Line 6 DL4 Delay Modeler は、16種類のディレイモデルとルーパー機能を搭載したマルチディレイの定番機です。アナログディレイやテープエコー、リバース、マルチタップなど多彩なアルゴリズムを、3つのプリセットスイッチとタップテンポで直感的に呼び出せるのが特徴。その象徴的なグリーンの筐体は、ロックからポストロック、アンビエントまでジャンルを問わず、長年ステージで愛用され続けています。
[Line 6] DL4 Delay Modeler|ペダマニレビュー
どんなペダル?
DL4 は、「ディレイ用のマルチエフェクター」として早い時期から普及した名機で、現在のマルチディレイ系ペダルの原型の一つと言っても良い存在です。16種類のディレイモデルは、テープエコー、アナログディレイ、デジタルディレイ、リバース、マルチタップ、モジュレーション系などを網羅しており、定番の空間演出から飛び道具的なエフェクトまで幅広くカバーします。
本体には4つのフットスイッチがあり、うち3つはプリセット呼び出し/オンオフ、右端はタップテンポ兼ルーパー操作に使用します。プリセットは3つまで本体に保存できるため、「ショートディレイ」「ロングディレイ」「アンビエント用」など、よく使う3パターンを即座に切り替えられます。さらに、ルーパーを使えば、約14秒(ハーフスピード時は実質もう少し長め)のループ録音が可能で、ソロギターやアンビエント系のレイヤー構築にも対応できます。
サウンドの特徴(モデリングらしい守備範囲の広さと“らしさ”を両立)
DL4 のサウンドは、モデリングディレイらしく守備範囲が非常に広いのが特徴です。クリアなデジタルディレイモードでは、原音に忠実な残響が得られ、リズムディレイや複雑なディレイフレーズの再現に向いています。一方で、テープエコーやアナログディレイのモデルでは、ハイ落ちや歪み感をシミュレートした“古い機材らしい”ニュアンスを再現しており、ビンテージ系のサウンドメイクにも対応できます。
モジュレーション付きディレイやリバース、マルチタップ系のモードでは、揺らぎや逆再生、ディレイの多段構造による立体感を簡単に作り出せます。特にポストロックやアンビエント系では、ロングディレイとフィードバックを活かして、音の壁のようなサウンドスケープを作る用途に重宝されてきました。単なる“きれいなディレイ”にとどまらず、曲の主役になるようなエフェクトとしても使えるキャラクターです。
全体としての音質は、最新鋭のハイレゾ系というより、「十分実用的で、少しキャラクターのあるモデリングディレイ」といった立ち位置です。そのキャラクターも含めて“DL4の音”として受け入れられている印象で、今でもシーンで見かける理由になっています。
使い勝手・セッティングのイメージ
ショートディレイで太さを足すクランチ用セッティング
クリーン〜クランチのソロや、リズムギターに太さを足したいときは、ショートディレイ系のモードで、ミックス控えめのセッティングが使えます。一般的には、ディレイタイムを100〜200ms前後に設定し、ミックスを原音の1〜2割程度に抑えることで、いわゆる“スラップエコー寄りの太さ”をギターに付与できます。フィードバックを少なめにしておけば、余計な残響が残らず、ロックやポップスのバッキングでも邪魔になりません。
ロングディレイ+フィードバックでアンビエントな広がりを作る
ポストロックやアンビエント系のフレーズでは、ディレイタイムを400〜800msほどのロング設定にし、ミックスを高めに、フィードバックも中〜高めに設定することで、音の壁のような広がりを作ることができます。モジュレーション付きのモードを使えば、残響に揺らぎが加わり、より“浮遊感のあるサウンド”に寄せることが可能です。トレモロやリバーブと組み合わせて、1台でかなり複雑な空間表現を作り込めます。
ルーパーでフレーズのレイヤーを重ねるソロギター用途
ルーパーモードを使うと、簡易ルーパーとして、コードバッキングの上にメロディを重ねることができます。まずクリーン〜軽いクランチでコードを録音し、その上からディレイをかけたリードトーンで単音フレーズを演奏することで、ギター1本でも厚みのある演奏が可能になります。ハーフスピードやリバースの組み合わせを活用すれば、アンビエントなパッドのような層を作り、その上に即興フレーズを乗せる使い方も現実的です。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- 1台で“定番ディレイ+飛び道具+ルーパー”までをカバーできる汎用性
DL4 の大きな魅力は、これ1台でスタンダードなディレイから実験的なサウンド、さらにルーパー機能までを一通りこなせる点です。ボードのスペースに制約があっても、「ディレイ用のマルチ+簡易ルーパー」として DL4 を中心に据えれば、多くの現場で必要とされる空間系のニーズをカバーできます。専用機を複数並べる前に、まず DL4 で方向性を試す、という構成も十分現実的です。 - 3つのプリセットとタップテンポで“ライブ運用に強い”設計
本体の3フットスイッチにプリセットを割り当てられるため、「ショート」「ロング」「アンビエント」のように役割を分けて保存しておき、曲ごとに踏み換えるだけの運用ができます。右端のタップテンポスイッチでその場のテンポに合わせられるので、ディレイフレーズを多用するライブでも、テンポずれのストレスを最小限に抑えられます。スタジオでもステージでも“とりあえず DL4 を置いておけば安心”という安心感があります。 - “グリーンの箱”そのものが一つのサウンドシンボルになっている
DL4 は、特にポストロックやエモ/オルタナ系のギタリストの足元に置かれてきた歴史が長く、そのビジュアルも含めて一つのシンボルになっています。サウンド的にも、「最新デジタルの超ハイファイ」というより、“ちょっとラフだが音楽的に気持ちいいディレイ”というキャラクターを持っており、その“らしさ”を求めてあえて今でも DL4 を選ぶプレイヤーも多い印象です。
注意しておきたいポイント
- 筐体サイズと重量は“コンパクトペダル+α”ではなくしっかり大きめ
DL4 は4フットスイッチを搭載した横長筐体のため、一般的なコンパクトペダルと比べるとかなり大きく、重量もそれなりにあります。小型ボードを組みたい場合や、ペダルを詰め込みたい場合には、DL4 だけでかなりのスペースを占有することになるため、導入前にボード設計をしっかり考えておく必要があります。 - 電源仕様や筐体の頑丈さについては運用面での注意が必要
旧来の DL4 は専用寄りの電源仕様(一般的な 9VDC センターマイナスとは異なるタイプ)を持つ個体もあり、安定した電源を確保することが重要です。また、長年ステージで酷使されてきたこともあり、中古個体ではフットスイッチやポットのガリなど、コンディションにばらつきが出やすい点にも注意が必要です。ライブの要になる場合は、信頼できる個体を選ぶか、メンテナンス前提での導入を考えた方が安心です。 - 最新のハイエンドディレイと比べると、解像度やノイズ面は“時代相応”
現代のハイエンドマルチディレイと比較すると、DL4 の解像度やノイズレベル、細かいエディット自由度は一世代前の設計と言えます。とはいえ、これは逆に“DL4らしいキャラクター”と捉えることもできるポイントであり、完璧なハイファイを求めるか、音楽的な味を求めるかによって評価が分かれる部分です。導入前に、自分がどちら寄りのニーズを持っているかを整理しておくとミスマッチを避けやすくなります。
機種の仕様
| メーカー | Line 6 |
| 製品名 | DL4 Delay Modeler |
| エフェクトタイプ | マルチディレイ/ルーパー |
| 搭載モード | ディレイモデル数:16種類(テープエコー、アナログディレイ、デジタルディレイ、リバース、マルチタップ、モジュレーション系 など) プリセット:3つまで本体に保存可能 ルーパー機能:約14秒程度の録音時間(ハーフスピード使用時は実質倍の長さのフレーズとして扱える設計が一般的) タップテンポ:専用フットスイッチによるタップ入力対応 |
| コントロール | DELAY TIME(ディレイタイム) REPEATS(フィードバック/繰り返し回数) TWEAK(モードに応じたパラメータ1) TWEEZ(モードに応じたパラメータ2) MIX(エフェクト音と原音のブレンド) モードセレクター(16種類のディレイアルゴリズム選択) フットスイッチ:A/B/C(プリセット/オンオフ)+ TAP TEMPO/LOOPER 操作用 |
| 接続端子 | INPUT L / MONO, R(モノラル/ステレオ入力) OUTPUT L / MONO, R(モノラル/ステレオ出力) EXPR PEDAL(エクスプレッションペダル入力) 電源端子:専用電源もしくは対応アダプター用端子 |
| 電源 | アルカリ電池(単2形)×4 専用 AC アダプター(Line 6 指定の電源) |
| 消費電流 | おおよそ 250 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:250 mm 前後 奥行:150 mm 前後 高さ:55 mm 前後 質量:約 1,750 g 前後 |