Jim Dunlop FFM1 Fuzz Face Mini Silicon は、クラシックなシリコン Fuzz Face のキャラクターを小型筐体に凝縮したモデルです。ゲルマニウム版(FFM2)に比べてゲインレンジが広く、ハイの抜けも良い切れ味のあるサウンドが特徴。ギター側ボリュームでクリーン〜クランチ〜ファズまでコントロールできる伝統的な挙動はそのままに、現代のペダルボードにも載せやすいサイズと 9V DC 電源対応で、実戦投入しやすいシリコンFuzz Faceとなっています。
[Jim Dunlop] FFM1 Fuzz Face Mini Silicon|ペダマニレビュー
どんなペダル?
FFM1 Fuzz Face Mini Silicon は、Fuzz Face の中でも“シリコン素子”を使った、ややモダン寄りのボイシングを持つモデルです。クラシックな円盤型 Fuzz Face をベースにしつつ、Mini シリーズ独自の小型筐体にまとめることで、一般的なコンパクトペダルに近いフットプリントでボードに組み込めるようになっています。
操作系は非常にシンプルで、VOLUME と FUZZ の 2 ノブのみ。細かいトーンコントロールはなく、その分「ギター側のボリュームとピッキングで作り込む」ことが前提の設計です。Fuzz Face 系らしく、ケーブル直後の最前段に置くとギターボリュームへの追従性が高く、手元の操作だけで音量と歪み量を広くコントロールできます。
赤ゲルマの FFM2 に比べると、FFM1 はゲインが高く、アタックの輪郭もカチッと立つ方向のチューニングです。歪み量を上げても音がつぶれ過ぎず、リードで前に抜けてほしいときや、オルタナ〜ハードロック寄りのサウンドを狙うときにハマるキャラクターになっています。
サウンドの特徴(抜けの良いシリコン系クラシックファズ)
FFM1 のサウンドは、Fuzz Face らしい飽和感と、シリコンらしい抜けの良さが両立したトーンです。FUZZ を高めに設定してギターボリュームを全開にすると、中〜高域の倍音が強く前に出る、荒々しいクラシックロック系のファズサウンドになります。単音リードでは、エッジの効いたアタックと十分なサステインが得られ、バンドアンサンブルの中でも輪郭が埋もれにくいのが特徴です。
ゲルマ系(FFM2)と比べると、FFM1 は少し明るく、タイトで速いレスポンス。ローはそこまで大きく膨らまず、ミドル〜ハイの存在感で抜けてくるタイプなので、マーシャル系クランチやハイゲインアンプの前段に挿しても、モコつきにくい傾向があります。
もちろん Fuzz Face 系らしく、ギターボリュームを絞ったときの変化も健在です。FUZZ を 14〜MAX 付近にしておいても、ボリュームを 7〜8 程度まで絞ると、粗さが一段引っ込み、オーバードライブ〜クランチに近いトーンへスムーズに変化します。引き続き手元でニュアンスを作れるので、「曲中はクランチ〜ドライブ、ソロの瞬間だけボリューム全開でファズにする」といった運用もしやすくなっています。
使い勝手・セッティングのイメージ
クランチ〜ファズを手元で行き来する“常時オン・シリコンFuzz Face”
FFM1 を一番“らしく”使うなら、ペダルは基本オンにしっぱなしで、ギターボリュームでレンジをコントロールするスタイルが王道です。
- FUZZ:14〜MAX 付近
- VOLUME:バイパス時と同等〜少し上がる程度に調整
- ギターボリューム:
- 10:フルレンジのシリコンファズ
- 7〜8:粗さが抑えられたクランチ〜ドライブ
- 5〜6:クリーン寄りの軽いブレイクアップ
このセッティングなら、足元のスイッチを踏まなくても、手元だけで「Aメロのほぼクリーン/Bメロのクランチ/サビのファズ」まで作り分けることができます。シンプルなボード構成で、多彩な表情を出したいプレイヤーに相性の良い使い方です。
クランチアンプの前での“リード専用ブーストファズ”
アンプ側で既にクランチを作っておき、その前段に FFM1 を置いてソロ時の“荒れた押し出し”を作るパターンです。
- アンプ:中程度のクランチ
- FUZZ:12〜14時
- VOLUME:バイパスより少しだけ持ち上がる位置
- ギターボリューム:ソロ時は 10 固定
これでオンにすると、クランチの上にファズ的な倍音とサステインが加わった、“一段ギラついたソロトーン”になります。TS系ブースターのようにローを整理してミッドを持ち上げるのではなく、全体を一気に飽和させる方向のブーストなので、「ソロだけ荒く暴れさせたい」ロック寄りの現場に向いています。
ゲイン控えめの“ドライブ寄りシリコンファズ”として使う
もう少し扱いやすいオーバードライブ寄りのキャラで使いたい場合は、あえて FUZZ を抑えめにする使い方も有効です。
- FUZZ:9〜11時
- VOLUME:必要な音量まで調整
- ギターボリューム:基本 10、曲によって絞る
このセッティングでは、いわゆる“ファズ全開”というよりは、角の立ったオーバードライブ〜ディストーション寄りのドライブサウンドになります。シリコン特有のシャープさは残しつつ、アンサンブルに馴染ませやすい歪み量で使えるので、ファズ入門〜「いつもの歪みに少しだけ Fuzz Face 味を足したい」ときに向いています。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- シリコンらしい抜けの良さで“ロックリードに刺さる”Fuzz Face
FFM1 の一番の魅力は、シリコンならではの抜けとエッジ感です。ビンテージ志向のゲルマ系に比べて、リードトーンで前に出したいときにストレートに応えてくれるので、ハードロック〜オルタナ寄りのギタリストには特にハマりやすいキャラクターです。 - ギターボリュームとの連携で“チャンネル切り替え級”の表情変化
Fuzz Face 系共通の武器ですが、FFM1 も例に漏れずギターボリュームとの相性が抜群です。ペダル側はほぼ固定のまま、手元だけでクリーン〜クランチ〜ファズまで行き来できるため、実質的に「アンプのチャンネルが増えた」のと同じ感覚で運用できます。シンプルなボードでライブしたい人にとっては大きなメリットです。 - Mini筐体+9V DC対応で“ビンテージサウンドを現代ボードに持ち込みやすい”
オリジナルサイズの Fuzz Face は物理的なサイズや電源仕様の問題で、ボードに載せるのがなかなか大変でした。FFM1 は Miniサイズかつ一般的な 9V センターマイナスで動作するため、既存のペダルボードにもあまり無理なく追加できます。「Fuzz Face の音は欲しいけど、実機をボードに組むのはさすがに…」という悩みどころを、うまく解決してくれる一台です。 - FFM2(ゲルマ)との“住み分け”がはっきりしていて選びやすい
同じ Fuzz Face Mini シリーズの中で、FFM1 はシリコン、FFM2 はゲルマニウムと役割が分かれています。ウォームで丸いビンテージ感を求めるなら FFM2、抜けと切れ味を優先するなら FFM1、といった具合に、方向性で選びやすいラインナップになっている点も魅力です。
注意しておきたいポイント
- モダンでタイトな“ハイゲインディストーション”とは別物
FFM1 はシリコン版とはいえ、あくまで Fuzz Face 系のクラシックファズです。モダンメタルのようなタイトでローが整理されたディストーションとは方向性が違い、倍音が豊富でやや荒れたキャラクターになります。「きっちり整ったハイゲイン」を求めて導入するとギャップを感じる可能性があります。 - バッファーやワイヤレスの位置で挙動が変わりやすい
Fuzz Face 系は入力インピーダンスの関係で、前段にバッファーやワイヤレスシステムを挟むと、ギターボリュームへの追従性が落ちたり、高域の出方が変わったりします。基本的には「ギター直後(チェインの最前段)」に置くのが推奨で、どうしても他機材を挟みたい場合は、実際のボード上で挙動を確認しながら配置を詰める必要があります。 - ゲイン全開ではノイズやハウリングが出やすい環境もある
FUZZ を高く設定し、アンプ側も歪ませている状況では、スタジオの電源環境やアンプとの距離によってノイズやハウリングが出ることがあります。特にハイボリュームの現場では、立ち位置やギターの向き、ゲイン量のバランスを事前にチェックしておくと安心です。
機種の仕様
| メーカー | Jim Dunlop |
| 製品名 | FFM1 Fuzz Face Mini Silicon |
| エフェクトタイプ | ファズ(アナログ) |
| バイパス方式 | トゥルーバイパス |
| 回路方式 | シリコントランジスタ採用 Fuzz Face 回路 |
| コントロール | FUZZ:歪み量/ゲイン VOLUME:出力レベル |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V AC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 3.4 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:10 kΩ 出力インピーダンス:<16 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:90 mm 前後 奥行:90 mm 前後 高さ:50 mm 前後 質量:約 240 g 前後(電池含む) |