Line 6 MM4 Modulation Modeler は、コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ、ロータリーなど16種類のモジュレーションをまとめて扱えるマルチモジュレーションです。3つのプリセットをフットスイッチで即呼び出しでき、DL4/FM4 譲りの直感的な操作性も健在。ペダルボードのモジュレーション枠を一台で完結させたいときの“定番候補”と言えるモデルです。
[Line 6] MM4 Modulation Modeler|ペダマニレビュー
どんなペダル?
MM4 は、Line 6 の“4ボタンモデラーシリーズ”のモジュレーション担当として登場したペダルです。往年のコーラス、CE系やTri-Chorus、アナログ/ジェットフランジャー、フェイザー、トレモロ、パンニング、ロータリースピーカー、リングモジュレーターに至るまで、さまざまなモジュレーション系エフェクトをデジタルモデリングで収録しています。
フロントには4つのフットスイッチがあり、左から3つはプリセット呼び出し/オンオフ、右端はタップテンポや一部モードの特殊操作に使われます。各モードで Speed/Depth/Tweak/Tweez/Mix などのノブを調整し、好みのサウンドを3つまで本体に保存できる構成です。
エクスプレッションペダルを接続すると、スピードやディレイタイム、ミックスなどをリアルタイムで可変できるため、「コーラスの深さを徐々に変える」「ロータリーの回転速度を踏みながら変える」といった使い方も可能。DL4/FM4 同様、“足元で音作りをしながら演奏する”タイプのプレイヤーと相性が良いペダルです。
サウンドの特徴(定番モジュレーションを“まとめて”ボードに載せる感覚)
MM4 のキャラクターは、「1台で多くの定番モジュレーションのツボを押さえにいく」方向です。
コーラス系は、ジャリっとした80’s寄りのステレオコーラスから、広がり重視のトライコーラス的なモードまで幅広く、クリーンの後ろに薄くかけるだけで一気に“プロっぽい”広がりが出ます。Depth と Mix を控えめにすれば常時オンの“広がり用”としても使いやすいサウンドです。
フランジャー/フェイザーは、アナログ系のうねりを意識したモデルが多く、Speed を下げて Depth を中〜やや高めに設定すると、往年のジェットフランジャーやビンテージフェイザーらしい“うねり”を再現できます。モダンな超ハイファイというより、“音楽的に気持ちいい揺れ感”を優先したキャラクターという印象です。
ロータリーやビブラート、トレモロ/パンニング系は、アンプの後段にステレオで使うと真価を発揮します。ステレオ環境では、ギターが左右に揺れたり、スピーカーが回転しているような立体感が出て、クリーントーンの表情が一気に増えます。モノラルでも十分実用的ですが、ステレオで鳴らしたときに「MM4 を選んだ意味」を強く感じやすいペダルです。
使い勝手・セッティングのイメージ
クリーン常時オン用の薄掛けステレオコーラス
Speed:9〜10時
Depth:9〜11時
Mix:9〜10時
モード:コーラス系(CE系/トライコーラス系など)
クリーンカッティングやアルペジオ用に、常時オン前提で広がりだけを足したいときのセッティングです。揺れを感じるか感じないかくらいの薄さにしておくと、コードの鳴り方がリッチになりつつも“コーラスをかけている感”が出過ぎません。歌モノのバッキングやポップス系の現場で使いやすい設定です。
ジェット系フランジャーでリフを前に出すロックセッティング
Speed:10〜11時
Depth:13〜15時
Feedback/Regeneration:中〜やや高め
Mix:11〜13時
モード:アナログ/ジェットフランジャー系
パワーコードのリフや、アルペジオの一部に“うねり”を加えて主張させたいときの設定です。Feedback を上げすぎると過激に自己主張し過ぎるので、まずは中程度から少しずつ足していくと、使いやすいポイントを見つけやすくなります。90年代〜00年代オルタナ〜ラウド寄りのサウンドメイクにもハマります。
ロータリー/ビブラートでアンビエント寄りクリーンを作る
Speed:遅めと速めをエクスプレッションで行き来
Depth:中程度
Mix:12〜14時
モード:ロータリースピーカー/ビブラート系
ステレオアウトを活かし、アンプもしくは IR/ラインのステレオ環境に繋いだ状態で使うと、ロータリーやビブラートのモードがかなり生きてきます。ゆっくり回転させたパッド的クリーンから、スイッチ一つで速回転の“オルガン風トレモロ”に変えるような使い方も現実的です。アンビエントやポストロック寄りのギタリストには特においしいゾーンです。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- 複数のモジュレーション専用機を“一括管理”できる合理性
MM4 の一番の魅力は、単体コーラスや単体フランジャーなどをバラで揃える前に、「まずこれ一台でモジュレーション一式を担わせられる」点です。ボード内のモジュレーション枠を1スロットにまとめることで、残りのスペースを歪み/ディレイ/リバーブに回しやすくなり、限られたボードサイズで最大限バリエーションを確保しやすくなります。 - 3プリセット+タップテンポでライブセットにそのまま組み込みやすい
よく使うモジュレーションを3つまで保存しておけるため、「常時オン薄掛けコーラス」「曲中で一瞬使うジェットフランジャー」「ロータリースピーカー用」といった役割分担をしておくと、リハでも本番でもスイッチ一つで呼び出せます。タップテンポ対応のモードでは、曲ごとのテンポに合わせて揺れの周期を揃えられるので、リズムにシビアな楽曲でも安心してモジュレーションを使えます。 - エクスプレッションペダルとの組み合わせで“動かすモジュレーション”が楽しい
Speed や Mix、フィードバック系パラメータをエクスプレッションに割り当てることで、演奏中に揺れの深さや速さを変える表現が可能になります。例えば、ソロの途中で徐々にフランジャーを深くしていったり、ロータリーの回転を踏みながら加速させたりといった“動きのある”演出ができるのは、MM4 の強みです。
注意しておきたいポイント
- ボード内では“しっかり大きい存在”になるサイズ感
DL4/FM4 と同じく、MM4 も4フットスイッチ搭載の横長筐体で、コンパクトペダル数台分のスペースを占有します。小型ボードやミニペダル中心のセットではレイアウトの見直しが前提になるため、導入前にボード全体の設計を考えておく必要があります。 - 最新機種と比べると、解像度や細かいエディット性は“世代相応”
設計としては一世代前のデジタルモデラーに属するため、最新のハイエンドモジュレーションやマルチと比べると、解像度やノイズレベル、内部パラメータの細かさでは差を感じる場面があります。とはいえ、その少しラフで“エフェクターらしい揺れ感”を含めてMM4のキャラクターになっているため、完璧なハイファイよりも「音楽的に気持ちよい揺れ」を重視するかどうかが選択のポイントになります。 - 電源仕様と中古個体のコンディションには注意が必要
旧来の Line 6 シリーズ共通の電源仕様(専用アダプター推奨)であること、長年使われてきた個体ではフットスイッチやポットの寿命に差が出やすいことなど、運用面での注意点もあります。メインボードの中核として使う場合は、信頼できるアダプターとコンディションの良い個体を選ぶ前提で検討した方が安心です。
機種の仕様
| メーカー | Line 6 |
| 製品名 | MM4 Modulation Modeler |
| エフェクトタイプ | モジュレーションマルチ(コーラス/フランジャー/フェイザー/トレモロ/ロータリー ほか) |
| 搭載モード | モデル数:16種類のモジュレーションアルゴリズム コーラス系 フランジャー系 フェイザー系 トレモロ/パンニング系 ビブラート系 ロータリースピーカー系 フィルター/リングモジュレーション寄りの特殊モード など プリセット:3つまで本体に保存可能(フットスイッチ A/B/C に割当) エクスプレッションペダル対応:特定パラメータをリアルタイムコントロール可能 |
| コントロール | FREQUENCY / START(フィルターのカットオフ/スSPEED:モジュレーションスピード DEPTH:揺れの深さ TWEAK/TWEEZ:モードごとに割り当てが変わるパラメータ(トーン/フィードバック/ウェーブ形状 など) MIX:原音とエフェクトのブレンドバランス モードセレクター:16種類のモジュレーションアルゴリズム選択 フットスイッチ:A/B/C(プリセット/オンオフ)、TAP TEMPO/その他機能 ※各ノブの役割はモードにより名称・機能が変化する構成です。 |
| 接続端子 | INPUT L / MONO, R(モノラル/ステレオ入力) OUTPUT L / MONO, R(モノラル/ステレオ出力) EXPR PEDAL(エクスプレッションペダル入力) 電源端子:専用電源もしくは対応アダプター用端子 |
| 電源 | アルカリ電池(単2形)×4 専用 AC アダプター(Line 6 指定の電源) |
| 消費電流 | おおよそ 250 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:250 mm 前後 奥行:150 mm 前後 高さ:55 mm 前後 質量:約 1,750 g 前後 |