MXR M68 Uni-Vibe は、クラシックなユニバイブ系サウンドをコンパクトな MXR サイズで実現したモジュレーションペダルです。コーラス/ビブラート切り替えと、シンプルな3ノブ構成により、ヴィンテージ感のあるうねりから、ピッチ感の強いビブラートまで幅広くカバー。クリーン〜クランチアンプに足すだけで、一気に“70年代ロック〜現代オルタナ寄り”の雰囲気を作れる、ボードに一台あると便利な揺れ系エフェクターです。
[MXR] M68 Uni-Vibe|ペダマニレビュー
どんなペダル?
MXR M68 Uni-Vibe は、その名の通り“Uni-Vibe 系”のモジュレーションを MXR コンパクト筐体に落とし込んだペダルです。元祖ユニバイブは大型筐体+エクスプレッションペダル付きで、現代のペダルボードに組み込むにはかなりスペースが必要ですが、M68 は一般的な MXR サイズに収められているため、他のコンパクトペダルと同じ感覚で配置できます。
コントロールは LEVEL / SPEED / DEPTH の3ノブに、CHORUS / VIBRATO のモード切り替えスイッチというシンプル構成。CHORUS モードでは“ゆらぐコーラス的な揺れ”を、VIBRATO モードではピッチが前面に出るビブラート的な揺れを作ることができます。どちらも、いわゆる“ハイファイ系コーラス”とは違う、少し濁ったようなアナログ感のあるうねりが特徴です。
MXR らしく、ノイズレベルは比較的低くまとめられており、クリーン〜クランチを中心にしたボードにも自然に馴染む設計。ユニバイブ系としては扱いやすい部類に入り、「とりあえず一台ユニバイブが欲しい」というギタリストに向いた実戦寄りのペダルです。
サウンドの特徴(アナログ感のある濁りとうねりで“歌う”クリーン〜クランチ)
M68 Uni-Vibe のサウンドは、一言で言うと「アナログ感のある濁りとうねりで、クリーン〜クランチに歌心を足すタイプ」です。CHORUS モードでは、元祖ユニバイブ同様、ピッチと位相が複雑に揺れながら、やや濁りのあるモジュレーションがかかります。ハイファイなコーラスのように“キラキラさせる”というより、クリーンにヴィンテージ感のある厚みと奥行きを足す方向のキャラクターです。
VIBRATO モードに切り替えると、コーラス感よりもピッチの揺れが前面に出て、サイケデリック寄りのビブラートサウンドになります。DEPTH を深くし、SPEED を上げていくと、かなり“酔うような”揺れが得られるため、フレーズの一部だけにかけるような使い方とも相性が良好です。
トーンとしては、ローは適度にタイト、ミッド〜ハイにかけてやや丸いアナログ感のある質感で、歪ませたアンプに足しても耳障りになりにくいチューニングです。ストラトのクリーンにうっすら掛ければジミヘン〜70年代ロック系のニュアンスが出せますし、軽いクランチの後ろに挿せば現代オルタナ〜ポストロック的な浮遊感も作りやすくなっています。
使い勝手・セッティングのイメージ
クリーンに“薄く足す”常時オン寄りユニバイブ
クリーン〜クランチの基礎トーンに、常時薄く揺れを足すセッティングです。ストラト+クリーンアンプでバッキングを弾くときに特にハマります。
- モード:CHORUS
- LEVEL:原音と同じか、ほんの少し上げる
- SPEED:9〜10時(ゆっくりめ)
- DEPTH:9〜11時(浅め)
この設定では、弾いているときは“ほんのり揺れている”程度ですが、バンド全体で聴くとクリーンに奥行きとビンテージ感が加わったように感じられます。コードカッティングやアルペジオで、地味すぎないけれど主張しすぎない、絶妙な存在感を出したいときに向いています。
クランチリードに“歌ううねり”を足すソロ用セッティング
クランチ〜オーバードライブのリードトーンに、ソロ時だけユニバイブのうねりを足すセッティングです。
- モード:CHORUS
- LEVEL:やや上げてソロ時に少し前に出る程度
- SPEED:11〜13時(やや速め)
- DEPTH:12〜14時(中〜深程度)
軽く歪んだアンプの上にこの設定で足すと、単音リードのサステインに対してうねりがかかり、音の伸びが“歌っている”ような印象になります。特にストラトのリア〜センターミックスあたりと相性が良く、ブルースロック〜70年代ロック系のソロにぴったりな質感です。
サイケデリック寄りフレーズ用の深いビブラート
曲の一部だけをグッと印象付けたいときの、飛び道具寄りセッティングです。
- モード:VIBRATO
- LEVEL:原音と同程度
- SPEED:13〜15時(速め)
- DEPTH:14〜MAX(かなり深め)
この設定では、ピッチの揺れがかなり強く出るため、イントロやブレイク、アウトロなど“ここぞ”というポイントでだけオンにするのがオススメです。ディレイやリバーブと組み合わせると、サイケデリック〜ポストロック寄りの浮遊感のあるフレーズが作りやすくなります。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- コンパクトサイズで“正統派ユニバイブ感”をボードに載せられる
オリジナル系ユニバイブはサイズと取り回しがネックになりがちですが、M68 は MXR コンパクト筐体なので、他の歪みやディレイと同じ感覚でボードに組み込めます。余計な機能を省きつつ“らしい揺れ”にフォーカスしているため、「とりあえず一台ユニバイブが欲しい」というニーズに対して非常に現実的な解です。 - ハイファイすぎない“ちょうどいいビンテージ感”
最近のモジュレーションはハイファイでレンジが広いモデルも多いですが、M68 はあえて少し濁ったようなアナログ感のある質感にチューニングされています。そのおかげで、クリーンに足しても浮きすぎず、軽く歪んだアンプにかけても耳に痛くなりにくいのが好印象です。バンドで使って“ちょうどいい”ところを狙ったキャラクターと言えます。 - CHORUS / VIBRATO 切り替えで守備範囲が広い
クラシックなユニバイブ感を出す CHORUS モードと、ピッチが前に出る VIBRATO モードの両方を搭載しているため、常時オン寄りのうねりから飛び道具的な深いビブラートまで、1台で幅広くカバーできます。ボードのモジュレーション枠を1つだけにしたい場合でも、かなり柔軟に役割をこなせるのは強みです。 - MXR らしい扱いやすさと実戦寄りのノイズレベル
アナログ感のあるモジュレーションでありながら、MXR らしくノイズレベルは比較的抑えられており、現代のクリーン〜クランチ系リグにも素直に馴染みます。電源やイン/アウトも標準的な配置のため、既存ボードへの追加もスムーズです。
注意しておきたいポイント
- “高解像度コーラス”を期待すると方向性が違う
M68 はあくまでユニバイブ系モジュレーションなので、コーラスとして見るとハイファイさやステレオの広がりを求めるタイプとは方向性が異なります。キラキラした現代的コーラスが欲しい場合は別のペダルを用意し、M68 は“ビンテージ寄りのうねり担当”として割り切った方が、導入後のギャップは少なくなります。 - DEPTH を上げすぎるとアンサンブルで酔いやすい
DEPTH と SPEED を深く設定すると、単体で弾いているときは気持ちよくても、バンドアンサンブルの中ではピッチの揺れが強く出過ぎて“酔う”印象になることがあります。常時オンで使う場合は、思っているより一段浅めの設定から始めて、リハで実際に音を混ぜながら調整するのがおすすめです。 - 歪みの後ろに置きすぎると輪郭がぼやけることもある
ユニバイブ系は、歪みペダルの前後どちらに置くかで印象が大きく変わります。M68 を強い歪みの後ろに置くと、うねりは大きくなりますが輪郭がややぼやける傾向があるため、クランチ主体のリグでは歪みの前に置く、ハイゲインでは前後両方試して“実戦で抜ける位置”を探す必要があります。
機種の仕様
| メーカー | MXR |
| 製品名 | M68 Uni-Vibe |
| エフェクトタイプ | モジュレーション(ユニバイブ系コーラス/ビブラート) |
| コントロール | LEVEL:エフェクト時の出力レベル SPEED:揺れの速さ DEPTH:揺れの深さ モードスイッチ:CHORUS/VIBRATO 切り替え |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター/ライン入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 5 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:5 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:61 mm 前後 奥行:110 mm 前後 高さ:53 mm 前後 質量:約 400 g 前後(電池含む) |