BOSS GT-1 は、コンパクトな筐体に GT シリーズゆずりのモデリングとエフェクトを凝縮したギター用マルチエフェクターです。プリセットだけでも即戦力の音が揃っており、アンプモデリングから空間系、シンセ系まで一通り網羅。軽量ボディと電池駆動に対応しているため、自宅〜スタジオ〜小規模ライブまで、1 台で幅広く対応できるのが強みです。
[BOSS] GT-1 Guitar Effects Processor|ペダマニレビュー
どんなペダル?
GT-1 は、フロア型 GT シリーズのエントリーモデルに位置付けられるマルチエフェクターです。
上位機種ほどの拡張性はありませんが、ギター用アンプモデリングと主要エフェクトを一通り搭載しており、「とりあえず 1 台あればどこでも戦える」タイプのオールインワン機です。
本体は BOSS コンパクト 2 台分くらいの横幅に、3 つのフットスイッチとエクスプレッションペダルを備えたシンプルなレイアウト。
マルチ特有の複雑さを抑えつつ、パッチ切り替え・エフェクトオンオフ・ボリューム/ワウまで、最低限の操作は足元だけで完結できるよう設計されています。
USB オーディオにも対応しているため、オーディオインターフェース代わりに DAW へそのまま録音する用途にも向きます。
サウンドの特徴(オールラウンドな実戦マルチサウンド)
GT-1 のサウンドキャラクターは、「GT シリーズらしい素直で使いやすいモデリング」がベースです。
アンプモデルはクリーン〜クランチ〜ハイゲインまで幅広く、極端なクセは少なめ。どのパッチもバンドアンサンブルに混ざりやすい音量感と EQ バランスにまとめられています。
- クリーン系
フェンダー系クリーンを意識したモデルでは、コンプを軽くかけた上でコーラスやディレイを足すと、80’s ポップス〜現代のワイドレンジなクリーントーンまでカバーできます。ハイがきつすぎないので、耳に痛くなりにくいのもポイントです。 - クランチ〜ロックリズム
ブリティッシュ系のクランチモデルは、コード感が崩れにくく、リフ向きのミッド寄りサウンド。OD/DS ブロックと組み合わせることで、オーバードライブ〜モダンなロックリズムまで作り込みやすくなっています。 - ハイゲイン/メタル寄り
ハイゲインモデルは現代的なタイトさというより、やや丸めの GT 系サウンド。ザクザクしたメタルリフというよりは、ラウドロック〜ハードロック寄りの質感で、ノイズゲートとの併用前提で使うと扱いやすいです。 - 空間系・アンビエント
コーラス/ディレイ/リバーブは BOSS 定番の安定感あるキャラクター。特にディレイとリバーブを深めにかけたアンビエント系パッチは作りやすく、シューゲイザーやポストロック的なサウンドにも対応できます。
総じて「極端な個性よりも、どの現場でも破綻しないオールラウンダー」という印象の音作りです。
使い勝手・セッティングのイメージ
操作系
- 3 フットスイッチ(パッチアップ/ダウン、CTL)
- エクスプレッションペダル(ボリューム/ワウ/その他をアサイン可能)
- パネルのノブで、選択中ブロックのパラメータを直感的に編集
パッチ単位で「アンプ+OD/DS+モジュレーション+ディレイ+リバーブ」といったチェインを組み、必要に応じてコンプ、EQ、ノイズサプレッサーなどを追加していく GT 系の標準構成です。
典型的な運用パターン
- 自前アンプを使う場合(4 ケーブルでないシンプル接続)
- アンプモデル:OFF
- ドライブ/モジュレーション/ディレイ/リバーブだけを使用
- OUT を「LINE ではなく AMP 用設定」にして、ハイ落ちを抑えつつ馴染ませる
- ライン直 or PA 直結の場合
- アンプモデル:ON(クリーン〜クランチ〜ハイゲインをパッチごとに分ける)
- キャビシミュ:ON
- それぞれのパッチごとに LEVEL をそろえておくと、ライブでの切り替えがスムーズ
- 自宅練習/録音
- USB で PC に直結し、DAW でモニター
- AUX IN にスマホなどを繋いで、オケを流しながら練習
ノイズはデジタルマルチとして標準的で、ノイズサプレッサーを適切に設定しておけば実用上は問題ないレベルです。
ペダマニ的「ここが魅力」
- 軽量・コンパクトで持ち運びがとにかく楽
ギグバッグのポケットにスッと入るサイズと重量。電池駆動もできるため、「アンプだけ借りる現場」にも強いです。 - プリセットが即戦力寄りにチューニングされている
マルチによくある「プリセットが派手すぎてそのままでは使いにくい」という傾向が少なめ。レベルさえ調整すれば、そのままリハに持ち込めるパッチが多い印象です。 - 価格帯の割に機能が充実
アンプモデリング、各種エフェクト、チューナー、USB オーディオ、エクスプレッションペダル…と、必要な要素が一通り揃っています。初めてのマルチとして導入しやすいコスト感です。 - BOSS コンパクトとの親和性
前段・後段に BOSS コンパクトを 1〜2 台足してキャラクターを補強する構成も相性良好。たとえば「お気に入りのオーバードライブ+GT-1 で残り全部を担当」という運用がしやすいです。
注意しておきたいポイント
- 上位 GT シリーズと比べると細かいルーティング自由度は控えめ
センドリターンや複雑なパラレルルーティングなど、本格的な音作りには限界があります。「1 台で何でも細かく作り込みたい」よりは「シンプルに手早くまとめたい」方向けです。 - モデリングの質感は最新ハイエンドと比べるとやや一世代前
いわゆるフラグシップ級のマルチと比べると、アンプモデルの立体感や IR の細かさでは差があります。とはいえ、ライブハウス規模の現場では十分実用レベルです。 - 本体フットスイッチは 3 つのみ
バンク移動や個別エフェクト ON/OFF を足元で細かく操作したい場合、外部フットスイッチの増設を前提に考えた方がよいです。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | GT-1 Guitar Effects Processor |
| エフェクトタイプ | ギター用マルチエフェクター/アンプモデリング内蔵 |
| 搭載モード | メモリー:99(ユーザー)+99(プリセット) エフェクト:108種類(BOSS 各種エフェクトブロック多数搭載) |
| コントロール | メインノブ:CATEGORY / VALUE / その他パラメータノブ ボタン:MENU、EXIT、WRITE、FX ブロック選択ボタン ほか フットスイッチ:1 / 2(パッチ切り替え、CTL 等)、CTL スイッチ割り当て可能 エクスプレッションペダル:ボリューム/ワウ/任意パラメータをアサイン可能 |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:L/MONO、R(アンプ/PA/オーディオインターフェースへ) PHONES:ヘッドフォンアウト AUX IN:ステレオミニ(外部オーディオ入力) CTL/EXP:外部フットスイッチまたはエクスプレッションペダル用端子 USB(type-B):オーディオインターフェース機能/エディター接続用 DC IN:9V AC アダプター用ジャック |
| 電源 | アルカリ電池(単3形)×4 AC アダプター |
| 消費電流 | おおよそ 200 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-10 dBu 入力インピーダンス:1 MΩ 規定出力レベル:-10 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:305 mm 前後 奥行:152 mm 前後 高さ:56 mm 前後 質量:約 1.3 kg 前後 |