため、「太さは欲しいけど鼻づまりにはしたくない」 という現場的な要望に応えやすい設計です。
単音リードでは、適度なコンプレッションとサステインがありつつ、ピッキングニュアンスもちゃんと残るタイプ。ストラトなら少し荒めのロッククランチ、レスポールなら歌うリード〜ハードロック寄りのドライブ、といった具合に、ギターの素性もきちんと反映されます。
使い勝手・セッティングのイメージ
クリーンアンプを“JCM系クランチチャンネル”化するメイン歪み
DriveMaster Reissue の基本的な使い方は、クリーン〜ライトクランチのアンプに挿して「JCM 系クランチチャンネル」を作るメイン歪み運用です。
- アンプ:クリーン〜ごく軽いクランチ
- GAIN:12〜14時(ミディアムゲイン)
- BASS:12時前後
- MIDDLE:12〜14時(太さと前に出る感じを調整)
- TREBLE:11〜13時
- VOLUME:バイパス時と同等か、やや上げる程度
この設定で、パワーコード主体のロックリフから、ペンタ一発のリードまでオールラウンドにこなせる“使えるクランチ”が作れます。クリーンアンプしかないリハスタでも、「マーシャル的クランチチャンネルを持ち歩く」感覚で運用できるのが強みです。
Bluesbreaker より一段歪ませた“ロック用ドライブ”として
すでに Bluesbreaker Reissue のようなローゲイン系をボードに載せている場合、DriveMaster Reissue を「一段濃いロック用ドライブ」として使い分けるのもアリです。
- アンプ:クリーン〜ブルース寄りクランチ(Bluesbreaker 常時オンも可)
- DriveMaster:
- GAIN:13〜15時
- BASS:11〜12時(ローが膨らみすぎない程度)
- MIDDLE:13時前後(しっかり目に)
- TREBLE:11〜12時
クリーン〜Bluesbreaker までを“バッキング用のスイートスポット”、DriveMaster を“サビ/リード用の一段上のギア”として使うと、曲中のダイナミクスが付けやすくなります。
TS 系ブーストのようにミッドだけが極端に突出しないので、バンド全体と馴染みやすいのもポイントです。
クランチアンプの前で“ソロ用チャンネル”に仕立てる
アンプ側をすでにクランチ〜ミディアムゲインにしておき、DriveMaster Reissue はゲインブースト+EQ 調整用として使うパターンです。
- アンプ:JCM 系クランチ(またはそれに近いイメージのクランチ)
- DriveMaster:
- GAIN:9〜11時(足しすぎない)
- BASS:11〜12時
- MIDDLE:12〜14時(ソロで前に出る位置まで)
- TREBLE:12〜13時
- VOLUME:ブースト目的で 13〜14時
こうすると、DriveMaster は“別物の歪みペダル”というより、「アンプのよいところを押し出しつつ、一段前に出してくれるチャンネル切り替え」 的な役割になります。ソロ時だけ踏むセカンドチャンネルとしてもかなり実用的です。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- ミディアムゲイン専任の“使えるマーシャルペダル”
DriveMaster Reissue の魅力は、Bluesbreaker と Shredmaster のちょうど間に入る“ミディアムゲイン専任”のポジションです。軽いクランチだけなら Bluesbreaker、もっと激しく歪ませるなら Shredmaster、そしてその中間の「一番出番の多いロックゲイン」を DriveMaster が担当するイメージで、ボードの中で役割分担が非常にしやすい構成になります。 - 3バンドEQで“アンプっぽく”追い込める
単に歪み量だけを調整するペダルと違い、BASS / MIDDLE / TREBLE の3バンド EQ を搭載しているので、アンプのトーンつまみと同じ感覚で追い込めるのも大きな魅力です。リハスタの常設アンプが少しドンシャリ気味でも、DriveMaster 側でミドルを足す/ハイを抑えるといった調整ができるため、「どの現場でもだいたい自分の音に近づける」汎用性があります。 - “マーシャルらしい押し出し感”と“扱いやすさ”のバランスがいい
マーシャル系ペダルにありがちな「ローが暴れすぎる」「ハイが耳に痛い」といった部分が抑えられていて、バンド全体の中でも扱いやすいバランスに仕上がっているのも好印象です。前に出てほしいミッドはちゃんと押し出す一方で、耳に刺さりやすい帯域は EQ でコントロールしやすく、「マーシャルらしい押し出し感は欲しいけど、過激すぎるのは困る」というプレイヤーにはちょうどいい落としどころといえます。
注意しておきたいポイント
- “1台でメタルまで全部”というより“ロック中心”の守備範囲
DriveMaster Reissue は、ロック〜ハードロックにはちょうどいいゲイン量ですが、モダンメタルのような超ハイゲインまでは守備範囲外です。パームミュートを多用するモダンメタルや、極端にタイトなリフ中心のスタイルでは、別途ハイゲインディストーションやアンプのゲインチャンネルを用意した方が安心です。 - ローの出し過ぎとミドル設定には要注意
BASS と MIDDLE を両方上げすぎると、アンプやキャビ次第ではロー〜ローミッドが膨らみすぎ、アンサンブルの中で“こもった”印象になることがあります。特にハムバッカー+クローズドバックキャビの組み合わせでは、最初はやや控えめな BASS 設定からスタートし、バンド全体の中で必要なぶんだけ足していく形で詰めていくのがおすすめです。 - クリーンアンプのキャラによってはセッティングの手間がかかることも
非常にフラットなクリーンアンプとは相性がよい一方で、元のアンプがかなりクセの強い EQ カーブを持っている場合、DriveMaster 側の 3 バンド EQ とアンプのトーンを両方追い込む必要が出てきます。「アンプはトーンを12時付近で固定し、細かい調整は DriveMaster 側で行う」という運用ルールを決めておくと、現場ごとの音作りが楽になります。
機種の仕様
| メーカー | Marshall |
| 製品名 | Drivemaster Reissue |
| エフェクトタイプ | オーバードライブ/ディストーション(アナログ) |
| コントロール | Gain:歪み量 BASS:低域の量感調整 MIDDLE:中域の太さ/前に出る具合 TREBLE:高域の明るさ調整 Volume:全体の出力レベル |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 9V DC アダプター(センターマイナス、一般的なペダル用パワーサプライに対応) |
| 消費電流 | おおよそ 5 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:25 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:110 mm 前後 奥行:147 mm 前後 高さ:67 mm 前後 質量:約 750 g 前後(電池含む) |