MXR M102 Dyna Comp は、カントリー系やポップス、クリーン系サウンドで定番となっている2ノブ・コンプレッサーです。アタックを丸くまとめてサスティンを伸ばす“ギュッ”とした掛かり方が特徴で、クリーンカッティングの粒立ちアップや、クランチの歌うサスティンづくりに長年使われてきたクラシックモデルです。
[MXR] M102 Dyna Comp|ペダマニレビュー
どんなペダル?
Dyna Comp は、「Output」「Sensitivity」の2ノブだけで扱えるシンプルなアナログコンプレッサーです。内部的には OTA(オペアンプ)タイプのクラシックなコンプ回路で、現代的な“超ナチュラル系”というより、しっかりキャラクターが出るタイプに分類されます。
Sensitivity を上げていくほどアタックが丸くなり、音の立ち上がりがそろっていきます。その結果、クリーンアルペジオやカッティングの粒が揃い、コード感が前に出やすくなります。また、シングルノートのサスティンも伸びるので、クリーン〜ライトクランチあたりのリードトーンにも向いています。
「とにかく自然なコンプレッション」というより、「コンプらしいコンプ感を足したい」ギタリストに刺さるタイプのキャラで、カントリー、ポップス、AOR、シティポップ系のサウンドメイクと相性が良いモデルです。
サウンドの特徴(しっかり“潰して伸ばす”コンプ感)
Dyna Comp のサウンドは、ナチュラル系コンプに比べるとキャラクターがはっきりしており、アタックを軽く潰してサスティンを伸ばす方向に強く働きます。
Sensitivity を上げると、ピッキングの強弱が均されていくため、弱い音も持ち上がり、全体の音量感がそろいます。その一方で、アタック成分はやや丸くなり、いわゆる「コンプレッサーを通した独特のコンプ感」が前に出てきます。
クリーンカッティングでは、コードの一音一音がしっかり前に出て、ミックスの中でリズムギターが存在感を持ちやすくなります。クランチとの組み合わせでは、音の頭が揃うことで、ソロやフレーズが「歌う」印象になり、アンサンブルの中で滑らかに前に出てきます。
ただし、Sensitivity を上げすぎると、ノイズも一緒に持ち上がりやすくなり、アタックも過度に丸くなります。狙いとしては「コンプ感はしっかりあるけど、潰れすぎないライン」に落とし込むのが現実的です。
使い勝手・セッティングのイメージ
ノブは Output と Sensitivity の2つだけです。基本的な考え方としては、Sensitivity でコンプの強さを、Output で全体の音量を合わせるイメージです。
クリーンカッティング用セッティングのイメージ
Sensitivity は 10〜12時程度、Output を原音と同じ〜少し上げる程度に調整すると、カッティングの粒立ちが揃い、コード感が前に出るセッティングになります。ストラトやテレキャスで16ビートのカッティングをする場合、常時オン気味にしておくと「コンプがかかったクリーン」らしい気持ちよさが出ます。
クランチリード用セッティングのイメージ
クランチ気味に歪ませたアンプやオーバードライブの前に置き、Sensitivity を 11〜13時前後に設定すると、単音リードのサスティンが伸びて、音の頭も揃いやすくなります。Output は弾き比べながら、バンド内で少し前に出る程度に調整します。
常時オン的な使い方とポイント
常時オンで使う場合は、Sensitivity を上げすぎないことが重要です。9〜11時程度に抑えておくと、「あくまで少しだけ整えるコンプ」として自然な範囲に収まりやすく、クリーンと歪みを切り替えても違和感が少なくなります。
ノイズ対策としては、Sensitivity を必要以上に上げないこと、歪みやアンプのゲインと合わせて全体のゲイン構成を見直すことがポイントになります。
ペダマニ的「ここが魅力!」
- クラシックな“コンプ感”が簡単に手に入る
Dyna Comp は、コンプレッサーらしい「ギュッとしたまとまり感」と「伸びるサスティン」が分かりやすく得られるペダルです。ナチュラル系コンプではもの足りないと感じる場面でも、Dyna Comp ならではのキャラクターがしっかり前に出るので、「コンプの音が欲しい」ときに頼りになる存在です。 - ノブだけで現場の音作りが早い
パラメーターが少ない分、「どこをどう触ればいいか」が非常にシンプルです。Sensitivity で効き具合、Output でレベルを合わせる、この2点だけで現場の音作りが完結するので、スタジオやライブハウスで短時間に音決めしなければいけない状況でも運用しやすいペダルです。 - クリーン〜クランチの“歌い方”を変えられる
クリーンカッティングの粒立ちアップ、クランチリードのサスティン追加など、クリーン〜ライトディストーションの守備範囲で特に真価を発揮します。単に音量を揃えるだけでなく、「フレーズの歌い方そのものを変える」道具として機能するのが Dyna Comp のおもしろいところです。 - 歴史ある定番として、比較軸にもなる
多くのプレイヤーやレコーディングで使われてきたモデルなので、「Dyna Comp っぽいコンプ感」という共通言語があるのも強みです。ほかのコンプペダルを試すときにも、「Dyna Comp に対してどのくらいナチュラルか/派手か」を比べる基準になります。
注意しておきたいポイント
- ナチュラル志向のコンプとは方向性が違う
Dyna Comp は、あくまでキャラクターの立ったコンプレッサーです。音量の均しだけを極力目立たずに行いたい人や、「コンプはかかっているかわからないくらいでいい」という人には、よりナチュラルなスタジオ系コンプの方がマッチする可能性があります。 - Sensitivity の上げすぎでノイズと潰れが増える
Sensitivity を高くしすぎると、サスティンは伸びますが、その分ノイズも一緒に持ち上がり、アタックも過度に丸くなってしまいます。特にシングルコイルやハイゲイン環境では、ゲインと Sensitivity のバランスを慎重に詰める必要があります。 - トーンコントロールがないためアンプ側との相性が重要
本体にトーンノブがないため、コンプをかけた結果として高域が少し丸く感じる場合、アンプ側や後段の EQ での調整が前提になります。アンプとの相性によっては、ややこもって感じるケースもあるので、実際の使用環境での試奏が重要です。 - 常時オンにすると“コンプっぽさ”が気になる場合がある
コンプレッサーらしいクセがしっかり出るタイプなので、常にオンにしていると音作り全体が Dyna Comp のキャラクター寄りになっていきます。曲やパートによっては、必要に応じてオン/オフを切り替えた方がアンサンブルに馴染みやすい場合もあります。
機種の仕様
| メーカー | MXR |
| 製品名 | M102 Dyna Comp |
| エフェクトタイプ | コンプレッサー |
| 搭載モード | 単一モード 最大 +26dB 程度までのブースト |
| コントロール | Output:出力レベル調整 Sensitivity:コンプレッション量/サスティン量の調整 |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター/ライン入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) DC IN:9V DC アダプター用ジャック(センターマイナス) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(センターマイナス) |
| 消費電流 | おおよそ 3 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 入力インピーダンス:1 MΩ 出力インピーダンス:10 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:61 mm 前後 奥行:110 mm 前後 高さ:53 mm 前後 質量:約 400 g 前後(電池含む) |