BOSS SD-1W Super OverDrive は、ロングセラーSD-1を「技 Waza Craft」仕様でブラッシュアップしたオーバードライブです。STANDARDとCUSTOMの2モードを搭載し、クラシックなミッドレンジ主体のドライブから、ローが太くゲインの深い現代的サウンドまでをカバー。完全ディスクリート構成のアナログ回路と、日本国内工場での生産により、ニュアンスへの追従性とノイズレス性が向上した、実戦向けのアップデート版SD-1と言える1台です。
[BOSS] SD-1 Super OverDrive|ペダマニレビュー
どんなペダル?
SD-1W は、BOSSのロングセラー「SD-1 Super OverDrive」をベースに、Waza Craftコンセプトで再設計された特別仕様モデルです。オリジナルSD-1が持つ非対称クリッピングによる独特のミッドレンジと、ブースターとしての使いやすさはそのままに、回路を完全ディスクリート構成のアナログ回路で組み直し、STANDARDとCUSTOMの2モードを追加することで、解像感とダイナミクスを大きく向上させています。
STANDARDモードでは、あの「黄色いSD-1」らしいミッドに寄った歪みと、タイトなローエンドを踏襲しつつ、輪郭が少しクリアになった印象のドライブが得られます。一方でCUSTOMモードでは、ローと中低域の量感が増え、ゲインレンジが広がることで、ソロ用リードトーンや近年のロックサウンドに合うファットな歪みを作ることが可能です。
サイズや外観は通常のBOSSコンパクトと共通で、黄色筐体に「技」ロゴが入ったデザイン。既存のボードにそのまま入れ替えしやすく、「今までSD-1を使ってきたけれど、もう少しグレードアップしたい」という人にとって、そのまま乗り換えやすいポジションのペダルです。
サウンドの特徴(キレのあるミッドと太さを両立した2モードドライブ)
STANDARDモードは、オリジナルSD-1のキャラクターをベースにしながら、解像度とレスポンスが高められた印象です。非対称クリッピングによる心地よいコンプレッション感と、ミッドにフォーカスされた帯域バランスにより、クランチ〜中ゲインのドライブでもバンドの中で輪郭が残りやすく、コードを弾いても音が潰れにくいのが特徴です。ローエンドはややタイトに削られており、ハイゲインアンプの前段でブースター的に使っても、低域がダブつきにくいセッティングになっています。
CUSTOMモードに切り替えると、ロー〜中低域の厚みが増え、ゲインレンジも一段階深くなります。ピッキングに対する追従性は維持しつつ、サステインが伸びてリードトーン向けの粘りが増すため、ソロ用のセカンドチャンネルとして使いやすいキャラクターです。TS系のような強いミッドピークではなく、SD-1らしい少し尖った中域を残したままレンジを広げたような印象で、シングルコイルでもハムバッカーでも扱いやすいバランスに仕上がっています。
いずれのモードでも、BOSSらしいノイズの少なさと、ボリューム操作への追従性は優秀です。ギター側のボリュームを絞るとクリーン寄りに戻り、開けると一気にドライブする挙動は、アンプライクなダイナミクスを重視するプレイヤーにとって大きな武器になります。
使い勝手・セッティングのイメージ
クリーンを軽く荒らす“常時オン系クランチ”
クリーン〜クランチアンプに対して、常時オンで「ちょうどいい歪み」を作る用途のセッティングです。コードワークとアルペジオを行き来するような曲に向いています。
STANDARDモードで、DRIVEを9〜11時、TONEを11〜12時、LEVELを原音と同じかやや上に設定します。ピッキングを弱めればクリーン寄り、強く弾けば軽いドライブになるレンジに合わせることで、手元だけでクリーン〜クランチ間を行き来しやすくなります。TS系ほどローが削れ過ぎず、フルレンジ寄りのクランチを出せるのがSD-1Wの使いやすいポイントです。
ハイゲインアンプ用“ミッドブースト・ブースター”
すでにアンプ側で歪みを作っている場合に、ソロ時の押し出しとゲインアップを兼ねたブースターとして使うセッティングです。
STANDARDモードで、DRIVEを7〜9時に絞り、TONEを11〜13時、LEVELを13〜15時に上げておきます。こうすることで、ローをやや整理しつつ、ミッド〜ハイミッドを前に出すブーストがかかり、ハイゲインアンプの歪みに対しても音量とサチュレーションを足せます。TS系ブーストよりもローが残るため、リフ時の厚みを損なわずにソロだけ一歩前に出したいときに有効です。
CUSTOMモードで作る“リード向けハイゲインドライブ”
SD-1W単体でリードトーンを作りたい場合や、ゲインが控えめなアンプを一段押し上げたい場合のセッティングです。
CUSTOMモードで、DRIVEを12〜14時、TONEを11〜12時、LEVELを12〜13時程度に設定します。中域の押し出しとローの厚みが増し、サステインも伸びるため、歌う系リードやハードロック寄りのソロにマッチするトーンになります。ハムバッカーとの組み合わせでは、ギター側のトーンやピックアップセレクターで明るさを微調整すると、アンサンブル内での抜けも確保しやすくなります。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- クラシックSD-1の良さを残したまま“解像度とレンジ”を上乗せ
SD-1Wは、あくまでSD-1の延長線上にあるペダルでありながら、解像感やレンジの広さが一段階アップしています。従来のSD-1で感じていた若干の曇りやローの痩せが抑えられ、コードを弾いたときに各弦の輪郭が分かりやすくなっているため、現代のバンドサウンドにも違和感なくフィットします。 - STANDARDとCUSTOMの2モードで“クランチからリード”まで1台完結
STANDARDでクラシックなSD-1サウンド、CUSTOMで太めのモダンドライブという構成により、クランチリズムからリードトーンまでを1台でカバーしやすいのが実用的です。ボード上の歪みペダルを増やしたくない場合でも、モード切り替えだけで役割を変えられるため、省スペースかつフレキシブルな歪みセクションを組めます。 - ブースターとしての性能が高く“ハイゲインアンプの相棒”になれる
ローを整理しつつミッドを押し出すSD-1系の特性は、ハイゲインアンプのフロントに置いたブースターとして非常に優秀です。特にSD-1Wでは、レンジが広がったことでローが痩せすぎず、リフ時の迫力を維持しながらソロ時だけ前に出すという、実戦で求められるブーストを作りやすくなっています。 - Waza Craftならではの国内生産とディスクリート回路の安心感
完全ディスクリート構成のアナログ回路と、日本国内工場での生産は、信頼性とサウンドクオリティの両面で安心材料になります。長くボードの“基準となる歪み”として使いたいプレイヤーにとって、リペア性や安定性も含めて頼れる一台です。
注意しておきたいポイント
- TS系とはミッドの出方が異なり、好みが分かれるポイントになる
SD-1系は、TS系に比べてミッドのピーク位置やローの削れ方がやや異なります。そのため、TS系の「がっつりミッドが持ち上がる」キャラクターに慣れていると、SD-1Wのミッドはやや尖って聞こえる場合があります。ブースター用途で使う場合は、アンプとの相性を含めて、TS系と弾き比べてから選んだ方がミスマッチを避けやすくなります。 - CUSTOMモードは環境によってはローが出過ぎることがある
CUSTOMモードでは、STANDARDよりもロー〜中低域が豊かになりますが、そのぶんアンプやキャビネット次第では、バンドアンサンブルの中でローが溜まりやすくなることもあります。その場合は、TONEをやや上げる、アンプ側でローを少し削る、別のイコライザーと併用するなど、全体のバランスを調整する必要があります。 - ブースト量を上げ過ぎるとノイズやハウリングのリスクも上がる
LEVELを大きく上げてブースター的に使う場合、アンプ側のゲインや他の歪みペダルとの組み合わせによっては、ノイズやハウリングが増えることがあります。ハイゲイン環境で使うときは、ステージボリュームやスタジオの環境を確認しながら、実戦レベルで破綻しないポイントまでブースト量を詰めておくと安心です。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | SD-1W Super OverDrive(Waza Craft) |
| エフェクトタイプ | オーバードライブ(アナログ) |
| バイパス方式 | バッファードバイパス/トゥルーバイパス |
| コントロール | LEVEL ノブ(出力レベル) TONE ノブ(トーン調整) DRIVE ノブ(歪み量) MODE スイッチ(STANDARD/CUSTOM 切り替え) |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V AC アダプター用ジャック(BOSS PSA シリーズ対応) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(PSA-100/PSAシリーズ) |
| 消費電流 | おおよそ 15 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-20 dBu 入力インピーダンス:1 MΩ 規定出力レベル:-20 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:73 mm 前後 奥行:129 mm 前後 高さ:59 mm 前後 質量:約 430 g 前後(電池含む) |