多彩な8モード搭載の定番コンパクトリバーブ
BOSS RV-6 Reverb は、8種類のリバーブ・アルゴリズムを1台にまとめたコンパクトリバーブです。Room/Hall/Plate などの定番から、Shimmer や Dynamic のようなモダンな空間系までカバーし、ステレオ入出力とエクスプレッション端子も装備。ボードの終点に置くだけで、クリーンからハイゲインまで幅広いサウンドメイクに対応します。
BOSS RV-6 Reverb|ペダマニレビュー
どんなペダル?
RV-6 は、BOSSデジタルリバーブの定番である RV シリーズの中でも、コンパクト一台で“現場で必要なリバーブはほぼ全部”をカバーできる万能機です。
Room / Hall / Plate / Spring といった基本的な残響に加え、Modulate・Dynamic・Shimmer・Delay+Reverb の計8モードを搭載し、つまみ4つのシンプル操作で扱えるのがポイントです。
ステレオイン/ステレオアウトに対応しているので、空間系を広く使うアンビエント系ギタリストから、シンプルな1アンプ構成のプレイヤーまで、環境を選ばず導入しやすいモデルと言えます。
サウンドの特徴(自然な残響とモダン系を両立した多機能リバーブ)
ベーシック系モード(Room / Hall / Plate / Spring)
- Room:アンプのリバーブを少しリッチにしたような自然な残響。常時うっすらかけっぱなしに向いたモードです。
- Hall:広めのホール感で、クリーンアルペジオやバラード系のリードに合います。深めにかけても輪郭が残りやすい印象です。
- Plate:やや明るめで、立ち上がりの早いプレート系残響。歪みギターのソロに足しても音が埋もれにくく、ロック系のリードに好相性です。
- Spring:フェンダー系アンプを意識したスプリング・リバーブ。バネらしい「ピチッ」とした質感が欲しいときに便利です。
キャラクター系モード(Modulate / Dynamic / Shimmer / +Delay)
- Modulate:残響にコーラス的な揺れが加わるモード。アンビエント気味のパッドサウンドや、クリーンの広がりを強調したいときに活躍します。
- Dynamic:入力信号の強さに応じてリバーブ量が変化し、弾いているときは邪魔にならず、音が減衰してから残響が広がるインテリジェントなモード。速いフレーズでも音が濁りにくいのが特徴です。
- Shimmer:オクターブ上成分を含んだ幻想的なリバーブ。ポストロック/アンビエント系の「煌びやかな残響」が1ノブで作れます。
- Delay+Reverb:ショートディレイとリバーブを組み合わせたモード。空間系を1台で済ませたいときの簡易的な「空間セット」として使えます。
全体として、BOSSらしい安定したトーンで、極端に個性が強すぎるわけではないものの、「どのモードも現場で使える設定に落ち着く」まとまり方です。
使い勝手・セッティングのイメージ
コントロールは E. LEVEL(リバーブ量)/TONE(明るさ)/TIME(残響長)/MODE(モード切り替え) の4つだけとシンプルです。
常時うっすらリバーブ(Room / Hall)
- MODE:Room または Hall
- E. LEVEL:9〜10時
- TIME:9〜11時
- TONE:ギターやアンプに合わせて12時前後
アンプに元々リバーブがない場合でも、違和感なく「アンプ内蔵っぽい」残響が作れます。歪み・クリーン問わず万能。
歪みソロ用のプレート系(Plate)
- MODE:Plate
- E. LEVEL:10〜11時
- TIME:11〜13時
- TONE:やや高め(13時前後)
ロック系のリードトーン用。プレート特有の明るさと立ち上がりの早さで、バンド内でも音が埋もれにくい設定です。
アンビエント/広がり重視(Modulate / Shimmer)
- MODE:Modulate または Shimmer
- E. LEVEL:11〜13時
- TIME:13〜MAX
- TONE:12時前後から調整
クリーンアルペジオや長いサステインを活かしたフレーズ向け。Shimmer はかけ過ぎると支配力が強いので、E. LEVEL を上げる前に TIME で奥行きを作ると扱いやすいです。
RV-6 はエクスプレッション・ペダルで E. LEVEL をコントロールすることもできるため、「踏み込んだときだけ残響を深くする」ようなライブ向きの使い方も可能です。
ペダマニ的「ここが魅力」
- 8モード搭載でボードの終点がこれ1台で完結
ベーシック系から飛び道具系まで、必要になりそうなリバーブがひと通り揃っているので、「リバーブはまず RV-6 を1台載せておく」という運用がしやすいです。 - ステレオ対応とエクスプレッション入力
ステレオイン/アウトに対応しているため、ステレオディレイやモジュレーションと組み合わせた広いサウンドにも対応可能。また、エクスプレッションペダルで残響量をリアルタイムに操作できるので、ライブの表現力も高められます。 - BOSSクオリティの扱いやすさと信頼性
ノイズやレイテンシーも実用上気にならないレベルで、電源も9VのBOSS標準仕様。ボードに組み込みやすく、ツアーにも持ち出しやすい信頼性があります。
注意しておきたいポイント
- “キャラの尖った一芸リバーブ”ではない
どのモードもバランス良くまとまっている一方で、「超ビンテージなスプリングだけ欲しい」「超ディープなシマーだけが目的」といった、特定ジャンルに振り切った個性派ペダルに比べると、キャラクターはややマイルドです。 - Shimmer / Modulate はかけ過ぎ注意
派手なモードほど、E. LEVEL を上げ過ぎると原音の輪郭がぼやけます。バンドアンサンブルでは控えめな設定から詰めた方が、結果的に使いやすいケースが多いです。 - 細かいプリディレイやEQを追い込みたい人には物足りない場合も
高度なスタジオ系リバーブのように、プリディレイやディケイカーブを細かく設定するタイプではないため、そのレベルの作り込みを求める場合は、上位のマルチエフェクターやプラグインと使い分ける前提になります。
機種の仕様
| メーカー | BOSS |
| 製品名 | RV-6 Reverb |
| エフェクトタイプ | デジタル・リバーブ |
| 搭載モード | 8種類 Room / Hall / Plate / Spring / Modulate / Dynamic / Shimmer / Delay+Reverb |
| コントロール | E. LEVEL(リバーブレベル) TONE(音色の明るさ) TIME(残響長) MODEスイッチ(8モード切り替え) |
| 接続端子 | INPUT:標準フォーン(ギター入力) OUTPUT:標準フォーン(アンプ/次段エフェクターへ) EXP:エクスプレッションペダル入力(E. LEVEL 等をコントロール) DC IN:9V AC アダプター用ジャック(BOSS PSA シリーズ対応) |
| 電源 | 9V 角型電池 AC アダプター(PSA-100/PSAシリーズ) |
| 消費電流 | おおよそ 95 mA(DC 9V 時) |
| 入出力レベル/インピーダンス | 規定入力レベル:-20 dBu 入力インピーダンス:1 MΩ 規定出力レベル:-20 dBu 出力インピーダンス:1 kΩ |
| 外形寸法・重量(目安) | 幅:73 mm 前後 奥行:129 mm 前後 高さ:59 mm 前後 質量:約 450 g 前後(電池含む) |